2022年6月アーカイブ

 さっこん、個人情報保護に対する認識が広く社会に浸透し、取り扱いはますます厳しさを増してます。昭和の頃は、情報の流出事件が起こっても国民はさほど関心がなく、ニュースにもならなかったように思います。しかし最近は、国や地方公共団体、企業等の事業体から個人情報が流失したとなると、事案としてひどく叩かれます。国民の権利意識が強くなったことに加えて、そも、集積される個人情報が質・量ともに桁違いに大きくなっていることが原因です。いわゆるビッグデータというやつです。そしてAIの進歩に伴ってデータサイエンス分野の発展も著しく、莫大なデータをいろんな分野で活用する方法も急速に発展しているため、個々の個人情報の価値が飛躍的に大きくなってるのです。 

 それに従って、個人情報を守る方法も進歩を続けます。ちょっとやそっとでは破られないいろんなセキュリティの枠組みが登場し、法令の整備もいわゆる個人情報保護法が何度も改正を重ね、ガッチガチに規制されてます。

party_yoitsubure_man.png さように意識が浸透し規制が厳しくなっても流出を止めることはできないようで、先週、とてつもない規模の流出事案が発生しました。

 兵庫県尼崎市がコロナの給付金関係の作業を委託した業者が紛失したUSBメモリーには、なんと尼崎市の市民の住民基本台帳情報、住民税情報36万件、非課税世帯や生活保護受給世帯など8万2千件の給付対象世帯情報、生活保護および児童手当受給世帯の銀行口座情報約8万6千件が含まれていたといいますから凄まじい。まさに質・量ともに超メガトン級の流出事案です。メモリスティックを入れたカバンを飲み屋で失くしたと報じられたときは、まあよく聞く話やなと思いましたが、その後、実は泥酔して道端で2,3時間爆睡している間にカバンを持ち去られたという真実が伝わりました。信じられない話です。

 なぜに超絶センシティブなデータを外部に持ち出す必要があったのか。持ち出さざるを得ない事情があったとして、なぜにクラウドに上げずUSBメモリを使ったのか。なぜにそんな危険なものを携えて酒を飲みに行く気になれたのか。

 不始末はこれに終わらず、市の関係者がカッコ悪い謝罪会見した際に「データは暗号化されてて今のところ悪用された形跡はない。13桁のパスワードがかかってるので解読は難しい」と、パス解読のための重大なヒントを公開してしまった。もうね、尼崎市役所、救いようがないバカ野郎です。しかし、こんなマヌケな社員が13桁のパスなんて覚えられるわけがないわけで、会見での失言がなくても、盗まれたカバンの中にはパスワードを書いたメモが一緒に入っていたと考えるべきでしょう。

 その後、バカが寝ていた近くでカバンもメモリスティックも発見されました。しかし、形がある財物なればそれが回収されれば一見落着ですが、電子データはそうではない。USBメモリが戻ったところでなんの意味もありません。複製が容易なので、一度占有・管理下を離れた時点で、もはや取り返しがつかないのです。データが市中に出回り被害が出た場合、この会社と市はどう落とし前をつけるつもりでしょうか。2カ月前に4千万円の誤送金事案がありましたが、被害の規模はこっちのが遥かに大きい。shinshi.jpg

 個人情報管理が緩やかな昭和の頃には「紳士録」なる出版物があって、毎年改訂版が発行され続けてました。有名人やいわゆる名士のリストで、名前、住所、電話番号は言うにおよばず、職業、勤務先、その役職、家族構成とその名前やなんかまで掲載されてて、一目で丸裸です。今から思うととんでもない話ですが、当時はここに掲載されることが一種のスティタスとなってたんやから、まあ時代を感じます。当然、今では消えて無くなりました。マンガ雑誌には欄外に「ファンレターを送ろう」と漫画家の住所が載ってたし、究極は電話帳でしょう。日本の紙の全消費量の1%を占め、インターネットの無い時代には重宝された電話帳(ハローページ)も、とうとう役目を終えて昨年廃止されたそうです。時代の流れです。

