ものボケの最近のブログ記事

 

IMG_0633.jpg ひさりぶりに万年筆のことを書きます。

 モンブラン社製 「マイスターシュテュック 144」 というモデルで、記憶している限り生まれて初めて自分で買った万年筆です。

 デパートで買ったとき、うちの奥さんが一緒にいたから、おそらく20年ほど前、当時はネットの通販なんてなかったか、あってもまだ私は使う習慣はありませんでした。

 既に何本も万年筆持ってたのに、何故にこの一本買ったかということですが、単に「太字の万年筆が欲しい」という実務的な事情からでした。

 それまでの人生で入手した万年筆は、これまでにも書いたとおりすべていただきものやったので、用途や自分の好みが反映されることもなく、一様にオーソドックスな細字か中字のものでした。一方、80年代後半頃から、オフィスでは急速なIT化が進み (当時は「OA化」なんて言ってましたが) 書類作成方法が手書きから、ワープロ、パソコンへと劇的に変化していきました。書類はプリンタ印字でも、手紙や仕事上の信書の最後には自筆で署名がしたい。どうせならインパクトのある太い文字が書きたい、けど太字の万年筆一本も持ってない…。それが購入動機でした。今思うと、署名なんか太かろうが細かろうがえーやないかと思いますが、何故かその頃はこだわってたのですね~。珍しく「買おう!」ということになったのです。

 どうせなら一生使えるブランドにしようと、モンブランの売り場で代表的なモデルを教えてもらいました。

 太字ならなんでもええけど、せっかくなら署名だけでなく日常も使えるのがいいなと希望を言ったところ、マイスターシュテュック というシリーズを「大中小」並べられました。順に「149」「146」「144」とゆうモデルやそうです。

 149は一目見てダメでした。ぶっとい!どっかの大統領が条約の調印式のときに使えばサマになるようなシロモノでした。これは、ぺーぺーのビジネスマンが普段使いするにはちょっとインパクトありすぎ。

 146はそれよりやや細め。それでもいつも使ってる他のペンやなんかに比べると、相当に太い。インクがたくさん入るための工夫なんやろか。私は手が小さいので太すぎる筆記具は長時間使いづらいという思惑から、結局いちばん細い144というのんに決めました。これなら持ち運びにもかさばらない。お値段も手頃。

 さて、買って帰って使い始めたところ、初めての太字の筆記感覚に戸惑いながらも、モンブラン独特の毛筆にも似たヌルヌルとした書き味には満足していたのです。

 ところが、しばらく使っているうちにどうも調子が悪くなってきました。インクの供給がよろしくない。太字なので当然ペン先のインクの減りはすさまじく早い。それに合わせてコンバータからインクがどんどん送られれば問題ないのですが、どうも追いつかずに結果、字がかすれてしまう。これは万年筆としては致命的な不具合です。

 ハズレやったかなぁと思ったものの、やっぱり初めて自分で買ったアイテムですので諦めきれません。何とか使い続けたいと思って、買ってから数カ月後、心斎橋のモンブランブティックに出向いてオーバーホールしてもらいました。結果かなり調子よくなったので、以来使い続けてます。

甦る二胡の調べ

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IMG_0903.jpg 職場の同僚にSというのがいます。

 彼と先日行きつけの居酒屋で飲んでいるうちに、訳あって新しくカセットデッキを買った話をしたところ、「では、カセットのミュージックテープを進呈しよう」と言い出しました。

 音楽聴きたくてデッキを買ったわけではないし、捨てられずにいる古いテープも腐るほどあるから、新しいテープなど欲しくはないと断ったのに、なんとか貰ってくれと言いはる。

 理由を聴くと、昔仕事で中国に行ったときに中国民謡や歌謡の演奏テープをなんと20巻以上勢いで買ってしまって、そのまま残ってる。彼の地の店頭に並んでいたテープ 「ここからここまで全部くれ」 と、みさかいなく大人買いしたとか。当時のレートで日本円にして1巻10円ほどやったらしい。

 持って帰る手間とか帰ってからの保管やなんか考えると、旅行先でのテンションの為せるワザとはいえ、何ともバカな買い物したもんです。結局、帰国してから使うこともなく、新品のままで何十年も置いてあるのやとか。

 その後時代は流れ、いつか誰の手元からもカセットテープを再生できる機器が消えていき、彼の家でも封も切ってない大量の中国ミュージックテープのみが残された。そこで今回、私がカセットデッキの話をしたところ思い出して、渡りに船と思って言い出したという次第やそうです。

 酒を飲みながらのそんな話のことすっかり忘れた先週になって、職場で 「ちょっとこい」 と呼び出され 「さあ、持って帰れ」 と20数巻のミュージック・テープの入った箱を渡されました。曰く 「悲しいかな、俺はもう聴きたくても聴けない、あとはよろしく」 と、彼は実に嬉しそう。

