2022年5月アーカイブ

革命の季節

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 明日は一日お仕事なので、土曜の夜にブログを更新しています。

 昨日伝わった話題、日本赤軍の元最高幹部、重信房子が刑期を終えて出所しました。

 ひさびさにこの名前を聴きました。wikiのプロフィルには「テロリスト、革命家」とあります。国際指名手配されていたところ、2000年に大阪で見つかって逮捕されました。1974年のハーグ事件の犯人の一人として、逮捕監禁、殺人未遂の罪状で起訴され懲役20年の判決を受けて服役中でした。FUSAKO4.jpg

 あさま山荘事件が1972年、ハーグ事件がその2年後、その26年後に重信が逮捕され、さらにそれから20年が経ったという時の流れの加速度に驚きます。あさま山荘では、当時小学校4年生のわたしもご多分に漏れずテレビの生中継に見入りながら、こんなドラマやマンガのような事件が現実の世の中でも起こるんやなと思ったもんです。

 学生を中心とした新左翼団体の革命ごっごは山岳ベース事件やあさま山荘事件を境に急速に社会の支持を失い衰退していきますが、学生の遊びではない筋金入りのテロリストと化した日本赤軍のメンバーはその後、テルアビブ空港乱射事件、クアラルンプール米国大使館占拠事件、ダッカハイジャック事件など、世界各地で凶悪なテロを実行し、世界中から恐れられる集団へと大化けします。PFLP(パレスチナ解放人民戦線)はじめ、世界中の暴力革命を目指す組織との連携を進め、制圧された日本国内の活動とは反対に、世界中に革命の機運を盛り上がげていきます。重信はこの間、テレビのワイドショーに出演しインタビューに応じたこともありましたが、ハーグ事件の後は結局指名手配されました。日本の公安も黙っていない。日本赤軍をなんとかしなければ日本が、今のシリアやロシアのようなテロ支援国家として世界中にさらに迷惑をかけてしまいます。そして、世界中に潜伏していたメンバーの多くが次々に逮捕されていきますが、坂東國男や岡本公三、大道寺あや子、さらにはよど号の実行犯などいまだ逃亡を続けているメンバーも多くいます。

FUSAKO3.jpg 重信は、手配されて後も、世界革命を目指す「テロリストの女王」「魔女」などともてはやされますがその行方は杳として知られてなかったところ、実は大胆にも偽造旅券で不法に日本に舞い戻り、赤軍派残党一味の援助を受けて潜伏を続けていたのです。日本赤軍最高幹部の逮捕は当時大々的に報道されたので、わたしも覚えています。連行される際に手錠の両手でサムアップしながらカメラに笑顔で応える姿が、日本赤軍の革命の季節の終わりを象徴していました。そうか、あれからもう20年も経ったのか。

 直接の逮捕容疑となったハーグ事件において重信は現場にいたわけでもなく、当然実行犯でもありません。しかし共謀共同正犯として逮捕され有罪とされました。事件自体に直接の関わりはないけれど、実行犯を指揮した事件の首謀者とみなされたわけです。さらに、実行犯でもないのに懲役20年という、無期を除くと当時最長の極めて重い判決でした。普通なら殺人などの凶悪事件でも、20年はあんましありません。「共謀共同正犯」という概念は、私が学生時代に所属してた刑法ゼミの教授が学会で中心となってこの学説を唱えていたので少し馴染みがあるのですが、当時の通説・判例において主流ではありませんでした。にもかかわらず、日本の司法は、重信をことさらに重く裁くために主流ではない刑法理論に根拠を求め、主犯と位置づけたのです。さらに服役後仮釈放もありませんでした。これは言うまでもなく、日本赤軍という近代史上最大の国家反逆集団の首領であるがゆえの、公安警察の国民に対する見せしめにほかなりません。国家転覆を企てそれを実行に移す、破防法に基づく公安の監視対象団体の前には、武闘派の指定暴力団もかすんでしまうのです。