 国民の意識がすっかり変化し、今では懸賞応募の際にハガキに住所氏名を書くことさえ憚られます。ネット応募でも同様です。できたら捨てメアドで応募して「当たったら連絡ください」としたいところですが、それでは「関心のある消費者リスト」を入手したくて賞品を提供している側にとっては何のメリットもありません。個人情報を集めたい事業者と、出したくない個々の国民の駆け引きが続いていきます。

 果たして、いろんなところに記録されている、名前をはじめとする私の個人情報はいったいどれくらい積み上がっているのでしょうか。もはや見当もつきません。悪用しようと思えばいくらでもできるんでしょね。神様に頼んで、すべて消し去ってもらいたいもんです。

 梅雨です。城北公園のコクチナシのは花はそろそろ終わり。大きな八重咲のクチナシ(ガーデニア)は強烈なコパトーン臭を周辺に漂わせますが、こちらは香りが控えめです。ヨーロッパでは晩春から初夏に至る6月は、暑くもなく寒くもなくカラッとしてて一年で一番爽やかなんやそうです。そんな季節に結婚した花嫁は幸福になれるということで、ジューン・ブライドの趣向が浸透したとか。それをそのまま日本に持ってきたもんやから、梅雨の最中、爽やかどころか最もジメジメな時期に、礼服着こんで汗をふきふき披露宴に出かける羽目になりました。マヌケな話です。

 「梅雨がない北海道を除く全国が梅雨入りしました。」毎年この時期に聴くフレーズです。子供のころから、北海道の人は梅雨を知らんのやろか、たとえば赤道直下の国の人たちが雪を想像できないように、道民にはこのジメジメが続く雨季という概念がないのやろかとずっと思ってました。明治時代に、奈良県から北海道に渡った十津川村のひとびとは梅雨がないことに驚いたでしょうか。経験のない極寒と開拓の苦労でそれどころではなかったでしょうね、きっと。

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 そんなたわいのないことを考えたのは、先週NHKスペシャル「街道をゆく」の十津川街道編の再放送を視たからです。

 明治22年の大水害で村が壊滅します。死者168人、全壊・流出家屋426戸。壊滅的ではなく、壊滅です。生活の基盤を失った600戸、2489人が北海道への移住を決めました。

 簡単に言いますが大変な決断です。現代ではおよそ考えられないドラマチックな歴史があったのです。明治22年といえば東海道本線が開通した年です。東北本線はまだ青森まで届いてません。そもそもいったいどうやって北海道まで行ったのか。舞鶴から船に乗ったのか。興味は尽きません。今や美田が広がる新十津川町ですが、当時は果てしなく続く手つかずの原野であったはずです。とにかく大変な苦労であったことは間違いないでしょう。

 似たような話で、ダム建設による集落の丸ごと移転が同じ奈良県であったことを、大昔に書きました。これは自然災害が原因ではなく政策に基づく計画的なものですが、やむにやまれぬ事情という点では似てます。一方で、人為的な理由で故郷を追われるという意味では、ウクライナの国民も同じですが、こちらはひとりの人間の邪悪な欲求が原因となって、おびただしい人々が多大な苦難を被っているわけです。許されるものではありません。

 人間も悠久の大自然の一部分を成す存在なんやから、逆に人が自然のすべてを制御しようとするのはおこがましい話です。地球の長い歴史を考えると、人類が生まれたのはつい最近、というよりたった今です。地球ができて46億年、人類が誕生して100万年。地球の歴史を1日に換算すると、人類の歴史は18秒前に始まったばかりです。文字を書き始めたのが0.005秒前、人権思想が誕生したのが0.001秒前、私が生まれたのが0.00006秒前です。その間大自然はず~っと大自然やったわけで、それを超新参者のヒトが自分の都合でどうこうしようなんて考えてはいけない。つまり、いくら頑張ってみても自然災害による被害を根絶することはできません。

