2021年12月アーカイブ

この一年

| コメント(0) | トラックバック(0)

 年末寒波に列島が覆われドカ雪の予報の中、やっぱり大阪だけは雪に無縁のいいお天気の日曜日の朝であります。

 気がつけば早や今年も押し迫ってまいりました。おそらくは今年最後のブログ更新...という枕詞も今回で11回目となりました。ブログ開闢10周年の記念すべき今年、全世界のコロナ禍依然として終息せず、先行き不透明なままの師走の喧騒の中、この一年をすこしく振り返ってみましょう。5157892_s.jpg

 なんといっても引き続きコロナに翻弄され続けた一年でした。夏の第5波はパンデミック開始以降最大の感染爆発となり、日本はもう終わりかと思い始めた頃からワクチン効果でもって急速に終息に向かいました。各自治体は緊急事態宣言を次々と解除、飲食店の規制も緩やかになって今に至っています。先日、用あって梅田地下街の飲み屋さん街を歩いてたところ、軒並みのお店の中はいずこも満席、密密密。大阪府の場合、現在は「1テーブル4人まで」とされてますが、考えてみるとたいがいのお店は元々4人がけテーブルの集合体です。つまり、もはや規制は無いに等しいわけです。

 パンデミックもいよいよ終息かと希望の灯りが見えた矢先、怪獣オミクロンが出現し、先週になって日本にも襲来、市中感染を開始しました。水際なんて言っても海外との接点は空港だけではないし、完全に防止するのは不可能です。海外からの人流を止めときながら、アメリカから沖縄の米軍基地にはフリーパスなんやそうで、案の定クラスターが発生しました。つまり政府はそもそも水際なんて本気でやるつもりないわけです。それにしても、日本最初の市中感染はやっぱり大阪からかよ。トホホ...

 かくしてコロナとの戦い、というよりコロナとのつきあいはさらに年を跨いで続いていきます。

20210621_100717426_iOS.jpg そして今年は1年遅れのオリンピックイヤーでした。大リーグ大谷翔平選手の前人未到の大活躍とともに、数少ない明るい話題で、何かと迷走はあったもののコロナ禍の中にあって異例尽くしの五輪大会を見事完遂しました。日本だからできた、何だかんだ言ってもやっぱり大したもんだという世界中の評価は適正でありましょう。日本と日本人が少しは自信と希望を取り戻すきっかけになったと思うのです。

 五輪反対を貫くかに見えた、反政府系メディアの筆頭朝日新聞も、途中から手のひらを返して選手を讃えだしたことには国民から冷ややかな目が集中しました。ところが、先週組織委員会が五輪総括の中間報告を発表したところ、朝日は社説で「費用をめぐる不信は根深い」だの「振り返りが不完全」だの「きれいごとを並べただけ」だの、またぞろ難癖をつけ始めました。社説の結びで「五輪の今後を考える素材を提供することが関係者の責務」などとほざいてますが、徹底的に開催に反対してたにも拘わらず、その盛り上がりに危機感を覚えアスリートの人気に便乗して主張を覆すがごとき節操のない姿を晒した朝日新聞に、これらの批判をそっくりそのまま返してあげます。

 さて、年が明けるとなんと私は還暦を迎えます。ブログの扉にある「生まれてから約半世紀」も今やサバを読みすぎです。40歳にして大いに迷い、50歳にして未だ天命を知らないまま、60歳でとても耳順(したが)うことのない情けない現実があります。一向に成長の自覚がないままではありますが、次の10年も健康第一でまったりと一日一日を重ねていこうと思います。

 今年1年ありがとうございました。来る年もどうかよろしくお付き合いください。

お気楽ゴルフ

| コメント(0) | トラックバック(0)

 先週、お休みもらって久しぶりにゴルフしてきました。雨降りの予報がなんとか一日曇り」ときおり陽が差すまずまずのお天気で、ストレス解消の楽しい一日となりました。んで、その夜ネット見てると、今多くのゴルフ場が「2025年問題」を抱えてビクビクしているというニュースが目に止まりました。

 2025年は、団塊世代が後期高齢者(75歳以上)となる年で、社会保障費が増えて医療や介護のしくみが抜本的な見直しを迫られることになる節目やそうです。ゴルフに限らず、日本の社会保障制度の在り方という問題で、ゴルフ場にとってはつまり「客が来なくなる」ということらしい。確かに体力的にも経済的にも、75歳過ぎて若い頃と同じペースでゴルフ場に通える人がどれだけいるのかということです。その分若い人がゴルフ始めるからええんやないと思うけど、どうもそうではないらしい。

 バブル以降ゴルフを始める若者が増えました。私もその一人です。今、日本にはゴルフ場が約2400カ所あって、米国、英国についで3番目に多いとか。ゴルフ人口が将来的にもどんどん増えて、募集すればいくらでも客が集まることを前提にゴルフ場の開発が進んだ結果です。ところが、あにはからんやゴルフ人口はどんどん減少しているのです。niceshot.jpg