 刑期満了出所後も重信は、共産主義暴力集団である現在の日本共産党や、オウムの残党同様に、一生、公安の徹底した監視下に置かれるでしょう。

電音、音響、山水

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 私は音楽に限りなく貪欲で、身近に音楽がないと生きていけない体質であることから、いい音を求めてさまざまな奮闘をしていることは、これまでにも何回か書いてきたところです。

 このたび、WALKMANで使ってたイヤホンがヘタってしまい、新しいのんを購入しました。思えばワイヤレス式のイヤホンはこれが実に4台目です。

 最初のんは、ワイヤレスとはいいながら左右のイヤホンがコードでつながってました。しばらく使ってましたが、タッチノイズ(コードが身体や衣服に擦れて起こる雑音)が気になるので完全ワイヤレスに変えました。いずれもJBLの製品で、なかなかいい音してました。何事も無ければ、このはじめての完全ワイヤレスの機種を今も使っていたはずです。ところが、iPodの電池がヘタってきたのをきっかけにSONYWALKMANに替えたところ、Bluetoothの規格が違ってJBL製のイヤホンは使えないという落とし穴に、ずっぽりとはまってしまったのです。これは想定外でした。

 そこで、急遽購入したのが、ネット上で見つけたmujiliという聞いたことがない中華メーカーのイヤホンです。これもそこそこいい音で、2年近く使ってたでしょうか。先日、片方だけ電源が入らなくなりました。かといって充電が切れたというわけではなく、しばらくたってからもいちどやると今度は何事もなかったかのように鳴ります。不定期に動かなくなる。これではとても使えません。

 イヤホンの音など「さほど違いはない」やろと思い、リーズナブルな機種を買ってきたことが災いしたかもというわけで、今回はネットで適当にポチるのではなく、いろんな機種を試聴できる日本橋電気街の大きなイヤホン専門店まで、きちんと足を運びましたよ。ずぼらな私にしてはなかなか立派な行動です。20220521_233150398_iOS.jpg

 お店で時間をかけて選んだ結果分かったことは、イヤホンの音には「さほど違いがある」ということです。お値段が立派な製品はやはりそれなりに性能が優れてて、いい音を鳴らすことが実感できました。そこで今回は奮発して、1万円以上もする国産メーカーの製品を購入したのです。をを!

 イヤホンは、耳にきっちりフィットして落とさずに使い続けられるかということも重要な要素になります。いくら音が気に入って値段の折り合いがついても、耳の形に合わないとあきらめざるを得ません。展示品の端から端まで時間をかけて比べ続けて、かれこれ1時間も経ったでしょうか。小さなお店でこんなことやってたらお店の人の顰蹙かうでしょうけど、そこは大きな専門店のメリットです。

 結局、DENONのAH-C830NCWという機種を買って帰りました。ノイズリダクションという機能がついてます。これは初めてです。お店ではその効果があまり分かりませんでしたが、街中にいるときや電車の中でオンにするとはっきりと体感できます。周囲の雑音が遮断されて、より音楽に集中して楽しめます。技術の進歩ですねー。いったいどんな仕組みになってるんでしょか。予想以上の性能で、これはいいお買い物でした。

 「周囲音ミックス機能」というのんもついてます。これはノイズリダクションと逆で、周りの音をことさらに取り込んで耳に伝える仕組みで、オンにするととたんに周囲の音が大きく聞こえてきます。イヤホンしたまま誰かとお話したり、駅でアナウンスを聞きたいときなどワンタップで切り替えできます。しかし、ハッキリ言ってこの機能はいらない。思い出すのは昭和の昔、携帯型音楽再生機器の元祖である初代ウォークマンにこの機能がついてました。本体にマイクがついてて、ボタンを押すとそのマイクが拾った音がヘッドホンに届くのです。耳を塞いだまま街を歩くという、それまで人類が経験したことがない状態を危ぶみSONYは考えたんでしょうね。しかし「こんなもんいらんわ」ということになって、それ以降ウォークマンはじめ多くの携帯プレーヤーでは一切採用されませんでした。それが今になって何故に?と思います。周りの音を聴きたいときはイヤホン外せばええのです。