 であるならば、せめて人間どおしのトラブルによる悲劇ぐらいは避けようよ、それくらいの知恵はもう身に着けたでしょと思うわけですが、18秒ではまだ無理な話か。

 今日は日曜日ですが、出張先で仕事してて休憩中にブログを更新しています。コロナが収束に向かう雰囲気が徐々に漂ってくる中で、おでかけの頻度も増えてきました。

 久しぶりに万年筆のことを書きます。

 このブログで何年も前にシリーズにしてた「万年筆つれづれ」で、当時1本だけ持っていたモンブランの「ノブレス・オブリージュ」のことを書きました。それ以降今日までに同じシリーズを本、ネットで衝動買いしました。すでに廃版で、入手できるのは中古品しかありません。結果手もとに揃った4本のノブレスは字の太さもほぼ同じ。インクの種類で使い分けてます。 

 ところが、同じモデル同じニブであるにも関わらず書き味がまったく違います。この事実には少しく衝撃を受けました。古くから使っている1本はモンブラン特有のヌルヌルした感触ですが、新しい3本はどちらかというとカリカリとごく軽い引っかかりを感じます。インクフローは良いので勢いよく書いていくのに支障はありませんが、同じ製品とは思えないほどです。

 この違いはどこから生じるのかと考えるわけです225119257_iOS.jpg。古いのんは長年使ったことでペン先が摩耗したためにヌルヌルするのか。しかし、この感触ははるか数十年前の入手時点から変わらない気がします。そうすると個体差なのか。

 量産量販の工業製品であれば、すべて同じ性質を有し、同じ使用結果が提供されるものと、漠然と認識していました。しかし、考えてみるにクルマであれ家電であれ大量生産品に個体差はあって当然で、性能に差がでるといわゆる「あたりはずれ」という結果となってしまいます。

 工場では最終的に動作確認、検査を経て出荷してるんやろけど、どうしても初期不良は避けられません。不良とは言わないまでも、大量に供給される個々の製品の性質性能が寸分違わずまったく同じであることの方が不思議というもんです。それを理解した上で大事に使っていくことにしましょう。

 ところで、万年筆はインクを供給するのにカートリッジ式とコンバータ式があり、私はもっぱらコンバータを利用してボトルインクで補充しています。使い捨てのカートリッジより地球に優しいと思ってました。しかし、コンバータも所詮は消耗品で、長く使っているとこびりついたインクが取れなくなったり、生命線である軸先との接合部分がヘタってきたりするわけです。ノブレスたちにしても購入時についてきたコンバータはすでに無く、別途準備する必要がありました。

 ところが、モンブラン社製の万年筆、近年仕様が変わってて、なんと現在売られてるコンバーターはこのノブレスシリーズなど廃版の古い製品には使えないのです。家電でも生産終了モデルは部品が無くなると修理不能であるように、廃版モデルは消耗品の供給も絶たれてしまうのです。これは困った。

 ネットで調べるうちにペリカン万年筆のコンバータが代用可能ということが分かりました。なんでも「欧州共通規格」というのがあるらしい。古いモンブランはこれに対応しているとか。

 早速ポチったところ、なんとこれがピッタリでひとまず安心です。これからも長く使い続けることができそうです。

罠に陥ちた

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 最近のテレビは4K、8Kだの有機ELだの画面がキレイで消費電力は少なく、つまりは性能がステキな上に、インターネットと連携した機能が豊富についてます。NETFLIXやhuluなどの動画配信サービスがデフォルトで装備されており、契約すれば家庭内LAN(wi-fiなど)経由ですぐに視聴することができます。しかしこれは定額視放題いわゆるサブスク契約で、月々いくらかのお金がかかります。

Fire TV Stick.jpg わたしは、一部の洋画を除いてドラマなどはほとんど視ませんが、うちの奥さんは大好きなんです。衛生放送で本格的ペイテレビのWOWOWがサービスを開始したのは1990年、もう30年以上前ですが、開局と同時に加入してずっと視てきました。当時はアナログ放送の時代で、WOWOWの視聴にはスクランブルの解除に専用のデコーダーをつないでました。今は昔のお話です。

 しかし、先月でしたかNETFLIXを始めたところ「こっちのがいい」ということで、なんと30年来お付き合いのWOWOWをあっさり解約してしまいました。ここまでは良かった。

 リビングで視るメインの大きなテレビのほかに、寝室にもテレビを置いてます。NETFLIXは、同一世帯なら契約ひとつで複数のテレビで視ることができます。そこで、こっちの部屋でもと思ったところ、このテレビには動画配信を受信する機能がついていません。この場合、別途「メディアストリーミングデバイス」を用意して付け足す必要があります。

