2021年6月アーカイブ

侵入記者

| コメント(0) | トラックバック(0)

 先日のエントリーで書いた選択的夫婦別姓の最高裁判決が出たので、そのこと書こうと思っていたところ、先週もっとおもろい話があったので今日はそっちにします。別姓は次回まわし。

 国立の旭川医科大学の学長がパワハラや独断専横の大学運営を続けていることが社会的に非難されてて、一連の問題でそいつを解任するかどうかを協議する学長選考会議が行われていたところ、北海道新聞の女性記者が大学に侵入して逮捕されました。会議室の前で勝手に録音していたとか。大学職員が取り押さえた、建造物侵入容疑現行犯の私人逮捕です。ただちに警察に引き渡されました。新聞記者ならぬ侵入記者です。

taiho.jpg

 これに対して、朝日新聞のある記者が抗議の声を上げ、「取材として立ち入ったのだから犯意がないのは明白なはず。」「こんな逮捕を許してたら、『夜回りもストーカー規制法違反だ』とか言われかねない」などと発信し、ネット上では猛烈な非難を受けています。当然です。朝日新聞社の建物は「取材だ。犯意はない」と言えば誰でも勝手に出入りできて、会議を自由に録音できるのでしょうか。

 新聞記者は特権階級で「報道の自由」「知る権利」を掲げれば、治外法権に置かれると本気で信じているらしい。権力の腐敗などの巨悪を糾弾する先兵であるべき新聞が、自ら犯罪を犯すのみならず、適正な逮捕に対して抗議するなど、気は確かかと言いたい。

 また別の朝日記者は「犯罪行為というが被害者は誰なのか」などと斜め上の主張を平気で発信しています。被害を訴える人がいなければ何をしてもいいのでしょうか。よく言われるように覚醒剤や売春など、被害者がいなくても刑法犯罪は立派に成立します。ましてや今回、社会的に注目を集めている重要な案件を審議している現場に、部外者が無断で立ち入ったことで、大学の施設管理権が明確に侵害されています。大学という立派な被害者が存在します。これで「被害者はいない」と強弁するなら、夜中、他人の家に誰かが侵入しても、何も盗らなければ被害者はいないということになってしまいます。順法精神の欠如もここに極まれりで、おそらく、こんな連中の発想、思考が、反政府、反社会、反国民の極左暴力集団へと成長していくのでしょう。doushin.jpg

 犯罪者が法令に従って逮捕、拘束されるのは当然のことで、それを前提に法治国家は成り立っています。逮捕後にその行為に対する評価として、微罪処分、起訴猶予、起訴からの執行猶予、実刑と適正な処遇を行えばいいわけです。今回の事案は、管理権限者が立ち入りを禁止しているにも関わらず、禁止されていることを知りながらこれをあえて無視し、犯意を確信しながら違法な行動を遂行したもので、極めて悪質な行為と言えます。逮捕は当然です。起訴して厳罰に処するべきです。

 犯人の記者はおそらく「旭川医科大事件でスクープ!」「本紙だけが知り得た秘密会議の詳細!」なんて見出しを夢見ていたのでしょう。そこには報道の自由なんて免罪符は通用しません。それは「国民の知る権利」と自社の「売る権利」をはき違えた、哀れな三流メディアの愚行に過ぎません。

 こんなことは絶対に許してはいけません。例によって、犯人の記者を擁護する反社会勢力の声のみが大きく伝わっているのは憂慮すべきです。サイレントマジョリティー、声なき正しい大多数者の声にこそ、多くの反日メディアは耳を傾けるべきなのです。

 事件起こってだいぶ経ちますが、北海道新聞はいまだ社としての見解を読者に発表していません。きちんとごめんなさいできるか、それとも朝日の尻馬に乗って国民を敵にまわすのか、さて。

JVCその後の失敗

| コメント(0) | トラックバック(0)

