CDの衰退

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 これは、先日「秋の四天王寺大古本市」で見つけて買った中古のLPレコード、小学生の頃には高くて買えなかったCARPENTERSのアルバム"NOW AND THEN"と、私が日本橋のお店で初めてCDプレーヤーを買った際におまけで1枚だけ貰えるというので選んだ、いわば生まれて初めて手に入れたCDカラヤンのサン=サーンス交響曲第3です。20231210_005302019_iOS.jpg

 約40年前、CD(コンパクト・ディスク)が世に出たことでレコードが消えていった時代の空気を、当時学生やったわたしもよく覚えています。秋葉原の家電量販店で、SONYのCDプレーヤーのデモ機で初めて聴いたデモ盤の曲は「さらばシベリア鉄道」でした。その、雑音がない透明な音質に度肝を抜かれました。これはえらいもんが出て来たと。その後予想どおりアーティストの新譜はシングルもアルバムもすべてCDでリリースされるようになり、レコード屋さんの看板はCD屋さんに書き換わっていきました。レコード針を独占的に生産販売していたナガオカは売上が激減しなすすべもなくギブアップ、会社は解散しました。まだ業績が黒字のうちに会社を清算することは極めて珍しいんやそうです。まあ、レコードの発売が無くなる訳ですから針専門のメーカーはどうすることもできないわけで、将来を絶望し決断が速かったのも頷けます。

 ところがですよ。

 最近ではなんとそのCDの発売数が急速に減ってて、逆にレコードが復権して売り上げを伸ばしてるらしい。中古盤ではなく、新作のレコードですよ。アメリカではなんと昨年、レコードのリリースがCDのそれを上回り、わが国でも多くのメジャーなミュージシャンが新曲をCDではなくレコードで発表するケースがあるとか。なんということか。その昔レコードを一気に駆逐しミュージック市場の天下を取ったCDが、今再び繰り返される歴史の中で逆にその役割を終えようとしているのです。

 CDが作られなくなったのは、言うまでもなく新曲の販売形態においてネット経由のダウンロード販売が主流となったからです。

 ダウン購入はとにかく簡単手軽、いつでもどこでも買えます。わざわざお店に行く必要がない。真夜中でも山の上にいても、欲しくなったらその場ですぐに手に入る。売り切れる心配がないから予約なんかいらない。パッケージのビニールを剥がしてプレーヤーにセットしてなんて手間もいらない。デジタルデータなんで、スマホに転送するのもすこぶる簡単。amazonが街の本屋さんを蹴散らしてるのと同じ理屈です。

 さらに、ネット上の音楽関連サイトの充実があります。新譜以外の曲なら自分ちで聴きたいとき、わざわざCDをセットしなくても、YouTubeに行けばたいがいの曲は映像つきで揃ってます。わたしなんか部屋で聴いてる曲はポップスよりクラシックの方が圧倒的に多いので、この先よほどマニアックな作品でない限りCDを買うことはもはやないでしょう。

 強いてCDの優位性を考えてみるに、コレクションとしての形があるということか。例えば本を買う場合も、いまやKindleなど電子書籍が普及してますが、やっぱり本は紙のかたちで手元に置いとかないとダメという層がまちがいなくいます。かくいう私もどっちかっつーとそっちです。同様に、棚にズラッとCD並べることまでを含めてミュージックライフと考える人にとってはやはりダウンロードよりCDということになります。しかし、昨今の住宅事情もありとにかく聴ければ良いという買い方の場合は、無尽蔵にパソコンに取り込めて場所を取らないダウンロード販売一択。そう考える人が増えてきたということでしょう。

 それでは、CDのリリースが減ったのに、CDより明らかに場所を取るレコードの発売が増えてきたのはなぜか。

 まず、ジャケットが大きい分それ自体がいわば美術品的価値があるようです。12cm四方のCDジャケットより存在感があって眺めてて楽しい。そして、歴史が古い分中古盤はコレクターズ・アイテムとして市場が確立してます。プレミア価値がある希少盤は、圧倒的にCDよりレコードの方が多い。

 そして、扱いに際して手間がかかることがかえって魅力になるということも言えます。ジャケットから出してホコリをふき取ってターンテーブルに載せて針を下ろして...音を出すまでの一連の作業の緊張感が音が出た瞬間の満足感を高めるわけです。この辺になるとわれわれ気楽にミュージックを楽しむ層ではなく、いわゆるオーディオマニアの領域か。

