2023年9月アーカイブ

空白の一日

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 今朝は涼しい。例年にない猛暑から一転、今日から一気に秋になったようです。 

20230922_090257163_iOS.jpg 気が付けば今年も自宅マンションの植え込みに鍾馗水仙が顔を出しました。初めて見つけたのはもう10年近く前、そんときは1本やったのにだんだんと家族が増えてきました。ふるさと下市ではヒガンバナの見ごろも近いことでしょう。

 さて、プロ野球パシフィック・リーグはオリックスバファローズが3連覇を達成しました。セ・パ優勝球団がCSを経てこのまま日本シリーズに進むと、関西ダービーが実現します。1964年の阪神タイガース対南海ホークスの「御堂筋シリーズ」以来です。関西人としては楽しみがいや増して募ります。今日もタイガースネタです。

 前回書いた昭和48年悪夢のV逸ののち、タイガースは昭和59年までの間、吉田義男、後藤次男、ドン・ブレーザー、中西太、安藤統男と監督さんもコロコロと変わり、後藤さんのときに史上初の最下位を経験するなど低迷が続き、「ダメ虎」の烙印は誰もが知る日本語として定着しました。当時、球団フロントは「阪神は優勝せんでもええ。負けても観客は入るし、2位でいてくれた方が選手の年俸上げんでええから助かる」という考えやったと言われてます。勝てるはずがない。

 この低迷期に勃発した忘れられない事件が、昭和53年の「江川騒動」でした。当時読売球団は勝手に球界の盟主を自称し、プロ野球界はジャイアンツ中心に回ってるとの認識のもと、ルールもマナーも無視のやりたい放題でした。他球団の主力選手をカネにものを言わせて強奪してくる伝統は今も受け継がれてるし、NPBを人気球団だけに編成し直す「新リーグ設立」なんて騒ぎもあり、その傲慢ぶりは酷い有様でした。中でも酷かったのがこの「空白の一日」の一件でした。 

 江川は読売に入りたい。読売も江川が欲しい。しかしドラフト会議ではおそらくほぼ全球団が1位指名するやろから読売が獲得する可能性は非常に低い。そこで双方結託して思いついたのがドラフト制度の盲点を突いた奇策でした。

egawa.jpg 当時の野球協約では、ドラフト指名権は翌年のドラフト会議の2日前まで効力を有しました。つまり会議前日の1日だけはどこの球団にも優先的交渉権がないことになります。ここに目を付けた悪党読売と江川が、ドラフト会議前日に「江川は読売と交渉して、今日入団に合意した」と発表したのです。さあたいへん。 

 こんなことが許されるはずがありません。せ・リーグ会長は当然この入団は無効と表明し、翌日のドラフト会議は粛々と行われ江川の指名権は阪神が獲得しました。すると、ここからが読売の凄いところ、会長の裁定に猛反発してドラフト会議をボイコットした上に「全球団が出席してへんのやから、このドラフト会議は無効」と言い出したのです。勝手にボイコットしといてこの言い草、なんという厚顔無恥ぶり。

 結局、苦慮したコミッショナーの裁定で、江川はいったん阪神に入団させて読売にトレードしたらどお?ってことで決着しました。思えばこの裁定も大アマで、本来なら読売球団をリーグから除名するべきやったところ、リーグもコミッショも当時の読売のカネと人気に逆らえなかったのです。shigeru.jpg

 江川とのトレードで阪神移籍が決まったのが当時の読売のエース、小林繁投手でした。これには読売を除くすべてのプロ野球ファンから、そして阪神ファンからも「可哀そう」との声が上がりました。ひどい話です。しかし、小林投手はトレード発表後すぐに「うち(阪神)は投手力が弱いんで、少しでも役に立ちたい」と表明し、阪神ファンの心をぐっとわしづかみにしたのです。そのシーズン、小林投手の奮戦ぶりはまさに鬼気迫るものがありました。なんとシーズン22勝を挙げ、読売相手には8勝負け無しという見事な成績を収めました。相変わらず弱かった阪神にあって小林投手のこの見事なリベンジ劇には、阪神ファンだけでなく全国民が快哉を叫んだもんです。

 このシーズン、私が特に印象深かった試合が、新人江川がいきなりプロ初登板で先発した甲子園の読売戦でした。初登板が阪神戦先発ですよ。読売という球団のいやらしさ傲慢さここに極まれりです。ところが江川は、「どのツラ下げて」の猛ブーイングを浴びながら見事なピッチングを続けます。どんな心臓してるんやと思いましたよ。「このまま負けるのか」「こいつにだけは負けたらアカン」と球場全体が悲壮な思いに包まれたそのとき、あの舶来の熱血猛虎マイク・ラインバックがスリーランホームランをたたき込み、見事に逆転勝ちを収めたのです。半世紀以上の阪神ファンとして忘れられない試合は多くありますが、この「クソッタレ江川」粉砕の試合は鮮烈に思い出に残っています。

