2021年11月アーカイブ

ふーん...

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 「宇宙際タイヒミューラー理論(IUT理論)」というそうです。Wikipediaによると「数論におけるさまざまな予想、特にABC予想を解く要件の考察により、遠アーベル幾何などを拡大した圏の宇宙際 (IU) 幾何を構想した数学理論である」そうです。

 ふんふんなるほど、と理解できる人がどれほどいるでしょうか。しかし、その筋の人が執筆してwikiに載ってるということは、この文章は多分正しくて「ふんふん」と役に立つ人もいるんでしょね。

 突然何の話かってことですけど、先週新聞に、数学の難問「フェルマーの最終定理」に関する記事が載ってたのです。

suugaku.jpg この定理は、数学の世界でたくさんある難問のひとつで長らく解決できていなかったところ、今から25,6年前にワイルズという学者さんが証明したと世界中で大きな話題になり、今ではワイルズの定理とかフェルマー・ワイルズの定理なんて言われてるそうです。「360年に渡る歴史に決着を付けた」などとNHKが特集してたことを、わたしも覚えてます。

 定理(予想)自体は簡単明瞭で、

 「3 以上の自然数 n について、(xのn乗)+(yのn乗)= (zのn乗) となる自然数の組 (x, y, z) は存在しない」これだけです。

 意味するところは私にも分かります。n=2のときは中学校で習う「ピタゴラスの定理」で(x, y, z) は無数に存在します。しかし、n=3,n=4,...と大きくなると、この式を満たす(x, y, z)は全く無いんやと。

 結論が明確に予想されてて、なんとなく簡単にさくっと証明できそうなもんですけど、なんとこれがゲロ難しくて、人類の叡智をもってしても達成するのに350年以上かかったというから、数学の世界はまさに常人には想像つかない奥深さがあります。

 んで先週の記事は、ある日本人研究者がこのフェルマーの定理をワイルズさんのやり方と違う方法で証明したと。それが冒頭のIUT理論というわけです。それもそのIUT理論の方を研究してたところ、その過程で「フェルマー...」もいわばおまけで証明できたというからなおすごい。いったいIUT理論てなにもんやねって話です。wikiはムズすぎるけど、記事によると「足し算やかけ算をする世界(=宇宙)を縦横無尽につなげ(=際)、数を自在に行き来させるという斬新なアイデア」と、理解できる日本語で書いてくれてます。それでも「ふーん」ですわ。

 さらに記事は「IUT理論はあまりに長大で難しく、理解者は世界で10人ほどしかいない」とも書いてます。つまり読者はこの記事を読んで「なるほど」と納得する必要はなく、「なんやよう分からんけどすごいらしい」で許されるわけです。よかった。

謎のお小遣い

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 総選挙のことはもうええかなと思ってたところ、関連して面白い話題がでてきたのでもう少し。

 候補者がいったいいつから正式に代議士になるのかって話で、これが実は当選証書受けとったときとか、初登庁したときなどではなくて、当選が決まった瞬間らしいです。確かに、有権者が投票を終えた時点で選挙の結果は確定しており、開票作業などは事後の確認手続きに過ぎんわけやから、まあそういうことになるでしょう。

 なんでこんな話するかというとですね、今回、投票日が10月31日で即日開票の結果当落が決まり、10月最終日の数時間だけ議員様の身分が生じたため10月分のお給料が支給されることが分かり「それってどうよ」と取り沙汰されてるからなんです。

 さすがに歳費についてはまるまる一カ月分出すなんてバカなことはなくて日割り計算します。つまり31分の1です。これはまあいいとして問題は第二の給与と言われている「文書通信交通滞在費」その額1カ月100万円はなんと日割りしません。10月31日の1日だけ、いや投票締め切り後の数時間だけ議員となったことで、まるまる一カ月分ひゃくまんえんが支給されると分かり、各方面大騒ぎとなっているのです。buisnessman_money_niyakeru.png

 日本維新の会の新人議員が「おかしい」と声を上げ、日割りに制度改正する法案を提出するとともに、貰っちゃったこの不当利得は寄附かなんかで返戻することとしました。これに追随する形で自公、立民、国民、共産次々雪崩を打って「返します」。さらに日割りにする法改正をさっそく臨時国会に提出、成立の運びとなりました。