 先週のエントリーで、7年使ってきたコンポステレオが壊れて修理したことを書きました。今日はその後日談です。

 帰ってきたCDコンポ本体をさっそく動かしてみたところ、修理したCDトレイは支障なく作動します。原因はなんやったのか定かではありませんが、部品というよりトレイ周り一式交換されてたんでメカ部分の経年劣化ということでしょう。壊れる以前と同様に使えるようになって、好きなミュージックに浸る癒しの時間が戻ってきました。ところが。

 先週のある日、あるCDを聴いているとき、何番目かの曲になって突然音が出なくなりました。前後の曲は問題なく鳴ります。その曲だけがまったく再生されません。これは不思議。

 再生時間の表示は何事もなく進んでいきます。つまりトレイのメカ部分はCDから正常に音声信号をピックアップしているのに、その先のアンプかスピーカーに不具合があって音がでないわけです。しかもある特定の曲だけという奇っ怪な現象です。試しに同じCDを別のCDラジカセにかけてみると問題なく再生されます。

 数分悩んで、あることに気がつきました。「この曲『MONO音源』と書いてある」

 オムニバスCDやったんで音源はバラバラの寄せ集め。アルバムのうちのある1曲が古いモノラル録音やったのです。

speaker.jpg 試しにほかのモノラル録音のCD探してきてかけてみました。トスカニーニのベートーベン交響曲全集、やはり音はでません。フルトヴェングラーのベートーベン交響曲全集、やはり音はでません。ステレオ録音のカラヤンのベートーベン交響曲全集、音がでました。

 CD再生装置がモノラル音源のCDだけ再生できない。こんなことがあるんやろか。しばらく悩み、いろいろ触ってみて原因を突き止めました。スピーカーのケーブル接続を間違えてたのです。スピーカーは左右それぞれ+(プラス)と-(マイナス)計4本の線を繋ぎますが、ここでわたし、4カ所の接点で、左右につなぐところ間違えて上下につないでました。左のスピーカーには左のプラスと右のマイナス、右のスピーカーには左のマイナスと右のプラスの信号がそれぞれ送られてたことになります。 

 ステレオは左右が別々の信号です。モノラルは左右まったく同じ信号。詳しい理屈は分かりませんが、ケーブルの接続を間違えた状態でモノラルの信号がスピーカーに送られると音が出ない、という現象が起こったのです。正しく接続し直したところ、モノラルのCDもめでたく音が出ました。

 原因が判明し解決したのはやれやれですが、そんな間違った状態で再生されたステレオの音、わたしは特に違和感を感じずに聴いていたことになります。バカ耳。おそらく、聴く人が聴けば一発でその異常に気付いたことでしょう。

 今回、再生したCDにたまたまモノラル音源の曲があったので間違いに気づきましたが、もしそうでなかったら次回トスカニーニやフルヴェンの古い録音のCDをかけるまで、ずっと気がつかないで不完全な再生音を機嫌よく聞き続けるところでした。人生、どこに落とし穴があるか分からない。

 思うに、普段の生活で間違ったままそれに気付かずにいることは他にもたくさんあるんでしょね。それがために享受すべき恩恵を逃してたり、本来不要な苦労を背負い込んでたり。

 しかし、気づかずに間違った道を進むこともまた人生、知らないことで幸せに過ごしているなら、それもまあいいとしましょ。

His Master's Voice

| コメント(0) | トラックバック(0)

 梅雨空が戻ってきました。朝からしとしとと雨が降ってます。

 今日のように外出する予定がない休日の朝の行動はだいたい決まってて、新聞読みながら朝ごはん食べて、書斎に行ってまずコンポにCDをセットし部屋に音楽を満たします。流れる曲のジャンルはその日の気分によってさまざまですが、クラシックが多い。