 どうするのよ、これ。

 とりあえず全部はとてもムリなんで試しにそのうちの2巻を家に持って帰りました。セロハンの包装破ってみると、新品のはずなのにカセットのケースにはあちこちキズと汚れなんかついてて使用感満載。さすがの中国クオリティです。ケースからテープ取り出しておそるおそるデッキで再生してみると、新品とはいえやっぱり古いテープ、ところどころ音がふにゃふにゃと揺れますが、なんとか鑑賞に堪える音質ではあります。

 内容はいかにもといった感じの中華メロディー。二胡や月琴といった楽器の音色にもの珍しさはありますが、この先繰り返して聴くことはまずないでしょう。

 職場に置いたままの残り20数巻、さあどうするよ。

昭和のオーディオ

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 前にも書きましたが、学生時代は合唱団にいました。先週、当時の自分たちの合唱の録音を聴いてみようと、ふと思い立ったのです。中学校、高校時代の演奏会はカセットテープで、大学時代のはレコードになって残ってます。もちろん過去何度も聴いたことがあり、わりとキレイに、充分鑑賞に堪える音で鳴ってました。しかし中学校の演奏会なんてもう40年近く前の話です。アナログのテープは果たしてどれくらいの年月、まともな形で保存できるんでしょ。当然、物理的な劣化は進んでいるはずです。

 そこで、聴くついでに、まだまともに再生できるうちにデジタル化しておこう…、と思い立ったことから今回のドタバタは始まりました。

 カセットテープをCDに焼くのはこれまでも何回も経験があったので、気楽に考えてました。ラジカセをパソコンにつないで再生して、1曲ずつWAV形式(音楽CDに焼くためのフォーマットです)のファイルで保存して…

 ところがやってみるとラジカセの再生が途中で止まってしまう。テープが古いために巻き取りが重くなってるのでしょう、ラジカセのメカニック部分が耐えきれず強制的にストップするのです。困った。

 このラジカセでは無理と判断し、リビングのステレオ(システムコンポ)からカセットデッキを取り外してきてパソコンにつなぎました。これでOKのはず。ところがなんとこのデッキ、動かんやないですか。PLAYボタン押すとカチカチ異音を発してテープ回らない。やば、壊れてる!そいや最後に動かしたのいつやったか覚えてない。だって、今どき音楽聴くのにカセットテープなんてありえないですもん。

 レコードが高くてなかなか買えなかった学生時代、音楽はFM放送をカセットテープに録音することで楽しんでました。エア・チェックというやつです。その後、レンタル店で借りてきたCDを録音するのもはじめはカセットテープでした。従って、テープがまあ、増える増える。何百巻と録りためたカセットテープも今や大半が燃えないゴミと化してます。

 ともあれ、デッキ動かないと今回の目的は達せられない。まず修理を考えるべし。サービスセンターに電話…と。ところが、このシステムコンポのメーカー、昭和の頃にはオーディオファン垂涎の的だったSANSUI、実はもう無いのです。悲しいかな社会全体の指向変化の波と厳しい競争に耐えきれず、昨年だったか、とうとう倒産してしまいました。修理できない。修理専門の業者がないこともないのでしょうが、きっと製品買うよりも高い技術料を請求されるでしょう。。。う~ん。

 新しいカセットデッキを購入することにしました。IMG_0739.jpg

 しかぁし! カセットテープはおろかその次のMDですらすでにその使命を終えつつある昨今、カセットデッキなんてもの、果たしてまだ作られてるのか!

 ネットで調べてみると、やはりソニーだのパイオニアといったメーカーでは既に生産終了しており、かろうじてあのTEAC社からまだ製品が出てました。選択の余地はありません。即、amazonで購入しました。CDドライブもついててこれ1台でテープからCDに録音できる便利モノです。USBも使えるんでパソコンでの編集もOK。思えば、今どきカセットデッキを新たに買い求めるということは、私みたいに古い録音をデジタル化する用途以外考えられないですもんね。

 かくして数本の古いテープはめでたくCDへと変身をとげました。

 結局、何本かのお宝テープのためだけに大騒ぎし、労力と出費を強いられることとなったわけです。しかし、これで青春の記録が将来にわたってきちんと保存されるのであれば安いもんです。そして、こんなめんどうな作業もある意味楽しみながらやっている自分に、すでに気が付いておりました。あらためて当時の録音を聴いてみると、上手下手はともかく、やっぱり懐かしさがこみ上げてきます。まあ、やってよかった。

 次はレコードかな。今となってはレコードを再生するスベも持ち合わせておりません。さて、レコードプレーヤー買うべきか。こちらはまだ愛好家が多く、カセットテープよりは深刻な状況にはないようです。

 しかし、まあ大学時代の下手くそで愛すべき演奏をふたたび聴く楽しみは、もうしばらく先にとっておくこととしましょう。

 オーディオの世界でも、昭和はホントに遠くなったということを実感した今回の騒動でした。

スマホのこと

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 今使っているスマートフォン、iPhone5という機種ですが、使い始めの頃からずっと調子が悪い。

