日光、結構でした。

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 所用があり上京したついでに、久しぶりに日光まで足を延ばし温泉に浸かってきました。

 日光には何度か行ったことがあります。最初は中学校の修学旅行でした。修学旅行ってのは友人たちと寝食を共にしてワイワイやるために行くので、行き先はどこでもいいのです。いちおう教育の一環であるとして関東の中学生たちは奈良・京都で歴史を学び関西からは東に向かいます。わたしの場合、箱根→東京→日光でした。実に楽しかったことを懐かしく思いだします。20240114_031640538_iOS.jpg

 大学時代は東京にいたので、日光・鬼怒川には何度か行きました。気の置けない友人たちとこころ行くまで麻雀をするのが目的という不健康極まる貧乏旅でした。娯楽の少なかった当時、麻雀はお金もかからない良質な娯楽のひとつでした。たまには気分を変えて温泉に浸かって、普段縁のない上品なお料理で酒を飲みながらという趣向で、これはこれで楽しいもんでした。

 それ以来の日光詣でです。まずは日光のシンボル東照宮にお参りします。しかしながらわたしは徳川家康が嫌いなので、久しぶりに見た陽明門のありがたさも中くらいといったところ。家康は、織田信長亡き後、関ヶ原の戦いと大坂夏の陣で卑劣卑怯な謀略でもって豊臣家を粉砕撃破し、まるで自分の力で天下を統一したような顔で美味しいところを持っていった悪党です。大阪人にしてみればにっくき仇敵であります。有名な方広寺鐘銘事件をはじめとする、その不埒三昧は司馬遼太郎の多くの作品によって広く世に知らしめられてます。そして先祖の悪行が子孫に祟り、報いを受けて250年後の戊辰戦争では最後の将軍慶喜が薩長軍にコテンパンに退けられたのであります。天網恢恢疎にして漏らさず。因果応報とはこのことです。東照大権現などと神様扱いで祭り上げたところで何の役にも立ちませんでした。

 話、逸れました。

20240114_075012945_iOS.jpg 境内に五重塔が立ってます。五重塔ってもともと仏舎利を納める入れ物で、本来お寺にこそ相応しい建物なのです。それがなぜ神社にあるのか。イスラム教のモスクに十字架がかかってるよなもんですが、日本人は宗教にはおおらかで、神様仏様一緒くたでもさほど気にしません。奈良東大寺の境内にも小さな神社がいっぱいあります。熊野那智大社では修験道の行者さんが那智の滝に向って般若心経を唱えてました。神社に仏塔があっても、それは名勝の賑わいとして華やかでよろしい。

 中禅寺湖はそばに聳える男体山の噴火で出た溶岩が川をせき止めてできました。横からちょろっと漏れ出したのが華厳の滝です。湖から滝に至る短い流れの途中に小さなダムがあって流れの調整をしているみたいです。雪解け前の冬の間は湖水の量が少なくて瀑布とはほど遠いチョロチョロ滝になってます。完全に枯れてしまうと観光価値的にまずいので、少しずつ小出しにしてるものと思われます。滝つぼのすぐそばまで下りるには有料エレベータに乗らねばなりません。往復570円也、なかなかのお値段ですね。20240114_044509962_iOS.jpg

 早めに着いてホテルのチェックインまで時間があったので、戦場ヶ原まで足を延ばしました。修学旅行ではここでクラスごとに集合写真を撮りました。アルバムから出してみると、電線が残念ですね。左後方によそのクラスの子が心霊みたいに映り込んでるし、当時の仕事はおおらかなもんでした。

 戦場ヶ原といっても古戦場ではありません。こんな湿地でリアルに戦なんかできない。名前の由来は例のごとく神話の世界です。男体山と赤城山が中禅寺湖を巡る領地争いで、大蛇と大ムカデに化けて戦ったという伝説があり、それにちなんで戦場ヶ原という名前になったとか。昔来た際は白樺林がキレイで高原の雰囲気満点でしたが、今回いかんせん時期が悪い。冬枯れの風景はそれなりに趣きがあるものの、殺風景でおまけにやたら寒い。早々に引き上げました。

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 ホテルは湖のすぐそば、レイクサイド。部屋からの眺めがよろしい。ゆっくりと湯に浸かり、ビールを飲み、また浸かりビールを飲み、また浸かり... 湖畔の夜は更けていくのであった。

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 東武特急スペーシアけごん号、行きは奮発して個室に乗りました。帰りは新型のスペーシアXでしたが出発時刻があやふややったんで個室が取れず、普通席でした。昨今、こういった豪華な観光特急が増えました。ゆったりと快適に目的地まで向かうことができます。歳とってくると移動で疲れにくいことはありがたい話です。若い頃は時間があってもお金がなかった。いまは多少の余裕があるけど逆に時間が限られます。人生は旅に例えられますが、リアルの旅の仕方も年齢とともに変わってきたなあと、ひしひしと感じます。spaciaX.jpg

 ともあれ、限られた日程の小旅行、思いのほかリフレッシュできたように思います。さあ、お仕事がんばろっと。

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katsuhiko

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奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

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