 選んだのがamazon謹製の「Fire TV Stick」という製品です。これをビデオ入力端子に差し込めばいろんなネット配信テレビを視ることができます。早速ポチって届いた機械を設置して、画面に従って設定を進め...「をを!」リビングのテレビ同様に、いろんな動画配信サービスのアイコンが出てきたではありませんか。ここまでも良かった。

 契約しているのはNETFLIXだけですよ、ということをよく認識していれば何事もなかったのですが、いろんなサービスにすぐにつながることで舞い上がってしまい、不覚にもamazon のプライムビデオだのNHKオンデマンドだの、ちょっと覗いてみてしまったのです。pose_kuyashii_man.png

 そう、おそらくは「ここ押したら契約したことになるよ」の警告は出ていたのでしょうけど、あまり気にせずネットサーフィンのノリで映画のアイコンを押し続けているうちに、スマホにブブブッとメールが届きました。 amazonとNHKオンデマンドから「ご契約、ありがとうございまーす...」「え?」

 プライムビデオの方は契約するとどうやらamazonのprime会員になってしまうようです。あの、ネット通販のamazonでポチるたびに「この機会に会員になりませんか、送料無料で早く届きますよ~っ」てやつですよね。月々500円でしたっけ。ずっと「そんなのいらない」と拒否ってきたのに、今回うかつにも落とし穴にドテッと落ちてしまいました。

 それでもamazon の方はまだ良心的で、1カ月のお試し期間中に解約すればおとがめなしで放免してくれるようです。問題は憎っくきNHKですわ。無料期間などありません。その上に契約は月単位なんですが、なんと「契約日から1カ月間」ではなく歴月単位です。罠に堕ちたのがよりによって5月31日。もちろん気が付いたあとすぐに解約しましたが、たったの1日、いやわずか数時間で1カ月分の料金990円をさくっと持っていかれてしまいました。奥さんにはバカにされるわ、最悪です。

 思うに、確かに今回私は不注意ではありましたが、同じようにネット上で、よく分からないうちに一瞬の誤クリックで意図しない契約をしてしまうケースが世の中には多々あるのではないでしょうか。成約の何%かは間違いが原因で、本当は必要のない取引でもって経済の循環に寄与しているのではないかと思ってしまいます。

CzgyMIIUkAAIHW1.png いずれにしても、今回は、あの憎っくきNHKの奸計にまんまと嵌まってしまったおのれの愚かさを恨み、悔しさと情けなさでまさに断腸の思いであります。NHKは受信料契約という悪魔の手法を恥じることもなく続けるのみならず、こんな卑怯な手段まで駆使して善良なる国民から悪辣なる搾取を続けているのです。

 NHKはネットなんて手を出すべきではありません。民業の圧迫に他ならない。チューナーがなくても視ることができる動画配信サービスの拡充に伴い視聴者のテレビ離れに危機感を覚えたのであれば、いい機会と思ってこの際事業体の整理、廃絶に向けて舵を切るべきです。「じゃあNHKもネットで...」などと、なにをトチ狂っているのか。

 これまでも再三書いてきましたが、放送法という悪法の趣旨を盾にするのであれば、NHKの番組は全国民に伝えるべき最低限必要な情報のみに限定してもちろん無償で提供し経費は税金で賄うべきです。それ以上の内容をNHKに求める視聴者はスクランブルで選別し、受益者負担を徹底すべきです。見たくもない番組を不当に押し売りされている異常事態に、国民はいつまで耐えなければならないのでしょうか。

 百歩譲ってオンデマンドのサブスクに990円/月もの高額料金を設定するのであれば、少なくともNHKの事業開闢以来放送してきたすべてのコンテンツを自由に閲覧できる位のサービス充実があってしかるべきです。

 今回よりによって、仇敵であるNHKに不覚をとってしまったことがなんとも悔しくてしかたがありません。この借りはいつかきっと倍にして返してやると、私は固く心に誓ったのでした。トホホ...

なぞなぞ「毎月定額料払えば使い放題なものはなーんだ?」
こたえ 「正社員」

WELCOME

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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