2023年6月アーカイブ

白昼の死角

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 最近、よく物を無くすのです。数カ月前ですが、通勤用のICOCAとPiTaPa入れたパス入れを公園で落としてしまったことがありました。すっかり諦めて再発行の手続きしたところ、最寄り駅から「預かってます」と連絡がありました。親切な人が拾ってわざわざ駅まで届けてくれてたのです。お礼をせんとあかんので、どこの誰が届けてくれたのかと聞いても駅員さん「それはでけんのですわ」でした。

 また先日、長年使ってきたシャーボをどこかで落として無くしたときには誰も届けてくれませんでした。当たり前か。

 加齢によって注意力の欠如と運動能力の劣化が進んだ結果と言えます。情けない話です。

 そんな中、先週またやらかしてしまったのは、毎日通勤の往復時に使ってたSONYのWALKMANですわ。電車ん中で落としてしもたんです。20230624_135736117_iOS.jpg

 快速から各駅停車に乗り換える際、座席から立ち上がったときに落としてそのまま電車を降りてしまいました。ズボンのポケットに入れて坐ってんたんですが、まったく気付かず、音楽聴いてたので落とした音も聞こえなかったのです。降りてホームを歩くことしばし、聴いてた曲が突然ぶちッと途絶えてしまったときは「ああ、また電波の混信やな」と思いました。ワイヤレスイヤホンは満員電車や混雑する駅の構内など多くbluetoothが飛び交う場所では干渉で途切れることがよくあるのです。普通すぐに正常に戻ります。

 ところが、ぢっと待っても復活しない。「あり?」と思ってWALKMANを探ると、なんとポケットには空しく何も入っていない。「あ"ーーっ!」と思った時すでに遅く、哀れ愛用のSONYはわたしと袂を分かち、快速電車に乗って走り去っていくのであった。

 その駅の改札に行って事情を話したところ、すぐに今出た電車に連絡をとってくれました。「該当箇所には無かったみたいです。ただ、すぐ折り返して戻ってくるので一度確認してみてくださいな」藁にもすがる思いで、反対行きホームに戻ってきたさっきの車両に乗り込んで探してみたものの、座席付近には何もありません。この時点で完全に諦めました。

 念のため、通過待ちで止まってるその電車最後尾の車掌さんとこに行って聞いたところ「ああ、これでしょ」愛しのWALKMANは、あっさり私の手元に還ってきました。拾った人が車掌室に届けてくれてたのです。まあ、嬉しかったこと。

 しかしまあ、日本はなんと落としたものが返ってくる国であることよ。海外からの観光客が驚くのも無理はない、実に民度が高くモラルが行き届いています。これぞ幼いころからの道徳教育の賜物であるなあと改めて思い、感謝した次第です。

 と同時に今回は、ワイヤレスイヤホンの思わぬ弱点というか、落とし穴に気づきました。WALKMAN本体を落としたとき、有線なら間違いなく気が付きます。イヤホンは引っ張られて耳から落ちるし、もちろん音も途切れるわけです。しかし、ワイヤレスやと、数十メートル離れてしまうまで音楽は変わらず鳴り続け、電波が途切れて本体が手もとに無いことに気づいたときには、遥か遠くまで離れてしまってるのです。便利さの裏返しの弱点か、ていうか、しっかり持って落とすなよって話ですよね。

 これからはズボンのポケットには入れないようにします。はい。

邪馬台国に至らず

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 衆議院の解散はどうやらなさそうです。野党立憲民主党、もし解散されたらどうしようとおっかなびっくりの屁っ放り腰で内閣不信任案を提出したところ、立憲と共産だけ賛成の無様な惨敗でした。怖いのなら不信任案提出なんてやめとけばいいのに、「夏の盆踊り」と揶揄されながら国会審議の大事な時間を無駄に費やす、まったく意味のない愚行です。国民はこんなことのために議員の給料を払ってるのではないのです。でも、もし解散となれば、立憲のさらなる衰退は火を見るよりも明らかで野党第一党を維新に譲ることになったでしょうから、解散でもいいかななんて少し思ってた人は私だけではないと思います。

yoshinogari.jpg さて今日のお話、4月に九州の吉野ケ里遺跡で弥生時代の石棺が見つかり、人骨や副葬品が入ってたら大発見やと期待されてたわけですが、先週その調査結果が発表されました。

