やはりというか、大阪はじめ9都道府県の緊急事態宣言が延長されました。来週末土日連チャンでクラシックのコンサートのチケットを買ってたのに両方ともあえなく中止となりました。ひとつはロッシーニのオペラ「泥棒かささぎ」、もひとつは辻井伸行(ピアノ)と三浦文彰(ヴァイオリン)のコラボです。オペラの方はあんまし売れてなかったみたいですが、後者は今をときめく人気アーティストのお得なジョイントで、演目もベートーヴェンの「皇帝」とヴァイオリン協奏曲というポピュラーなナンバーということで、早々にSOLD OUTでした。楽しみにしてたのに残念の極みです。
イベント開催の目安として上限が5,000人かつ最大収容人員の50%のどっちか小さい方ということなんで、劇場でのコンサートは結局キャパ半分以下でやんなさいということになります。
前回、宣言が解除になったときには、いずみホールの辻井伸行のピアノコンサートに出かけたのですが、こんときは初めからキャパの半分、つまり1席おきに販売してたので予定どおり開催されました。
ところが、来週末のんはいずれもフェスティバルホールで、全席を売りに出してたもんやからあえなく中止と。一方、同じくフェスで来週上演予定の沢田研二のリサイタルは最初から半分で売ってたので、こちらは予定通り実施するみたいです。行きませんけど。
クラシックの方も最初から半分の席で売っとけば予定どおりできてたことになります。とくにオペラの方なんていまだに半分近くの席が売れ残ってるんやから、はじめから半分で売っても売り上げはそんなに変わらんかったことになります。
そもそもクラシックのコンサートでも普通オペラは人気があってよく入るもんなのですが、今回あまり売れてなかったのには訳がありまして、通常のオペラの上演ではなく「演奏会形式」というやつやったのです。オペラといえばつまりは「歌劇」で、まあミュージカルみたいなもんですが、この形式は、歌手が演技をせずに合唱団とともにただ劇中の歌だけを歌ってストーリーを進めるというものです。「オラトリオ」に近い。お芝居がないので観劇としての楽しみはなく、単に劇中の音楽の演奏を聴くだけで、通常のオペラと比べるとまあやっぱり魅力は相当落ちますわな。売れ残るはずです。
オペラの興行は、演出のための舞台装置や出演者全員の衣装など莫大な費用がかかります。海外から有名な歌劇団の一行を連れてきたりすると出演料、旅費その他の経費たるや天文学的レベルとなります。従ってチケットも、目ン玉が飛び出るような高額になります。その点、この「演奏会形式」やと経費がグッと抑えられ、観客にもお手頃な価格でご奉仕できるというわけです。
チケットが安いもんやから、興行を打った主催者は売り上げを上げるべく半分なんていわずに売れるだけ売った。ところが、コロナで中止。こんなことなら、欲をかかず初めから半分に制限して売っとけば結果的にフルで売ったのと変わらない入場料稼いで予定通り実施できたのに、と天を仰いでもあとの祭り。未曾有のコロナ禍にあってお上の動向予測を誤り、ビジネスに失敗した形です。
主催の朝日新聞さん、お気の毒です。東京オリンピックのオフィシャルパートナーに名を連ねながら、社説でもって中止を主張するなどという無責任な振る舞いをするから今回、このような天罰が下ったと、あえて申し上げておきましょう。