 それにしても、読売球団の傲慢さよ。今では考えられませんがコンプライアンスなんて言葉が浸透する遥か以前の昭和の時代、こんなことがまかり通ってたのです。その後江川は「球界のヒール」の芸風を貫きたったの9年で引退に追い込まれ、生涯135勝は小林繁投手に及びませんでした。天網恢恢疎にして漏らさず、世に悪の栄えたためし無し。死して屍拾うものなし。

 話がそれた気がします。阪神タイガース優勝記念特集、次回さらに続けます。

 わが阪神タイガースが、18年ぶりのリーグ優勝を達成しました。

 マジックナンバーが驚異的なスピードで減っていったシーズンの終盤は、横綱相撲というか圧倒的な強さを見せつけました。他の球団が弱いからともいえますが、これだけ力の差を見せられるとタイガースファンでさえ「いったい、何があったんや」と戸惑います。これは現実なのかと。シーズン始まる前、WBCでサムライが優勝した際に「次は阪神タイガースや」と書いたのが昨日のこととようです。まさか、ホンマにそうなるなんて。

ARE.jpg 9月に入ってから逃げ馬のごとく連勝を重ね、まさに負ける気がしない。ファンとしては毎日が楽しい。人生航路、日々生活を続けているといろいろといやなことや心配事も当然起あります。しかし、昨日の試合を思いだし、今夜の試合のことを考えると自然と元気が湧いてきます。ありがたい話です。

 出勤の朝最寄り駅で、たまに知り合いのカープファンの市議会議員さんがいわゆる駅立ちをやってて、挨拶がてらどうしても野球の話になります。最近は顔を合わせるのが気の毒なのですが、向こうからめざとく見つけて声かけてくれます。

 「おめでとうございます」「いや、まだまだわかりまへんで」

 そう。マジックが出たくらいで「優勝決まりや!」と大騒ぎするようでは、阪神ファン素人の誹りを免れません。岡田監督が過剰に優勝を意識させないため「アレ」と言ったことがこれほど浸透したのも、阪神ファンのサガと絶妙にマッチしたからです。

 若い人は知らない話ですが、思い起こすのは50年前、昭和48年のこと。セ・リーグペナントレースの終盤、宿敵ジャイアンツの9連覇を阻むべくタイガースは最終盤にきて僅差で首位、シーズン最後の中日ドラゴンズと読売ジャイアンツとの2試合を1分け1敗でも優勝という優位に立ちました。当時小学校六年生やった私は、まさに今年と同じ気持ちでクラスメートとはしゃいでいたのを覚えています。「巨人の時代を終わらせた!」と。

 ところが名古屋で、後に監督としてタイガースをリーグ優勝に導いたドラゴンズ先発の星野仙一を打てず、あっさり負けちゃいました。中日球場は新幹線沿いにあり、甲子園での最終戦に向かう読売ナインを乗せた列車が通り過ぎる様子をカメラが捉え、実況が「ジャイアンツナインにもスコアボードが見えているでしょうか!」。なんと、シーズンの最終戦勝った方が優勝というドラマチックな展開となりました。

 で次の日ですわ。運命の最終戦、タイガースはコロっと負けたのです。もうね、実にあっさりと0-9という大敗でした。当然、試合終了後甲子園球場は怒りに燃えてなだれ込んだタイガースファンで暴動状態となり、優勝決めたジャイアンツナインは胴上げもできずに逃げ出しました。このシーズン、この試合、この「幻の優勝」は、タイガースのトホホさを象徴する、ファンにとって消せないトラウマとなりました。以来、タイガースファンは能天気にチームを信じられなくなったのです。いっとき調子よくても結局優勝はできない。ぬか喜びに終わる。絶対裏切られる。勝負は下駄を履くまで分からない。タイガースにセフティリード無し。古い阪神ファンにはそんな性根が染みついているのです。

 そしてその後、タイガースファンは長い長い苦難の時代を過ごします。「幻の優勝」の翌年、読売の10連覇を阻んだのもタイガースではなくドラゴンズでした。「ダメ虎」と揶揄され、読売ファンとの舌戦では「文句あったら優勝してみぃ」と言われると何も言い返せず悔し涙にくれること幾星霜、転機は昭和60年でした。私が大学を卒業し社会人となった記念すべき年です。ちょっと長くなりそうなので以下次回、乞御期待。