 まあ、国民の感覚とはかけ離れた仕組みが続いていたところ、今回たまたま投票日が月の最終日やったことから、制度の不合理さが際立ち騒ぎになったわけです。しかし、過去ずっと同じ扱いが続いていたのに議員の誰ひとりおかしいと思わなかった。いや思ってっても「しめしめ、ごっちゃんです」とほくそ笑んでいたことになります。歳費にしたって、月割りが日割りに改正されたのはほんの10数年前です。つくづく国会議員とはおいしい商売です。みんながやりたがるはずですわ。

 そもそもこの「文書通信交通滞在費」極めて胡散臭い制度です。一応「経費」という建前なんで非課税です。しかし実際は何に使おうがまったく自由で、使途の報告も求められないし当然領収書も必要ありません。つまり、まるまる「非課税のお小遣い」なのです。過去には投資に流用して怒られた不埒な議員もいました。

 だいたい切手代やホテル代をひと月に百万円も使おうと思ったらいったいどんだけあちこち動かんといかんねんて話です。議員の仕事なんてやってるヒマは無くなりますよ。百歩譲ってこれだけの経費が本当に必要であるとしても、経費として使ったエビデンスは最低限必要でしょう。きっちりと領収書を徴収し、使い切れずに余った分は返戻するべき。こっちの方が遥かに不合理で問題なのに、これを正そうとは議員センセイたち誰も言い出しません。日割りを月割りに改正しても今回初当選の議員以外は誰も損しないけど、「領収書必要、余りは返戻すべし」なんてことになったら、議員全員の年額1,200万円のヤミ給料が消えてしまうからです。

 かくして特権階級は、国民に見えないところで税金をくすね続けるのです。「身を切る改革」が聞いて呆れちゃうね。

再編希望

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 この週末は予定が続き、つらつら考えてみるにお家でゆっくりする時間がなさそうなんで、金曜日のこんな時間にブログを更新しています。およそ計画的行動が苦手なわたしにしてなかなか大したもんです。先週に続いて、選挙結果とその後の政局で思うことを少し。

 いろんなメディアが選挙結果を総括していますが、一様に論じていることはやはり「野党が勝手にこけた」という主旨のことです。確かにそうです。目先の選挙結果にだけこだわり、主義主張・政策をなおざりにして野党共闘に走った結果、「野党共倒」したという分析が正鵠を射ています。

 選挙戦で「自由民主主義の国と共産主義の国、どちらを選ぶのか」と訴えられたらひとたまりもありません。自公政権は思わぬ追い風を得た形となり、結果として立民は大きく議席を減らすこととなりました。

jimin.jpg 朝日新聞の世論調査では「自民が過半数とれてよかった」と答えた人が47%「よくなかった」の34%を大きく上回ってます。左方向のバイアスがかかる朝日の世論調査でこの数字が報じられたことは反政府系メディアの筆頭が完全に白旗を上げたに等しく、各方面衝撃が走っています。今回の選挙でいかに野党が国民からそっぽむかれたかを如実に示すものです。最近の国政選挙はずっとそうなんですが、自公与党の勝利は政権を国民が信任したからではなく、「ほかにないから」「選ぶとしたら他よりまだましだから」で勝ったに過ぎません。つまりは野党があまりにだらしない、情けないのです。

 米国のように2大政党制がしっかりと根付けば、政治家たちは、ひとたび失敗すれば即座に政権が入れ替わるという緊張感をもってしっかりと国民の負託に応える政治を目指すようになります。実際、歴代大統領は共和党と民主党コロコロ変わってます。ところが日本では戦後ずっと圧倒的強者の与党自民党とふがいない烏合の野党という図式でもって国の安定を保ってきました。自民の長期政権は政治の腐敗、金権構造という副産物を伴ってはきましたが、国民は、左翼勢力に国を任せるくらいなら多少の不正には目をつぶる、という選択を続けてきたのです。

 それがいよいよ「自民党アカン」となって、国民の大いなる期待を背負って登場したのが、あの「悪夢の民主党政権」でした。結果は惨憺たる有様となり、米国並みの2大政党制は夢と消え去り、「やっぱり日本には自民党しかないのか」← 今、ここです。

 普通に考えて、あの民主党の残党が今になって再び「政権交代を」なんて言っても、国民にしてみたら「政権交代大いに結構。ただし民主の残党はお断り」というのが、至極もっとも素直な気持ちでしょう。

 その立憲民主党は枝野さんが代表を辞任し、つぎの親分を決める選挙が始まったそうです。しかし気の毒なことに候補者と取りざたされてるのは聞いたことがない人ばっかしで、国民の関心はまったくといっていいほどありません。