 どんなスポーツでも本格的にやればやるほどお金がかかるもんですが、ゴルフも道具代や交通費などけっこうな出費を伴います。平成不況以来日本経済は沈滞したままで、バブルの頃のように何百万円、時に何千万円もの預託金をポンと出して会員になる人はどんどん減って、結果、財産としての会員権の価値は下がり続けました。これではゴルフ場、新規開発どころか現状の維持すらなかなか難しい。来場者が減って売り上げが減少しているところに預託金の返済期限が訪れます。75歳過ぎて「もうゴルフすんのしんどいわ、引退するから預託金返して」という人がどっと増える。ところがゴルフ場は経営苦しくて返せない、からの経営破綻、民事再生法申請というパターンが急増しているわけです。2400ものゴルフ場がバブル期の勢いそのままに経営を維持していくことは困難と、容易に察しが付きます。

 わたしはというと、ゴルフはまあ好きなほうですけどラウンドは年に56回という程度です。同じマンションのある旦那さんのように暇さえあれば練習場へという熱心さはなく、従って腕前も一向に上達しません。だから大枚をはたいて会員権買うなんてありえない話です。プレーするのは平日が多く、おかげさまでだいたい年休とれるもんで、休日に安く利用できる正会員のメリットも必要ありません。メンバーになれば1回のプレー費がかなり安いとしても、今や預託金が将来返ってくる保障はないし償還期まで自分が生きてるかどうかがそもそも怪しい。ゴルフ場の破綻と自分の寿命、どっちが先かの勝負を始める気にはなりません。また、わが家からほど近い名門と言われているゴルフ場は、新規の会員募集に際して預託金ではなく「入会金150万円」に変更しました。つまり「返すつもりはない」と開き直ったわけです。これだと年に5・6回のエントリーでは死ぬまでにとても元はとれません。

 かつてゴルフ場はいわばメンズクラブでした。○○ゴルフクラブ、△△カントリークラブという名称がそれを表してます。お付き合いのためのステイタスやったわけです。それが今や「交友関係の拡大なんていらない、知らない人とラウンドするなんて御免、親しい身内や友人だけで気楽に回りたい」という人が増えてるように思います。

 ゴルフ自体は実に楽しい。人工とは言え自然の中に一日身を置いて、適度な運動ができて、仲間と過ごす楽しいひとときであります。しかし、過ぎたるは猶及ばざるがごとし、これ以上のめり込んで腕前が上達し、シニアツアー参戦の野望が芽生えて遠く海外のトーナメントに呼ばれるようなことになったりしたら、平穏な老後を夢見る家内にも迷惑がかかります。しかたがない、2025年問題とは関係ないところで、これからも現状維持でまったりと楽しんでいくことにいたします。

いにしえを考える

| コメント(0) | トラックバック(0)

 先週、用があって故郷奈良県下をあちこち走り回った際に、いい機会と橿原考古学研究所附属博物館を見学してきました。地元やったんで若い頃に一度訪れたことがありましたが、このたび改装されたと聞いたんで久しぶりに行った次第です。

20211202_014540752_iOS.jpg 改装前がどんなやったかすっかり忘れてしまいましたが、館内は明るくてキレイです。平日の昼間ということで来館者も少なく、じっくりと時間をかけてみて回ることができました。JAFの会員は入館料400円が50円引きになります。もう何十年もクルマでJAFのお世話にはなってませんが、お寺や美術館などの拝観料で思わず得することがあります。最近は会員証がスマホに入ってるんで忘れることもありません。そいやこないだ「永年会員特典」とかでホテルやレストランの割引の案内が届いてました。こんなご時世で使うことはないけど。

 さて、展示されてるコンテンツは奈良県下の古墳や遺跡から出土したものが中心で、中には国宝、重要文化財もいくつかあります。「太安万侶の墓誌」なんて発見当時は大ニュースになったことを覚えてます。銅鏡の展示は質・量ともに素晴らしく、ポピュラーな三角縁神獣鏡はもちろんのこと、貴重な画紋帯神獣鏡もいくつか展示されてます。かつて奈良ソムリエ検定受験のために参加したセミナーで、歴史学者の先生が「画紋帯は学問上の重要性という点で三角縁なんかとは比較にならない」と絶賛してはりました。そんときは「はあ、そんなもんか」と思っただけでしたが、実物をじっくり見たところ「う~ん、そんなもんか」。20211202_021020411_iOS.jpg

 美術館や博物館、お寺の建物ん中もそうですけど、基本写真撮影は禁止です。ところがここでは「一部撮影できない展示物があります」との案内が。つまり原則撮影OKで、ダメなものには個別に撮影禁止の札が付いてるんです。撮っていいものダメなものは何を基準に規制してるのでしょか。同じような土器が並んでて、片方はいいけどこっちはダメなんてのもあって、実に不思議でした。