 開けてみたら中にはただ土がつまってただけで、人骨はもとより副葬品などもまったく見つからなかったそうです。ただ、ひつぎ全体が赤く塗られてたので邪馬台国の時代の有力者の墓であることは分かると。そこまででした。

 「邪馬台国の女王卑弥呼ここに眠る」なんて書いたものが出てきたなんてことになったら、それこそ大発見やったわけですが、現実はなんとも空しいもんでした。

 そもそも中にみっしりと土が詰まってたなんて、ひつぎの役割なってないやんて話です。おそらく埋めたときにはきちんと密閉されてたんやろけど周りからの圧で石が割れて徐々に土が侵入し最後にはとうとう内部いっぱいが埋め尽くされてしもた。そして土に埋もれた被葬者の遺骨は徐々に溶けてしまって、まったく形を残さず消えてしまったわけです。埋葬から今に至る長い長い時間を考えると、なるほどと思います。ここが日本の考古学の限界なんですね。

 エジプトの古代遺跡なんかでは、砂に直接埋めても4000年以上前のミイラがそのまま形を残してます。ところが日本は酸性土壌なので、土に埋まると骨も簡単に溶けて分解されちゃうそうです。木の棺で土葬された遺体の骨は、100年経たないうちに棺もろとも分解されてすっかり土に返ってしまうんやとか。卑弥呼がいた弥生時代、2000年前の遺骨なんて、石棺や甕棺に密閉されてたんでなければ残ってるはずがないわけです。

himiko.jpg 土壌の問題に加えて気候の点でも、わが国は湿潤で潤いに満ちた風土で自然を愛し慈しむ日本人の豊かな感性が培われてきました。一方で古い遺物は湿気で腐りやすく、残らずに消えちゃうという宿命を負ったのです。奇跡的に残ってた遺産がかの高松塚古墳の壁画でしたが、愚かな役人と学者連中が無残にも破壊してしまった顛末は以前に書きました。

 テレビのモーニングショーを視てたら、今回調査した佐賀県の文化財保護関係の先生が「邪馬台国の誰の墓なのかは、考古学的な成果からは言及できない」なんて言ってて、これに対してスタジオのコメンテータが「邪馬台国は吉野ケ里にあったという前提で言うてるやんw」と突っ込んでたのが面白かった。なるほど、機内説論者からしたら「ちょっと待ってよ」ってなりますわな。

 九州説には吉野ケ里という強力な武器があります。この調子で掘り進んでいったら将来、邪馬台国ここに在りという証拠が何か出るかも知れない。一方機内説の方では、卑弥呼の墓とちゃうかと言われてる桜井市の箸墓古墳は「陵墓の静謐安寧犯すべからず」という宮内庁のお達しで発掘調査ができない。ハンデです。まあ、仮に箸墓掘ったとしたら多分「ひみこ」とか「邪馬台国」とか書かれた金印やら鏡やらがぞろぞろ出てきて長年の論争が決着してしまいます。宮内庁がガンコなおかげで、古代のロマンがこれからも続いていくわけです。

てってっとてっと

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 雨の朝です。けさのNHKニュースは、梅雨前線の停滞で例年に増して雨量が多いことを伝えてます。先週は、梅雨入りと同時に台風が来て大きな被害がでました。災害列島に暮らすわれわれ日本国民は、南海トラフの防災に加えて大雨暴風のシーズンに向けても備えを怠らないよう、気持ちを引き締めていかねばなりません。

tetou.jpg 同じニュースで、こないだ弾道ミサイルの発射実験に失敗した北鮮が「も一回やるど」と予告した期限が過ぎたとも言ってました。ミサイル一発の値段で北鮮全国民1年分のコメの配給が賄えることを、誰か金正恩と北の国民に教えてやってください。