 共産党と協力して選挙に勝とうなんて考えている政党に未来は全くありません。どうすればいいか。立民の中でも今回の立憲共産党の取り組みは賛否あったと聞きます。日本の政権が米国なみの成熟した民主主義を目指すためには、立憲の中の左派勢力を掃討し自民党内のリベラル層と連携し、さらに今回一躍舞台中央に躍り出てきた日本維新の会を取り込んだ政界再編しかないように思います。本気で日本を変えたいと思うなら少しは考えてほしいなあ。

維新恐るべし

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 総選挙が終わりました。予想どおり自民党が絶対安定多数を確保し、与党の圧勝に終わりました。自民の議席は減ったけど同じだけ立民も減らし共闘した共産党も減らしてて、野党躍進は夢と消えました。目先の選挙のことだけ考えて理念も政策も放り出し、なりふり構わず共闘した結果が「共闘ならぬ共倒」となり、立民の枝野代表が引責辞任することになりました。そもそも枝野さんが作った政党なのに、辞めちゃってこの先どうなるんでしょね。投票日間近のテレビや新聞では、自民党が大幅に減らして立憲民主党が躍進するッ!なんて予想が多かったけどまるで外れました。こんな予想を公共の電波で流すことは、希望的観測を通り越して偏向報道以外のなにものでもありません。マスコミもまた、言ったことに責任をとるべきです。

 んで、自民も立民も減らした票はどこに行ったかというと、日本維新の会です。改選前の4倍近い大躍進を遂げ、与野党に対峙する第3軸の地位を決定付けました。

 大阪で強いのは分かってましたが、まさかこれほどとは。なんと、府下19の選挙区のうち候補を立てたところで全勝、立てなかったところでかろうじて公明党が議席を守り、自民党は全滅です。なんということでしょう。

 大阪第10区、立憲民主党の顔ともいえる辻本清美氏も維新の新人に敗れました。選挙期間中調子こいて「維新なんてローカル政党、眼中にない」とうそぶいてた前科一犯議員に対する強烈なカウンターパンチです。辻本は滑り止めの比例区でも復活できず完全に落選したことで、ネット上では全国から高槻市民に対する賞賛の嵐が湧いています。ishin.jpg

 小選挙区の当選者を点で示した地図みると、大阪府だけそっくり色が違います。局地的に極めて強い政党が存在するという、日本の近代史上経験したことがない事態となっています。かねて沖縄では左翼政党が比較的強い傾向があります。言うまでもなく戦争体験と戦後から現代に至る米軍基地に反対する県民性の表れで、これは分からなくもありません。しかし、大阪での自民党の衰退はまるで意味が違います。

 なぜに維新はこれほど強かったのか。自民党の歴史に通奏低音のようにつきまとう政治とカネの問題や、スキャンダルを数にものを言わせて押さえ込む強権政治に対して、「自民党もういいよ」という空気は全国どこにでもあります。かつてはそれが爆発的な力となって民主党への政権交代が実現しました。つまり反自民の「受け皿」があったのです。マボロシでしたけど。

 その民主党、実は党首はじめ執行部全員バカばっかりやったことが国民にバレてあえなく自滅しました。今や多くの日本人は、「悪夢の」と聞けば「民主党政権」と続けます。近代日本の黒歴史として国民の心にトラウマを植え付けたことは許されざる大罪です。

 それが近年、大阪府民には民主党のような不良品ではないまともな「受け皿」として大阪維新の会が機能してきました。基本政策である「都構想」に真摯に取り組んできたことも信頼を得る一助となりました。そして日本維新の会として国政への進出を果たし「これはホンマモンやで」と、さらに府民の大きな期待を担える存在へと成長したのです。悪徳自民を懲らしめるヒーローの誕生です。大阪の自民党は完膚なきまでに叩きのめされました。自民党、民主党両政権に対する強烈なアンチテーゼと言えるでしょう。

 今後衆議院においてキャスティングボードを握ることで、「立憲共産党」を凌駕し第3軸政党として存在感を増していくことでしょう。来年の参議院選挙では、その傾向がはっきりするのではないでしょうか。

 大事なのはこれからです。維新が単なるブームに乗った地方政党に過ぎず結局は民主党の轍を踏むのか、真に自公政権に対抗できる勢力として日本を導いていく存在へと発展できるのか。躍進とともに大きな責任をしょい込んだと言えます。大いに期待したいと思います。

WELCOME

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PROFILE

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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