諸行無常の響き

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 なんと、今年ももう師走に突入です。これから毎週、忘年会と称する何らかの飲み会が行列を成してやってきます。コロナ期間中は肝臓も休養できてたのに、元の木阿弥というところ。コロナに加えてインフルエンザも流行しているとかで、幾多の宴席に挑むのに備えて昨日インフルのワクチン打ってきました。

 今日もいいお天気ですが寒い。すでに木枯らしが吹き、秋はその北風に乗ってどこかに行ってしまいました。冬の到来です。今年は夏が異常に暑かったしその暑さが遅くまでずうっと続いてその分秋が短くて、キンモクセイの香りもあっという間に消えてしまいました。

 恐ろしいのは、こんな夏の暑さがひょっとすると今年に限ったことではないかもということです。異常気象がもはや異常でなくなり、地球さんはこれから平均気温のキャリアハイを毎年更新し続けるのではないでしょうか。地球温暖化、日本の亜熱帯化待った無しになったのではないかと。美しい日本の秋よ永遠にと希う、初冬の朝です。

20231125_053317934_iOS.jpg さてそんな中、そうだ京都へ行こう、というわけで先々週の土曜日、久しぶりに出かけました。定期的に集まっている高校時代の仲間の集いです。夥しい外国人観光客が押し寄せた壮絶な混雑を覚悟して出立したところ、四条通は想像したほどには混んでいませんでした。この時期、やはり観光客の目当ては紅葉です。きっとインバウンドは嵐山方面へと向かい、祇園八坂界隈は穴場やったようです。

 主要産業で競争力の減退が甚だしい日本において観光産業の隆盛は喜ばしいことなんやろけど、奈良・京都をはじめ日本各地の美しい都市が、オーバーツーリズムの餌食となってイタリアのベニスのような運命を辿らなければと思います。

 京都コンシェルジュの異名をとるいつもの仲間の案内で今回は、祇園からほど近い丸山公園隣接長楽寺を見学し、その後公園内の料亭で懇親会という段取りです。

 長楽寺さんは、かの建礼門院ゆかりの古刹です。一行はちょっとした団体のテイなんで、住職さんが特別に見学のガイドをしてくれました。 

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 延歴24年(西暦805)桓武天皇の勅命により伝教大師(最澄)を開基とし延暦寺の別院として創建。その後室町時代に一遍上人の時宗に改まったんやとか。宗旨替えなんてそんな簡単にできるんかとも思います。カソリックからプロテスタントに変わるよなもんでしょ。まあ、吉野山の吉水神社みたいにもともとお寺やったのが神社に変わることもあるんやから、同じ宗教どうしなら有りか。

 建礼門院徳子といえば「平氏以外はひとでなし」と栄華を極めたのちマラリヤと思しき熱病に罹って死んだ平清盛の娘です。安徳天皇の生母としてオヤジ同様に権勢をふるったのち、平家が壇ノ浦で滅亡した際に死にそこなって京都に戻ってきました。その後大原の寂光院で生涯御仏に仕えたというイメージが強い人ですが、先にここ長楽寺でまず出家したんですと。知らなんだ。 
 ご住職、境内の鐘も突かせてくれました。ホントは1発だけのところ「わたしもー」とうわがままが出てきて団体向け出血サービスで2人目も許されました。ゴ~ン...大晦日のNHKで中継されたこともるとかで、なるほどいい音ですわ。余韻が長ーく残るこれぞ諸行無常の響きか。知らんけど。

 ちなみに平家物語の冒頭「祇園精舎の鐘の声」って、祇園っいうから何となくどっか京都のお寺の梵鐘のことと思ってたけど、調べてみるとそうではなくどうやらインドの話らしい。これも知らなんだわー。

 長楽寺はもともと円山公園一帯を含む大っきな境内のお寺やったのがどんどん縮小して今日に至ると。わがふるさと奈良でも、東大寺や興福寺は今でも超広大な非課税の敷地で事業展開していますが、元興寺や飛鳥寺んかはその昔創建当時は広ーい領地を占めてたのに今ではしょぼーいお寺に縮小してしまいました。似てます。時代を経ていく中で、時の権力者の都合その他いろいろと大人の事情があったものと思われます。お寺の隆盛衰退に際しても盛者必衰のことわりは世の常なのです。

image_xlarge (6).jpg んなこんなで長楽寺をあとにした一行はメインイベントの懇親会へと向かいます。丸山公園内にある料亭「左阿彌」さんペリーが来た頃に創業したと言われても、その程度の老舗では京都では大きな顔はできません。「ふーん」という感じですわ。時代が下るとこのお店は川端康成や志賀直哉の小説にも出てくると女将さんから説明がありました。

 席は例によって芸舞妓さんたちの登場で盛り上がりました。わたし京都でのお座敷はほかでも年に数回はお邪魔します。しかし、今回の仲間のコンシェルジュは祇園甲部の置屋「亻(にんべん)」さんの古くからの太客で顔が効くのです。ありがたい話です。もし彼がいなかったら仲間一同はここまで京文化の神髄に触れることも無かったのです。感謝、感謝。

 この穏かな京都見学の集いが今後も続いていくことを願ってやみません

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katsuhiko

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