切手代の憂鬱

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 クリスマス・イブです。街はジングルベルに浮足立ち、LEDのイルミネーションが、コロナ禍明けて最初の歳末にカネを使いやすい雰囲気を演出しています。わたしもあと1回で今年の忘年会もおしまいです。インフルにも気を付け年甲斐もなく羽目を外すことのないように自重してまいります。irumi.jpg

 さて、来年の秋から郵便代が値上げされるそうです。

 はがきが63円から85円、封書は今25gまで84円、50gまで94円なのが、どっちも110円に統一となります。消費増税がらみでない値上げははがきが7年ぶり、封書は実に30年ぶりやそうです。

 お手紙1通100円(税別)か~。諸色高値の世情とはいえ、ちょっと高いなと思います。わたしの記憶にある最初の郵便料金は小学生の頃、はがき7円封書15円でした。はがきは10倍以上の高騰です。日銀の資料によるとこの間の消費者物価指数は約4.3倍なので、郵便料金は物価上昇を差し引いても2倍以上高騰してることになります。

 しかし一方でつらつら考えてみるに、郵便制度は近代国家の基本事項、根本事業として優先して整備されてきた歴史があり、全国一律料金で確実に親書が届くという仕組みは、すごい社会インフラと言えます。仮に郵便が無かったとすると、親書や荷物すべて自分で、あるいは誰か別の人に頼んで自家用車や電車バスに乗って運ばなければならないわけで、その経費負担を考えると封書100円安いもんです。

 その制度が社会の変革によって苦しんでいます。実は、今回値上げしても今の郵便事業の赤字の解消は1年しかもたずその後再び大幅な赤字が予想されてて、もう値上げでの対処は難しく構造的抜本的改革が必要ということです。

 adpDSC_8804.jpgそらそうですよね。今やインターネット通信の爆発的な普及で、アナログの極みである手紙やはがきが大きく減りました。社会活動上の様々な手続きもネット経由になって手間が減り、スピードも格段にアップしました。懸賞の応募もネット、ラジオ局へのリクエストもネット、年賀状もネット。はがき書くより簡単かつ高速。さらに企業活動でも諸事デジタル化に加えて経費削減・虚礼廃止のトレンドから年賀状の発行枚数も激減しています。もうね、そのうち郵便ポスト無くなるかも知れません。わたしも過去、若くて交遊が活発な時代には300枚以上の年賀状をやりとりしてましたが、近年は半分以下に減りました。同年代の知り合いに「年賀状仕舞」の宣言も増えてきました。送り送られは楽しいものではありますが、そこに費やす時間と手間と費用を考えると自分もそろそろかなと思ってます。

 かつて、昭和の高度成長時代には郵便事業もイケイケで、記念切手も出せば完売してました。それらは郵便物に貼られずマニアのコレクションとしてストックされることで国の丸儲けとなってたのです。「将来値上がりするかも」という幻想に騙されて大損したマニアたちの惨状については何年か前のエントリーで詳しく書きました。郵政事業の回復に向けて打つ手は限られてきていることはあきらかです。

 そういえば、私も最近お手紙書いていません。もはや、万年筆を使って手紙を書くなんてことは一部の粋人のマニアックな趣味となってしまったのでしょうか。わが国の郵政にかつての勢いを取り戻してもらうため、応援の意味を込めてたまには手紙、はがき書いてみようかなと思います。

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