ジャニーズの悪夢

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 先週の日本は、現役国会議員の逮捕、辺野古問題で沖縄県が敗訴、H2ロケット打ち上げ成功、ASEAN首脳会議と重要なニュースが盛りだくさんでした。しかしこれら1面トップ級の事件を抑えてワイドショー界隈がもっとも時間を割いたのが、ジャニー喜多川の常習強制わいせつ事案でした。なので、このことちょっと書いてみます。

 事務所の新旧社長が記者会見して二人とも「ジャニー喜多川の狼藉は、噂は聞いたことがあったけど事実とは思わなかった」としました。

 まあ、これ信じる人はいないでしょう。キンキキッズやキムタクなど所属の名だたるのタレントがこぞって「知らなかった」「ただの噂と思ってた」と連呼してますが、これもそのまま信じる人は少ないでしょう。jani.png

 ジャニーズのファンにしてみれば、推しがそう言うなら信じてやりたいということやろけど、客観的に評価してまあ苦しい気がします。知らんはず無かったやろと。

 だって外部専門家による調査でも被害者の証言でも「ジャニー喜多川の猥褻行為を受け入れなければ仕事干される」んやから、所属のメンバーの中でもいっぱい仕事もらってきた有名タレントほど被害者であった可能性が高いわけでしょ。なのにそんなツッコミがあまり聞こえてこない。

 そもそも喜多川が多くの所属のジュニアたちにわいせつ行為を繰り返し行っていたことは、芸能界のみならず社会一般でも広く暗黙の承認事実、つまり「タブー」扱いでした。このことを初めて記事にして社会に問うたのが例によって週刊文春で、1999年のことでした。これに対して喜多川とジャニーズ事務所は名誉棄損で訴えを起こして高裁まで争って2004年に敗訴しました。つまり、喜多川の唾棄すべき狼藉は間違いない事実として社会に認知されたわけです。

 普通なら、この時点で喜多川は、恥ずべき犯罪者として社会的に抹殺されたはずです。しかしそうはならず、判決後も引き続き事務所のトップに君臨し、あまつさえ同様の犯罪行為を続けてきたというのです。なぜか。

20230907_204443403_iOS.jpg すべてはメディア、マスコミの責任です。判決を受けて厳しく喜多川を糾弾すべきところ、そんなことしたら所属のタレントに仕事頼めなくなる。わが国のエンタテインメント産業からジャニーズのタレントがいなくなったらこれは一大事。非常に困る。NHKにしても、ジャニーズが一人も出てない紅白歌合戦なんていったい誰が視るのよって話です。新聞各紙も右に倣えでいつの間にか判決のことなんて誰も言わなくなってしまった。喜多川は胸を撫で下ろすと同時に自らの存在の大きさを再認識し、変わらず死ぬまで芸能界の帝王として無双を続ける一方で、汚い獣欲を満たし続けたのです。

 報道機関は、記者会見の様子なんかよりも、この点をどう受け止めどう謝罪するのかということの方がよっぽど重大なのに、例えば朝日新聞なんてベタ記事でちょっと触れてるだけで、例によって謝罪はありません。「今後とも人権尊重を...」なんて、言うべきは全くそこと違うやろって話です。他の新聞各紙も似たり寄ったりです。テレビもまったく他人事のようにジャニーズ事務所の残党一味を糾弾するだけで、自らの責任に重点を置いた発信はまったくありません。おそらくは、「そうは言っても、ジャニーズが無くなったら、放送局だけやなくてファンの人もそれはイヤなわけでしょ。もうウヤムヤでええやん」ということなんでしょう。つまり文春の判決のときと同んなじなんですわ。

 メディアの責任は重大です。

 ジャニー喜多川はメディアにとっても悪夢の存在となりました。今回の騒動で、テレビや新聞は自分にとって不都合な事案はたとえ真実であっても報道しない、書かないということが明らかになり、自らもそれを認めました。今後、放送されるあらゆる内容、書かれるあらゆる記事の信ぴょう性が著しく損なわれました。消すことができない汚点です。芸能界の帝王による常習わいせつ事案という一大スキャンダルであるにとどまらず、メディアが自らに死刑判決を下した大事件として歴史に名を遺すことでしょう。