 dp.jpgところで、このDENON(デノン)というメーカー、昭和の時代から高級オーディオ機器メーカーとして君臨し、アンプやレコードプレーヤー、カセットデッキ、スピーカーなど多くの名器を世に送り出してきた伝統あるブランドです。「日本電気音響(株)」がデンオンになったのですが、海外ではデンオンは発音しにくいからデノンと名乗ってたところ、何年か前にデノンに統一したらしい。知らなんだわ。

 レコード再生用のカートリッジ、いわゆるレコード針のDL-103という製品は、NHKと共同開発して1970年に発売して以来、50年以上経った今も生産し続けているそうです。今やアナログのレコードなんて知らない世代が増えてきている中で、伝統を守り続けているこだわりのメーカーであると。そう聞くと、イヤホンで聞く音楽も、いや増していい音に感じます。

 そいや先週、同じ音響機器専門の老舗メーカーのONKYOが倒産したというニュースが伝わりました。私が使ってるシステムコンポはSANSUI製ですが、このメーカーもすでに倒産して今は無く、万一故障したら修理には苦労しそうです。日本の伝統ある音響機器メーカーが次々と退場していく中、今回その製品を入手したユーザーの一人として、改めてデノンには頑張ってほしいと思います。

端数処理の罠

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 先日、友人のブログで、銀行の休眠口座の残高をゼロにして解約する企ての顛末が書かれてました。ATMの手数料を考慮しなかったことからあえなく失敗に終わったと。これを読んで思い出したことがあります。

 私が通勤で使ってる大阪メトロ・大阪シティバス共通のICカード「PiTaPa」かなり以前に書きましたが、これがなかなか優れもので、事前に通勤定期区間として登録した区間とそれ以外の大阪メトロ区間は事後決済(ポストペイ)できるうえに、チャージすればICOCA同様に全国のいろんな提携交通機関でも乗車できます。

 ICOCAPITAPA.jpgこのチャージ残高がもう何年も「6円」で変わってません。チャージしていろんな交通機関乗るのは、もっぱらICOCAの方です。なぜにPiTaPaに6円残っているのか。そこには悲しい物語が隠されているのです。

 PiTaPaをバスの定期券として使い始めたとき、1万円だか5千円だか忘れましたがチャージしたわけですよ。できると聞けば使ってみたくなるのは人のサガです。しかし、すぐに「ICOCAとPiTaPa両方に残高あるのはうっとおしい、おまとめしたい」と思って、PiTaPaの残高をゼロにするプロジェクトを開始したのです。

 大阪メトロとシティバス以外の電車バスに乗る機会に使い続けて、順調にチャージ残高を減らし続けていたある日、東京出張で地下鉄に乗った際に悲劇は起こりました。

 改札出るときに自動改札機に利用運賃額が表示されますが、242円だの199円だの、なんとも中途半端な金額ではありませんか。そうなのです。関西人には馴染みがありませんが、東京メトロはICカードで乗ると割引があって現金で切符買うより微妙に安いのです。

 これは想定外の展開です。10円単位なら、消費される運賃を睨みながら逆にチャージしたりで残高をぴったしゼロにする操作はさほど難しくもありません。しかし、1円単位となるとこれはもう超絶技巧を要します。首都東京、恐るべし。

 以来チャージもせずプリペイ区間で使うこともせず(残高6円で使えるわけがない)そのまま月日は過ぎ去り、今に至ります。

 その昔、海外から帰国の際に最後の空港で現地通貨を使い切ろうと土産物を買ったところが、手数料だの税金だの計算を間違えて買えば買うほど釣銭がどんどん増えていき、結局意に反して大量の小銭を抱えて帰ってきた失敗を思い出します。

 paypayだのLINEpayだの、あちこちに残高を抱えるのは避けたいとは思うものの、プリチャージのICカードは銀行口座のように残額がボッシュートされることはありません。あまり気にせずに、この6円は抱えたまま歩んでいこうかなと思う今日このごろです。