 先週の日曜日も一連のルーチンを粛々とこなし、さてCDをかけようとイジェクトボタンを押したところ、前の晩に聴いてそのままにしてたディスクが出てこない。

 「あり?」いやな予感。 

20210613_005322428_iOS.jpg

この「いやな直感」というのはまず的中するもんで、その後いろいろやってみても中に入ってるディスクは一向に排出されません。つまりは壊れました。

 ウッドコーンのスピーカーが気に入って、このJVC製のシステムコンポを買ってからすでに7年経ってます。休日家にいる間はほぼ一日中鳴りっぱ、平日も夜に聴かない日はあまり無くて、つまり毎日フル稼働で今日に至っています。ヘビーユーズで壊れるのも道理やけど、さて、どうするか。

 精密機器を7年使ったんやから、寿命と判断してもいいようなもんですが、CDが詰まって出てこないだけで買い替えるのもどうかと思います。ここはひとつ修理に出してみることにしました。買ったヨドバシに持ち込むこともできますが、時間と費用を考えるとメーカーのサービスに直送するのが賢い。さっそくネットで調べてクロネコで送ったところ、わずか2日で修理完了の連絡があり、さらに2日でCDトレイまわりのメカが交換されて返ってきました。早い早い。

His_Master's_Voice.jpg

 社名の「JVCケンウッド」、われわれ昭和の人間には「日本ビクター」と言われた方がピンときます。歌謡曲華やかなりし頃、RCAブランドのレコードで世を席巻し、その後伝説となった「VHS vs β 戦争」に見事勝利し、バブル時代に君臨した音響機器メーカーです。設立以来のトレードマークは、蓄音機から再生される懐かしい主人の声に聞き入るフォックス・テリア「ニッパー」の姿で、史上最も有名な企業マスコットのひとつとなりました。しかし、いまやその日本ビクターも、新興国の台頭と激烈な技術革新の流れの中で経営が行き詰まり、ケンウッドとの合併を経て今に至っています。

 SONYシンパの私ではありますが、最初にホームビデオを買った昭和が終わる頃にはすでにソニーの「Betamax」はじめ敗れ去ったβ規格は駆逐されており、VHSを選ぶことになりました。それがVictorの「HR-S5000」という機種で、S-VHS対応のかなりの上位モデルを奮発しました。以後いくつかのビデオデッキを使ってきました。そしてデジタル全盛の現在、もはや磁気テープのビデオの出る幕はありませんが、生まれて初めて買ったこのVictorのビデオデッキだけは捨てられずに置いてあります。

20210613_020038796_iOS.jpg

 薄型で当時の製品にしてはスタイリッシュですが、重い。ビデオデッキに限らずアンプもラジカセもCDデッキも昔の製品はみな重い。電気コイルやトランジスタやコンデンサなどの電子部品がみっしり詰まっていて、持ちあげるとずっしり腰にきます。それが昨今はとにかく小型軽量になり、筐体開けてみると真ん中に少しだけ機械が入っててまわりはスカスカなんてことがあります。ほんとはそんなに大きさ要らないんやけど、昔ながらの大きさがあった方がラックへの収まりもいいし、そこそこ大きい方がありがたみがあるからやと思います。

 最近、NHKのBS4Kで「プロジェクトX」が再放送されてます。初回放送は10年ほど前で、日本人が成し遂げた、埋もれた優れた仕事に焦点を当てるというコンセプトで、非常に人気があったドキュメンタリーシリーズです。中島みゆきが歌う主題歌「地上の星」は大ヒットし、みゆきは紅白出場を果たしたところ、黒部ダムからの中継という世紀の演出に大注目の中で歌詞を間違えてしまったことは、後々まで語り草となりました。

 そのシリーズの中でも、放送当時評価が高く今でも「神回」とされているプログラムに「窓際族が世界規格を作った~VHS執念の逆転劇」があり、先日オンエアとなりました。久しぶりに視て往時をしのんだ矢先、その末裔ともいうべきJVCの製品が壊れてしもたことに、何かの因縁を感じた次第です。♪風の中のすーばる~