 さらに、CDは劣化してダメになるけど、レコードはもともとアナログの時代のガジェットなんで丁寧に扱えば極めて長期間その性能を保てるらしい。確かに、初期の頃の自分で焼いたデータCDの中には経年劣化で読み込めなくなってんのがあります。デジタル化したから安心と思ってたら、事態はむしろ逆やったのです。音楽CDも同じで、さすがに製品の音楽CDはデータが消えたなんて話は聞かないけれど、CDケース内の劣化したスポンジがこびりついてダメになったなんて事故はありがちです。

 今やハイレゾとかいう超絶クリアな最先端の配信技術が提供されてるけど、バカ耳なわたしはCDで充分、と以前に書きました。レコードの復活、復権の話を聞くと、オーディオ趣味というのは単にいい音を求めるだけではなくて、なんとも奥が深いもんやと改めて思います。こだわる人はこだわればよろしい。わたしは立ち入らないことといたします。

諸行無常の響き

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 なんと、今年ももう師走に突入です。これから毎週、忘年会と称する何らかの飲み会が行列を成してやってきます。コロナ期間中は肝臓も休養できてたのに、元の木阿弥というところ。コロナに加えてインフルエンザも流行しているとかで、幾多の宴席に挑むのに備えて昨日インフルのワクチン打ってきました。

 今日もいいお天気ですが寒い。すでに木枯らしが吹き、秋はその北風に乗ってどこかに行ってしまいました。冬の到来です。今年は夏が異常に暑かったしその暑さが遅くまでずうっと続いてその分秋が短くて、キンモクセイの香りもあっという間に消えてしまいました。

 恐ろしいのは、こんな夏の暑さがひょっとすると今年に限ったことではないかもということです。異常気象がもはや異常でなくなり、地球さんはこれから平均気温のキャリアハイを毎年更新し続けるのではないでしょうか。地球温暖化、日本の亜熱帯化待った無しになったのではないかと。美しい日本の秋よ永遠にと希う、初冬の朝です。

20231125_053317934_iOS.jpg さてそんな中、そうだ京都へ行こう、というわけで先々週の土曜日、久しぶりに出かけました。定期的に集まっている高校時代の仲間の集いです。夥しい外国人観光客が押し寄せた壮絶な混雑を覚悟して出立したところ、四条通は想像したほどには混んでいませんでした。この時期、やはり観光客の目当ては紅葉です。きっとインバウンドは嵐山方面へと向かい、祇園八坂界隈は穴場やったようです。

 主要産業で競争力の減退が甚だしい日本において観光産業の隆盛は喜ばしいことなんやろけど、奈良・京都をはじめ日本各地の美しい都市が、オーバーツーリズムの餌食となってイタリアのベニスのような運命を辿らなければと思います。

 京都コンシェルジュの異名をとるいつもの仲間の案内で今回は、祇園からほど近い丸山公園隣接長楽寺を見学し、その後公園内の料亭で懇親会という段取りです。

 長楽寺さんは、かの建礼門院ゆかりの古刹です。一行はちょっとした団体のテイなんで、住職さんが特別に見学のガイドをしてくれました。 

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 延歴24年(西暦805)桓武天皇の勅命により伝教大師(最澄)を開基とし延暦寺の別院として創建。その後室町時代に一遍上人の時宗に改まったんやとか。宗旨替えなんてそんな簡単にできるんかとも思います。カソリックからプロテスタントに変わるよなもんでしょ。まあ、吉野山の吉水神社みたいにもともとお寺やったのが神社に変わることもあるんやから、同じ宗教どうしなら有りか。

 建礼門院徳子といえば「平氏以外はひとでなし」と栄華を極めたのちマラリヤと思しき熱病に罹って死んだ平清盛の娘です。安徳天皇の生母としてオヤジ同様に権勢をふるったのち、平家が壇ノ浦で滅亡した際に死にそこなって京都に戻ってきました。その後大原の寂光院で生涯御仏に仕えたというイメージが強い人ですが、先にここ長楽寺でまず出家したんですと。知らなんだ。 
 ご住職、境内の鐘も突かせてくれました。ホントは1発だけのところ「わたしもー」とうわがままが出てきて団体向け出血サービスで2人目も許されました。ゴ~ン...大晦日のNHKで中継されたこともるとかで、なるほどいい音ですわ。余韻が長ーく残るこれぞ諸行無常の響きか。知らんけど。