 前に使っていたiPhone4から変更したときに、さらなる快適通信環境を目指してwifiのルーターも最新型に代えたのです。ところが、どうもつながりにくい。つながったときはサクサクとデータが届くのですが、つながらないときは、ぢ~っと待っていてもなかなか落ちてこない。つながってもいったん止まるとそこから再開するまでまたしばらくかかる、という状態で、つまり「不安定」でした。

 メールや通話に支障ないし、大きなデータ送受でもLTEの電波が十分速いので大して困ってなかったもんやから、そのままにしてたのです。

 ルータの方は、ノートパソコンなんかで使うと超快適に通信できるので、問題がないようです。

 「ソフトバンクはつながりにくい」という世間もっぱらの評判やったので、最初のうちは「こんなもんなのかなぁ」でだましだまし使ってました。しかし、いちど確認しとくべと思い立ち、昨日、心斎橋のApple Storeに出向きました。予約しておいたので、すぐに診てもらえました。

 スタッフの方いわく、wifiのアンテナの反応がよろしくないとのこと。よく分かりませんがなんしか不具合らしい。初期不良ということやったのでしょう。修理ではなくて、タダで新品に交換してもらえました。

 もっと早く確認に行っとくべし、でした。まったくつながらないのなら、素人でも「これ、おかしい」とすぐに解るけど、たまにつながったりするもんやから不良品とは思わなかった。ここに落とし穴ですね。

 新品と交換となると問題が現有機からの移行です。パソコンでバックアップとってから行ったのですが、自宅帰っていざ復元してみると、写真やミュージックなどのデータは戻ったけどアプリが元通りにならない。「ゲッ!」パソコン(iTunes)のどこ探しても残っていない。バックアップの際に何らかの設定ミスがあったのでしょう。無いものは仕方がない。もう一度いちからインストールやり直しました。wifiが速くなった(てか、使えるようになった)ので、たいした手間ではありません。すぐに見慣れたもとのiPhoneトップが帰ってきました。

 LINEのトーク履歴や購入したスタンプなんかもパァかな・・・と思いきや、なんとLINEアプリをインストし直すとちゃんと元通りに!これらはサーバーの方で管理されているのということか、それともバックアップの際にアプリ自体はバックアップしなかったけど、データはちゃんと吸い上げてたということか。

 分かりません。しかし、もうどっちでもいいです。

 バタバタしましたが、何とか機械は正常に稼働する新品に変わり、アプリもデータも完璧に元の状態が復元しました。スゴイ!

 特に支障なくても、当然受けるべきサービスの享受が不当に損なわれることは容認できません。

 返すがえす、もっと早く行っとけばよかった・・・・

IMG_0562.jpg これも古く入手したものですが、覚えています。同じく高校入学祝いの品として叔母からもらったものです。当時万年筆は入学祝いの定番だったのですね。「筆記具の王者」としてスティタスがあり、子供への贈答品としては値段も手頃。しかも学生はあまり万年筆は使わないので自分で買うことはまずしない。従って贈り物には最適というわけでしょう。

 今でもそうなんでしょうか。特に中高生あたりやと「ンなもんよりゲーム機のがいい」ということになりそう。
 
 さて、モンブランのノブレスというシリーズの普及版です。細くて極めてシンプル。「万年筆」のイメージを覆す斬新なデザインです。ステンレス製のボディは見た目どおりずっしりと重い。キャップを反対側に挿して使うとややバランスが悪く、長時間書いていると疲れるので、キャップははずして使ってます。
 
 入手当時、高校新入生やったわけですがモンブランのブランドは知ってたので、高級品っっ!ということで素直に嬉しかった。純粋な少年やったのです。しかも使ってみるとこれが書きやすい。モンブラン独特のヌルヌルとした書き味に、確かに他の万年筆とは違うと実感したことを鮮明に覚えています。
 
 以来、折にふれて使ってきました。古いだけに総使用時間はおそらく持ってる万年筆の中で最も長いのでは、と思います。しかし、最近はあまり出番がありません。たまに使ってやらないと手入れが大変です。
 
 ところで、この「Noblesse」というネーミング。「高貴」とか「貴族」とかいう意味です。スタイリッシュなデザインのイメージにピッタリやということで付けたのでしょうね。
 
 ノブレスと聞けば「ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)」という言葉の解釈がいっとき話題になりました。単に「高貴な人はそれに見合った恥ずかしくない振る舞いをすること」という意味ではなく「社会的地位のある人は、それに見合う社会的責任をきっちりと履行する義務がある」ということみたいです。
 
 何年か前に某大学関係者の講演会でこの言葉を聞きました。曰く、「私も今日の地位と名誉を与えられたからにはしっかりやらないといけないと思ってます。ノブレス・オブリージュですよ。」というわけです。
 
 このときは、自分のことを高貴といってはばからない神経にあきれたもんですが、まあ、言いたいことは分かったのでよしとしました。特権を利用することだけに腐心し、伴う義務はいっこうに省みようとしない、現在の多くの政治家に比べればはるかにマシですもの。

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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