トンデモ判決出来

| コメント(0) | トラックバック(0)

 梅雨空続く休日の朝です。ちまたの話題はワクチンと東京オリンピック・パラリンピックですが、オリ・パラどうやらやる方向で固まってきたようです。朝日新聞以外の主要メディアはまだはっきりと中止すべきという主張を示さず、中止・再延期という世論の大勢にへつらいつつも「果たしてやっていいんでしょうか」なんてあいまいなコメントしか出していません。スポンサーに気を使ってることに加えて、もし五輪を無難に完遂したときに国民から「そいやお前、反対してたよな」と指弾されることが何より怖いわけです。日本人が金メダルとったニュースを「やりました!」なんて伝えようもんなら、視聴者は「どの面さげて...」と思いますよね。いつの段階で「力を合わせて成功させよう!」に転じるか、それが新聞社、放送局のこれからの大問題となります。その点、早い時点で五輪全否定の朝日は、オリンピック成功した暁にははっきりと責任とって廃刊せんといかんでしょうな。

 さて、昨今、多様性社会の進展により、ジェンダーフリーや性的マイノリティーについての理解が急速に広がっています。そんな中でこのたび出たひとつの高裁判決のこと、書いてみます。

 経済産業省に勤務する性同一性障害の役人が、職場で女性トイレの使用を制限されたのは不当な差別やということで損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決があり、東京高裁はこの訴えを棄却しました。一審では原告が勝ってたのに逆転敗訴です。

c0193512_20180126.png 今回、高裁は「性自認に基づいた性別で社会生活を送ることは法律上保護された利益」と認めつつも、使用制限を続けたことは「ほかの職員が持つ性的不安なども考慮し、全職員にとって適切な職場環境をつくる責任」を果たすために必要だったとし、経産省の対応は適正であると判断しました。平たく言えば、原告の権利は認めるべきやけど周りの人が嫌がるでしょって話です。さらに判決は「民間は進んでるけどお役所ではちょっとねー」という趣旨のことも書いてます。

 訴えた職員やその代理人弁護士はもちろんのこと、朝日新聞も社説で取り上げるなど、リベラル層を中心に「とんでもない判決」ということで大騒ぎになってます。社会の誤解や偏見を払拭し、性的少数者差別がない社会実現の先頭に立つべき官公庁だからこそ率先して認めるべき、という主張はもっともな話で、確かにこれは時代に逆行するケッタイな判決です。しかし。

 トランスジェンダーの職員に対して国が性自認に従ったトイレの使用に制限をかけた、とそれだけ聞くと「とんでもない話」となるわけですが、当の職員と職場との間にいかなる事情があったのかということを具に理解した上でないと、裁判所の判断に対する安易な評価は危険です。結論だけに着目し、その判断に至った経緯をすっ飛ばして批判すべきではありません。

 今回この職員は、女性用休憩室や更衣室の利用は許可されており、さらに乳がん検診の受診も許可されてたといいます。しかるにトイレだけはダメと。女子トイレの使用を禁止したのはトランスジェンダーだからという理由だけやったのかな、と疑問が残ります。さらに、近くの女子トイレはダメで遠い場所にある女子トイレなら認めてきたというのも意味が分からない。この職員専用のトイレを設置してたのでしょうか。普通なら考えられない話で、はぁ?ってことになります。そこには判決に影響するような何らかの別の事情があったのではないでしょうか。報道はそのあたりを一切伝えてません。

 いずれにしても、おそらく原告は上告するでしょう。LGBT法案が自民党保守派の抵抗で今国会の成立が見送られた折も折、最高裁で判決が覆るかどうか、はたまた経産省が折れて和解に至るのか、今後の推移に注目していきたいと思います。

WELCOME

CALENDAR

PROFILE

IMG_0227_2.jpgのサムネール画像のサムネール画像

katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

月別 アーカイブ