いいお天気が続きます。昨日、久しぶりに京都にでかけました。定期的に誘ってもらう高校時代の仲間の集いです。壮絶な混雑を覚悟して行ったのですが、そうでもなかった。その様子は次回また記すとして、今日はゴルフに関する裁判のお話。
ゴルフは好きです。ヘタやけど好きなんで、誘われるといつもホイホイ連れてってもらいます。
適度な運動になるし、ストレス解消にもってこいです。これでもう少し上手になればもっと楽しみも増えるのですが、如何せんズボラで練習はほとんどしないので上達するはずがないのです。でも、まあヘタなりに楽しんでます。
わたしとゴルフはその程度の付き合いなので、どこかのゴルフクラブのメンバーさんになろうなんてことはこっから先も考えたことがありません。あと数年で現職もリタイヤなんで、ステイタスとしての会員権もいまさら必要ないのです。
そんなゴルフクラブへの入会に関して最近、ある高裁の判決がありました。
岐阜県のあるクラブで、ひとりの入会希望者が帰化した元韓国人であったことを理由に入会を拒否されたのは憲法14条が定める法の下の平等に反するとして損害賠償の訴えを起こした事案です。クラブの負け。
このゴルフクラブは裁判で、外国籍(元外国籍含む)の入会を制限する理由について「生活様式などが日本人と異なり、設立当初の雰囲気が変わる」なんて言ったらしい。翻訳すると「外国人はとにかくうるさくて空気読めなくて、周囲に気を使わず迷惑かけることが多いから予めひっくるめて排除してるんです」ということのようです。これはもうね、ダメだわ。
ちょっと聞くとなるほど当然の判決と感じますが、調べてみるとゴルフクラブの入会に関する裁判例はいくつもあって、必ずしもゴルフ場側が負けてるわけでもありません。なんと今回の件も一審の地裁ではゴルフ場が勝ってて、入会拒否を認めてるのです。
一審では「クラブは私的で閉鎖的、入会の可否は理事会に委ねられており、原告の被る不利益は社会的に許容出来る限界を超えるものでは無い」としました。
これがゴルフクラブではなくてもっと公的でオープンな組織、たとえばいろんな学校への入学や、商業・ネットサービスの会員、エンタメやスポーツのファンクラブその他社会に存在するたくさんの「入会」において「外国人はダメ」なんて規約は認められません。もしそんなことがあったら大変な騒ぎになり、外国人を差別したそんな組織は炎上して社会的に葬り去られることでしょう。
しかるに、なぜゴルフクラブの場合だけ「まあ、外国人お断りとするのも一理ある」と判断されうるのか。つまりは「閉鎖的」やからです。
たとえば近所に阪神ファンだけの将棋クラブがあったとしても、入会できない巨人ファンが「憲法違反!」と訴えることはまあないでしょう。あったとしても「入れてやりなさい」と判決が出ることはありません。社会のごくいち部分やからです。その組織が社会に対してどれだけオープンで不特定多数を相手にしているかが判断基準になります。あくまで私的で限られた人だけをメンバーとした団体なれば、その会員資格に外からケチをつけるのは逆に憲法で保障された結社の自由に反するという理屈です。
今回の高裁は、ゴルフクラブは私的な団体ではなく社会一般の規範が適用される公的な組織と判断したわけです。だから差別的な入会要件は認められないと。妥当な判断です。ゴルフクラブ入会資格には他にも「女性は不可」なんてのもあって、過去に訴訟になってクラブが負けてます。
思うに、そもそも「外国人お断り」の規則そのものが今の時代ではダメなんです。不合理・不適正な差別です。これは閉鎖的であろうがオープンであろうが関係ありません。合理的な理由がある場合を除いて、一律に外国人を排斥したり性別を要件にしたりなんてことはやっちゃいけません。 今でも、名門と言われてるところを含め外国人の入会を認めないゴルフクラブがあるらしいけど、これらは今後是正されていくものと思われます。
それより「ゴルフ場のステイタスと会員の技術水準を維持するため、ヘタクソは入会お断り」なんてことが起こるかも知れません。そうなったら私は未来永劫会員にはなれません。まあ、なりたくもないからどうでもいいけど。
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