 見学しててもひとつ思ったのは、墨の偉大さ。刀や墓誌など金属に刻んだ文字は錆びてボロボロんなってX線でも当てないと判読できません。しかし、木片に墨で書いた文字は、水に浸かってたりとか条件が良かったこともあるらしいけど、千数百年経っても書いた当時と変わらずくっきりと残ってます。漢字ばっかしで今でもよく使う知ってる字も多い。これがもっと時代が下って和紙に書いた古文書になるとひらがなが混じって、例の蛇が這ったよな続け字で素人にはまったく読めなくなります。飛鳥、奈良の時代がのちの時代を飛び越してわたしにも読める文字を記録していることに、なんとなく古代から現代に至る連綿たる日本人の営みを身近に感じました。

20211202_015738887_iOS.jpg タイムマシンは、どんなに科学が進歩してもどうやら実現不可能と言われてます。だから、写真も映像もない古い時代の出来事は確実な「証拠」というものがなくて、残ってる資料をもとに想像するしかありません。今正しいとされてる歴史も100%確実ではなく可能性が高いというレベルにとどまり、「諸説あります」なんて人によって考えが違うこともあります。新たに蔵の中を調べたり、地べたを掘ったりで新しいヒントが見つかるたびに新しい説が出てきて「こっちのほうがええやん、これからこれでいこ」となることも、ままあるわけです。

 古(いにしえ)を考えると書いて考古学です。これはいい得て妙で、数学、物理学、化学、医学、生物学、地質学、天文学その他自然科学の分野では検証を極めると必ず正解が導かれます。しかし考古学はまさに考え続けるしかありません。正解と言うものが無く、誰も答えを教えてくれない。それゆえに、いっそう浪漫を求めるひとびとを惹きつけるのです。

日出処天子

| コメント(0) | トラックバック(0)

 聖徳太子といえば日本古代史のビッグネームで、長らく一万円札や五千円札に肖像が使われてたので、ある意味日本で一番有名、かつなじみがある歴史上の人物と言えるかも知れません。それが昭和の終わりに「万券の顔」の座を福沢諭吉に譲ってからは知名度が徐々に下がり、いまや子供たちにとっては教科書に出てくるたくさんの歴史上の人物のうちのひとりになってしまいました。それもさ20211114_011917856_iOS.jpgっこんは厩戸王(うまやとおう)と呼ばれることが多く、そのうち聖徳太子という名前は教科書から消えてしまうかも知れないそうです。一部には「聖徳大子は実在しなかった」なんて説もあるんやとか。

 ところが、今年は聖徳太子の名前を聴くことが多かった。なんでも没後1400年にあたるとかで、いろんなイベントがあったりで目にする耳にする機会が多かったのです。こないだBSでスペシャルドラマの再放送もありました。

 そんな年に因んで先日、所属する県人会の遠足も法隆寺界隈を見学ということになりました。言うまでもなく聖徳太子が建造したと伝わる、日本で最も有名な寺院のひとつです。世界最古の木造建築物。日本で最初に世界遺産に指定された、キングオブ文化財です。

 奈良県で生まれ育ったんで、法隆寺は何回も訪れてます。何度見てもこの塔の美しさには圧倒されます。並び立つ金堂とともに、均整を極めたフォルムは日本の仏教建築の神髄、日本人の魂に響く美の極致と言えます。お寺大好きな私にして、数ある塔の中で2位に大差をつけて文句なしナンバーワンの花丸です。

dare2.jpg 延々2時間、見学のガイドをしてくれたお坊様の話が面白かった。「回廊や金堂の柱の膨らみは、エンタシスと呼ばれるギリシャ建築のパルテノン宮殿を模した造り...」うん、知ってる知ってる。「...と言われてましたが、最近ではそんなことを言う学者はいません」え、そうなの?

 正岡子規の「柿食へば...」の歌碑の前では、「この句ははじめ子規が東大寺で作った後に法隆寺に来て、こっちのがええやん!ということになったそうです」ぜんぜん知らんかった。

 つまり学問の世界は歴史など人文科学の分野でも常に発展進歩しているのです。われわれが子どもの頃に学校で習ったことがどんどん覆っていきます。例えば、有名な足利尊氏と源頼朝の肖像画、実はそれぞれまったくの別人やったらしい。だから、さらに時代をさかのぼる聖徳太子や法隆寺についてこれまで伝わってたことが実はそうでなかったなんて、まああって当然でしょう。20211204_004455033_iOS.jpg

 戦後マンガ史に輝く傑作と評される山岸涼子の「日出処の天子」では、太子は超能力者にして蘇我蝦夷と同性愛関係にあったという大胆な着想に基づいています。これを単なるフィクションと片付けることはできません。なにせ生まれてすぐに会話ができたり、10人の話をいっぺんに聴いて理解できたり、予言もできたりという超人ですよ。教科書ですら書き換わる時代のこと、ここはひとつ、山岸が描く太子の姿こそ真実に近いというこでよいのではないでしょうか。没後1400年記念やし、その方がロマンがあるやん。

WELCOME

CALENDAR

PROFILE

IMG_0227_2.jpgのサムネール画像のサムネール画像

katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

月別 アーカイブ