ホタテ万歳

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 昨今の国際情勢で気になったニュースから。 

 福島の処理水放出について中国がいちゃもんをつけてきて政府「想定外」の大騒ぎになってます。 

 中国は、日本の水産物をその加工品を含めて全面的に輸入禁止としました。ここまで嫌がらせをするかという点で、日本はまだ中共を甘く見ていたことは否めません。生産者をはじめ関連事業者には実に気の毒な話です。また、中国では塩の買い占めが始まってるとか。かつて石油ショックの際にトイレットペーパーに殺到した日本国民が言えた義理ではないですが、マヌケな話です。中共政府は、SNS上で処理水排出に危険はないという内容の発信は強制的に遮断するなど国民には届かないようにして、科学的根拠に基づく情報を一切拒絶し「日本が悪者である」という共産党大本営の創作のみを喧伝し国民を騙し続けてます。まさに悪の帝国の本領発揮です。 

 中国では、今回日本が排出する放射性物質処理水の10倍以上の濃度の冷却水を過去からずっと排出し続けてきているのです。日本に文句言うならそれ止めてからにせい、といいたいところですが、中共にはそんな理屈は通じません。こんな情報は中国国民には届かないのでしょう。 adtDSC_5860.jpg

 石原慎太郎東京都知事の愚行に端を発した尖閣国有化の時もそうであったように、中国は、日本に対して何かほんの些細なことでもいちゃもんの種が無いか虎視眈々と窺ってるわけで、その際には理論的、科学的な理屈なんて一切必要ありません。 

 これを機会に我々日本人は脱中国を本格化していきたいところです。日本産の美味しいお魚、中国なんかに売ってやる必要はありません。生産量を調整する一方で、新たな販路を開拓するいい機会です。おりしもインドの人口が中国を上回りました。輸送の不利はありますが、中国向け鮮魚をそっくり安値で空輸すればいい。もう中国にはどんなに頼まれても金輪際売ってやらない。インバウンドで押し寄せる中国人観光客にのみ10倍の値段をつけて提供して、かつては自分ちで日本の美味しい鮮魚を食べられてた時代があったのになあ、と思わせてやればいい。 

 東北産のホタテはその大部分が中国に輸出されてたとか。それが今回の騒ぎで一転国内に出回ることになります。すでに値段が3割ほど下がってきたということです。これはチャンス。これから日本では1日3食のうち2回はホタテを食べよう。ホタテが納豆にとって代わる食生活が定着すれば、中国向けのホタテはすべて国内で消費できます。毎日ホタテを食べるだけで、悪辣なる中共政府に一矢報いることができるのです。国民一致団結し、日本の漁業者を救いましょう。 

hotateman.jpg さらに、海産物に限らず、中国市場依存を脱却しすべての輸出品の販路を中国以外の国に求め、中国への投資を一切引上げましょう。経済分野でこの地球上に中国という国は無いという認識で社会活動を行っていけばいいのです。コペルニクス的な大転換を目指す必要があります。当面、日本経済は大混乱するでしょう。しかし、ここはひとつ日本全体で、また国際的な枠組みの中で新たな経済スタンダードを確立したいところです。 

 一方、ウクライナ戦争は依然としてまったく終息の兆しが見えません。ロシアは早期に占領完了する当初の目論見が完全に外れました。クリミヤ半島を奪ったところまでは、ろ紙あの想定どおり。国際社会も「旧ソ連の内戦」と認識してた。ところがクリミヤを奪われたウクライナがNATO加盟を希望したことでさらにロシアはさらに東部諸州の親ロシア派地域に欲を出してしまった。これが完全にウクライナと西側を甘く見ました。結果、ロシアにとって抜き差しならない泥沼状態に陥ったようです。ここでやめたらプーチンは多くの戦死者と国民に顔向けできない。一方ウクライナもロシアが占領地域から撤退するまでは絶対に停戦できない。出口が無くなりました。 

 国際社会も介入したくてもできない。NATOが参戦すると米ロの全面戦争になります。それは核戦争からの人類滅亡を意味します。もうね、10年以上続いたあのベトナム戦争で結局アメリカが耐えきれなくなって敗走したように、今回の戦争もロシアの消耗を待つしかないのかも知れません。西側諸国全体を相手にして戦費と兵力の消耗戦となれば、ロシアに勝ち目はありません。気の毒なのはウクライナ国民です。軍事以外の面での国際的な支援が必要となっています。 

 地球上最大の人口を擁する中国という大国が人権と自由を尊重する近代的国家ではなく、いまだに一党独裁強権的覇権主義で自国民を抑圧し他国を蹂躙する悪辣な存在であることはまさに悲劇であり、人類の悪夢です。世界人類は今、大きな危機に直面していると言えます。次の世代に、美しい地球と民主主義によって統治された正しい社会を伝えていくために、われわれもできることをやっていく必要があります。日本国民は今こそ団結してホタテを食べようではありませんか。 

WELCOME

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PROFILE

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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