 さて、そんな中で先週、何とも情けない脱力系の話題が伝わりましたので今日はその話。

 岸田総理の息子の狼藉がいろんな形で取り沙汰され、総理が対応と釈明に追われている中、参議院の経済産業委員会で野党立憲の田島麻衣子という参議院議員が鮮やかに話題をさらい、メディアに颯爽とデビューしました。

 委員会の審議で、総理のバカ息子がやらかして秘書官をクビになるにあたって、もらった給与・手当を返納するのかと質問に立ちました。その際「住宅手当・通勤手当・期末手当・退職手当」これらをあろうことか「住宅テトウ・通勤テトウ・期末テトウ・退職テトウ」と発言し、その後も総理との質疑で「テトウ」攻撃を連発したのです。

 これには総理も「?」出席委員も「?」国民すべて「?」。

 ネットでは「国会用語か?」「小学生レベルの漢字読めない議員」などと拡散され、「テトウ麻衣子」が一躍時の人に躍り出たのでした。

 テトウなんて日本語はありません。その昔、芦田愛菜ちゃんがチキンラーメンのCMでひよこの着ぐるみで歌った「♪チッキンラーメン、買ってってっと、てってっとてっと...」を思い出しました。当時「児童虐待とちゃうんか」なんて叩かれたけど、カワイイから好きやったわ。ashida.jpg

 さて、テトウ麻衣子側は「単なる読み間違いをいちいちあげつらうな」と言うでしょうか。しかしこれは、ウソでも国会議員として歳費をもらっている人物が間違えて許されるレベルを踏み越えています。これまでの人生で、給与や手当を貰ったことが無かったのか。これまでの人生で、他人と給与・手当について話すことが無かったのか。「それはテアテと読むのだよ」と教えてくれる人が周りに誰もいなかったのか。その程度の常識と社会性をも備えない人材が、なんと国権の最高機関、言論の府である国会議員に名を連ねているのです。あってはならないこととハッキリ言います。

 「異次元の少子化対策」とかで児童手当制度についてもメディアでも連日取り上げられたのに「ジドウテアテ」という言葉を聞いたことがないのか。テレビも見ないし新聞も読まないのか。自分に関係ないからまったく興味がないのか。国会議員ですよ。

 愚か者の恥をあげつらうことは簡単です。しかし、問題とすべきはそこではなくて、そんな人材を経済産業委員会の委員に任命している野党立憲民主党の見識です。委員様がこんな体たらくで、国の経済に関する重要なかじ取りをできると、立憲はお思いか。なぜに、およそなんの素養も知識の下地も無い一年生議員を委員に推したのか。説明責任が生じています。

 かつて麻生元総理は「未曽有」をミゾユウと読んでさんざ揶揄されましたが、ミゾウを読めなくても総理大臣は務まります。しかし「手当」の何たるかを知らない人間に経済産業委員会の委員が務まるとは思いません。調べてみるとテトウ麻衣子、なんと米国で公認会計士の資格を得て日本の監査法人に勤務した経歴があります。「手当」を知らずに監査法人の仕事をしていたわけです。おったまげー。比例区ではなく愛知県選挙区の選出です。さすがはかの、ガソリン代疑惑とダブル不倫で議員を辞めたお騒がせ山尾志桜里を輩出した県、キャラの立った人材を国会に送り込んでくれます。

 永田町には衆議院の解散風が吹き始めてますが、参議院には解散がありません。テトウ麻衣子は、任期いっぱいの2025年まで国会に居座ります。何か言うたびするたびに「手当も読めないくせに」と笑われながら。もうね、逆に可哀そう。