 ちなみに平家物語の冒頭「祇園精舎の鐘の声」って、祇園っいうから何となくどっか京都のお寺の梵鐘のことと思ってたけど、調べてみるとそうではなくどうやらインドの話らしい。これも知らなんだわー。

 長楽寺はもともと円山公園一帯を含む大っきな境内のお寺やったのがどんどん縮小して今日に至ると。わがふるさと奈良でも、東大寺や興福寺は今でも超広大な非課税の敷地で事業展開していますが、元興寺や飛鳥寺んかはその昔創建当時は広ーい領地を占めてたのに今ではしょぼーいお寺に縮小してしまいました。似てます。時代を経ていく中で、時の権力者の都合その他いろいろと大人の事情があったものと思われます。お寺の隆盛衰退に際しても盛者必衰のことわりは世の常なのです。

image_xlarge (6).jpg んなこんなで長楽寺をあとにした一行はメインイベントの懇親会へと向かいます。丸山公園内にある料亭「左阿彌」さんペリーが来た頃に創業したと言われても、その程度の老舗では京都では大きな顔はできません。「ふーん」という感じですわ。時代が下るとこのお店は川端康成や志賀直哉の小説にも出てくると女将さんから説明がありました。

 席は例によって芸舞妓さんたちの登場で盛り上がりました。わたし京都でのお座敷はほかでも年に数回はお邪魔します。しかし、今回の仲間のコンシェルジュは祇園甲部の置屋「亻(にんべん)」さんの古くからの太客で顔が効くのです。ありがたい話です。もし彼がいなかったら仲間一同はここまで京文化の神髄に触れることも無かったのです。感謝、感謝。

 この穏かな京都見学の集いが今後も続いていくことを願ってやみません

ヘタクソお断り

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 いいお天気が続きます。昨日、久しぶりに京都にでかけました。定期的に誘ってもらう高校時代の仲間の集いです。壮絶な混雑を覚悟して行ったのですが、そうでもなかった。その様子は次回また記すとして、今日はゴルフに関する裁判のお話。

 ゴルフは好きです。ヘタやけど好きなんで、誘われるといつもホイホイ連れてってもらいます。

 適度な運動になるし、ストレス解消にもってこいです。これでもう少し上手になればもっと楽しみも増えるのですが、如何せんズボラで練習はほとんどしないので上達するはずがないのです。でも、まあヘタなりに楽しんでます。

 わたしとゴルフはその程度の付き合いなので、どこかのゴルフクラブのメンバーさんになろうなんてことはこっから先も考えたことがありません。あと数年で現職もリタイヤなんで、ステイタスとしての会員権もいまさら必要ないのです。

 そんなゴルフクラブへの入会に関して最近、ある高裁の判決がありました。

 岐阜県のあるクラブで、ひとりの入会希望者が帰化した元韓国人であったことを理由に入会を拒否されたのは憲法14条が定める法の下の平等に反するとして損害賠償の訴えを起こした事案です。クラブの負け。

 このゴルフクラブは裁判で、外国籍(元外国籍含む)の入会を制限する理由について「生活様式などが日本人と異なり、設立当初の雰囲気が変わる」なんて言ったらしい。翻訳すると「外国人はとにかくうるさくて空気読めなくて、周囲に気を使わず迷惑かけることが多いから予めひっくるめて排除してるんです」ということのようです。これはもうね、ダメだわ。golf_jou_man.png

 ちょっと聞くとなるほど当然の判決と感じますが、調べてみるとゴルフクラブの入会に関する裁判例はいくつもあって、必ずしもゴルフ場側が負けてるわけでもありません。なんと今回の件も一審の地裁ではゴルフ場が勝ってて、入会拒否を認めてるのです。

 一審では「クラブは私的で閉鎖的、入会の可否は理事会に委ねられており、原告の被る不利益は社会的に許容出来る限界を超えるものでは無い」としました。

 これがゴルフクラブではなくてもっと公的でオープンな組織、たとえばいろんな学校への入学や、商業・ネットサービスの会員、エンタメやスポーツのファンクラブその他社会に存在するたくさんの「入会」において「外国人はダメ」なんて規約は認められません。もしそんなことがあったら大変な騒ぎになり、外国人を差別したそんな組織は炎上して社会的に葬り去られることでしょう。