廃線やむなし

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 新緑眩しい季節となりました。GW最終日は期間中に酷使した肝臓を労るため、いいお天気ではありますが、クルマを洗ったのちはおうちでのんびりと過ごします。

 さて、以前のエントリーで、北海道の留萌本線の惨状に関連していにしえの鉄道敷設法に関することを書きましたが、先月でしたかJR西日本が営業収支が悪い路線を公表しました。「1日の利用者数が2,000人以下」という線引きでピックアップしたら17路線あったと。2,000人なんていうとなかなかの大人数と思うのですが、さにあらずとても収支が合わないとか。当然17路線すべて赤字路線です。

 「収支が悪い路線を公表した」といっても、JR西の赤字路線がこの17路線だけではないことに注意が必要です。そのあたり各メディアの伝え方は少し不親切ですが、まあそれは置いときましょう。要は黒字の路線なんて数えるほどしかないのです。ではなぜ今回、17路線のみ公表したか。これはつまり、国や地方自治体に対してジャブを打つためです。われわれはこの17路線を廃止したいのです、と。alaji.jpg

 鉄道事業は極めて公益性が高いとはいえ民間企業なんで、収益を上げて企業価値を高めたいのは当然です。かといって採算のみを重視して事業を縮小すると、沿線住民から非難の声が上がります。廃線に向けて外堀から埋めていこうというJR西の思惑が滲みでています。

 また興味がわいたので発表資料を詳しく読んでみました。発表された地図を眺めると、ふるさと奈良県の路線はすべてがかろうじて2,000人を超えており今回の対象からは外れてます。近鉄が縦横無尽に走り回ってるので、もともとJRの出る幕がなくて路線が少なかったこともありますが、それでもまあ頑張ってるといえるでしょう。

 一方でなんと、紀勢本線(きのくに線)の白浜~新宮が対象になっています。この区間が廃止されると南紀勝浦温泉や潮岬・串本など多くの観光地が電車で行けなくなります。地元にとっては一大事で、この公表の衝撃は大きいと思います。

 いちばんひどい有様なのは広島県、芸備線の東城~備後落合という路線で、2020年度の1日平均通過人員がなんと9人。1日1kmあたり9人運んだという意味です。ちなみにJR西の平均通過人員最高は大阪~神戸の380,000人やそうです。どんな田舎なんやと思ってこの東城駅の時刻表を検索したら、なんと1日の運行は3往復のみ。これは凄い。しかも、その後の沿線自治体の調査で、定期券の乗客がほとんどいないことが分かったと報道されてます。つまり、廃止しても通勤通学に困る人は誰もいないのです。これはもう廃線一直線。

 異論が多いかもしれませんが、そもそも鉄道というインフラは、事業として成立してはじめて存在価値があると、私はかねがね思ってます。廃線になりそうやからみんな頑張って乗りましょうなんてのは、本末転倒も甚だしい。

 乗客がほとんどいなくても、営業を続けている以上は列車を動かさなければなりません。燃料も要るし車両や線路の設備の維持費や人件費など考えるとこれはもう、既得権益を有する特定地域の住民に対する極めて過剰なサービスの提供といえます。芸備線東城~備後落合間の2019年度の営業係数、つまり100円稼ぐのに要した経費は25,416円。JR西でぶっちぎりのワースト1位です。その赤字は、新幹線や大都市圏の満員電車利用客が支払う運賃で補填されているわけです。

 多少の赤字があっても一定の利用者がいるうちは存置もありやけど、それも程度問題です。遊園地のライドアトラクションやないんやから、もはや都会から来た鉄道ファンしか乗ってないような路線は廃線やむなしでしょね。

WELCOME

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PROFILE

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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