蕪と株

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 知り合いの方が下呂温泉に行ってきたとかで、赤かぶら漬をお土産にいただきました。あらためて思い返すに、大根はいろんなメニューがあってしょっちゅう食べますが、カブってお漬物以外では普段あまり食べないですよね。「今日の晩御飯、カブよ」って記憶に無い。

20230602_110443607_iOS.jpg 蕪ではなくて株のお話です。毎年6月には、上場企業の株主総会が一斉に行われます。わたしのところにもある企業から招集の通知がきました。

 この会社に何らかの関わりや思い入れがあって買った株ではありません。おおかたの株主さん同様に、わずかでも配当があれば銀行に定期預金するよりも多少はましという消極的な投資にすぎません。配当というよりも、いわゆる株主優待が主たる目当てともいえます。安いときに買って上がったら売ることで利ザヤを稼ぐ「投機」ではなくて、純粋な「投資」です。買いっぱなしです。

 なので、およそ潰れそうにない、不祥事で暴落するリスクも少ないであろう銘柄を少しだけ持ってるわけです。

 そんな端株主のわたしが、総会の案内もらってもですね、この会社の運営について意見したいことがあるはずもなく、まして平日の昼間、遠く東京で開催される総会にリアルで出席することなどおよそ考えられません。自分の利益のために会社を利用しているだけなんで、出資者としてあまり丁重に扱ってもらうと気が引けてしまいます。案内の封筒に「来てもろてもお土産はないで」なんてわざわざ書いているってことは、かつてそんな時代があったということでしょね。

 会社の実際の企業活動は、基本的にその道のプロである役員や社員さんたちに任せておけばいいのであって、なんかやらかして世間の耳目を集めた場合などを除けば、株主が総会において経営に口を出すことはほとんどありません。

 一方で、諸外国に比べて日本では株主の権利は手厚く保護されてて、法律上最も優先すべきは株主の利益であり、株主総会が最高の意思決定機関なのです。20230602_021757974_iOS.jpgこの、株主の権利が絶大であることを利用して、かつて昭和の時代にはいわゆる総会屋が跋扈しました。彼らの目的は経営陣に無理難題を要求することではなく、株主総会を紛糾させることを匂わし「それがいやなら、なにがしかの見返りをよこせ」ということをナリワイとしていたわけです。総会をスムーズに進行させるため要求に応じる企業もあったし、対抗して企業側の総会屋が出てきたりで、上場企業の株主総会は大いに紛糾しました。

 企業側の防衛策のひとつとして、多くの会社が株主総会を同じ日に一斉に実施するという現象がありました。総会屋さんたちの攻撃を最小限に抑えるためです。3月決算の会社が多いので、決算から3カ月以内に総会をしなさいという法令に基づき6月の下旬に集中する中でも、かつては「6月最終の平日の1日前」に総会が集中したそうです。最終日でないのは、総会が紛糾して長時間にわたり、その結果日を跨いでしまうことを想定したそうです。なんともお疲れ様です。kabu.png

 その後1981年と1997年の商法改正で総会屋の活動が制限され、2006年の会社法改正で、会社が総会屋に利益供与を行うことが禁止されました。そして、法令に違反して総会屋とずぶずぶの関係を続けた会社が次々と厳罰に処せられたことが契機となって企業の総会屋対策の構造的な転換が進み、総会屋は株主総会から姿を消していきました。その結果総会日程の集中も緩み、複数の会社の株を持つ一般の株主にしてみたら歓迎すべき状態となりました。

 総会屋さんがほとんど姿を消したことは経営側にとっては歓迎すべきでしょうが、逆にずさんな経営やっててもチェックが効きにくくなるリスクが嵩じていきます。CSR(企業の社会的責任)が言われて久しい中で、会社の経営陣は総会屋さんたちに追及されなくても適正な経営で株主の期待に応えなければなりません。どうかわたしの持ってる株が紙くずにならないよう頼んますね。

WELCOME

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PROFILE

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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