 しかるに、なぜゴルフクラブの場合だけ「まあ、外国人お断りとするのも一理ある」と判断されうるのか。つまりは「閉鎖的」やからです。

 たとえば近所に阪神ファンだけの将棋クラブがあったとしても、入会できない巨人ファンが「憲法違反!」と訴えることはまあないでしょう。あったとしても「入れてやりなさい」と判決が出ることはありません。社会のごくいち部分やからです。その組織が社会に対してどれだけオープンで不特定多数を相手にしているかが判断基準になります。あくまで私的で限られた人だけをメンバーとした団体なれば、その会員資格に外からケチをつけるのは逆に憲法で保障された結社の自由に反するという理屈です。

 今回の高裁は、ゴルフクラブは私的な団体ではなく社会一般の規範が適用される公的な組織と判断したわけです。だから差別的な入会要件は認められないと。妥当な判断です。ゴルフクラブ入会資格には他にも「女性は不可」なんてのもあって、過去に訴訟になってクラブが負けてます。

 思うに、そもそも「外国人お断り」の規則そのものが今の時代ではダメなんです。不合理・不適正な差別です。これは閉鎖的であろうがオープンであろうが関係ありません。合理的な理由がある場合を除いて、一律に外国人を排斥したり性別を要件にしたりなんてことはやっちゃいけません。 今でも、名門と言われてるところを含め外国人の入会を認めないゴルフクラブがあるらしいけど、これらは今後是正されていくものと思われます。

 それより「ゴルフ場のステイタスと会員の技術水準を維持するため、ヘタクソは入会お断り」なんてことが起こるかも知れません。そうなったら私は未来永劫会員にはなれません。まあ、なりたくもないからどうでもいいけど。

愛知県さあ...

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 今日もいいお天気です。先週気になったニュースから。

 神田憲次という衆院議員が、9月に岸田改造内閣で財務副大臣に抜擢されてたんやけど、この男、経営する会社が固定資産税など多額の税金を滞納しており、また個人としても自動車税などを友人に建て替えてもらって踏み倒してたりと、信じられない行状を続けていることが、例によって文春砲で明らかになりました。

 さらに、食いついたら離さない文春砲、こいつに関して国会での虚偽答弁や政治資金収支報告書への虚偽記載など、二の矢三の矢を放ったところ、とうとう財務副大臣をクビになりました。今、ここ。

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 なんと、本業は税理士なんやそうです。にもかかわらずとにかく金にルーズな実態が次々に露見しました。こんな奴に税金の使い道を決める国会議員が務まるわけがありません。てか、副大臣なんてほんとに名前、看板だけで仕事の実態なんてまったくないということがいっそう明らかになりました。名刺の肩書を増やすだけの制度です。

 不祥事で議員がなんらかの職を更迭されると、野党が「総理の任命責任を問う」というところまでがセットになってます。繰り返される不毛なやり取りにいつもはうんざりするのですが、今回に関しては野党に共感します。岸田さん、なんだってまたこんなやつを副大臣にしたの。あんた、ほんとにバカなの?

 このあとは、野党、マスコミからの本人に対する議員辞職請求が来るわけですが、これはなかなかハードルが高い。自分が「辞めます」と言わない限り強制的にクビになる可能性はほぼありません。不祥事をしでかしても開き直って議員に居座ることは、どんなに罵詈雑言を浴びて生き恥を晒そうが、その屈辱を凌駕して余りあるメリットがあるのです。そもそも議員にでもなってやろうかと出てくる程度の野心と欲望を持ち合わせた連中なので、そんくらいはもとより覚悟の上です。議員はやめないでしょう。

 税金の滞納、嵩じれば脱税です。これは重罪です。

 例えば、危険運転で重大な事故を起こした加害者に対して「ひどいやつ」と指弾する我々にしても、クルマを運転するとき幹線道路ではほぼ法定速度を超過してるし、一旦停止をうっかりすることもたまにはあります。キリストが「罪を犯したことのない者だけが石を投げなさい」と言ったら誰もいなくなったように、「免許取得してから今まで全く交通違反したことない人だけ怒ってもいい」と言われたら、みんな黙らざるを得ません。aichi.png

 しかし、脱税は違います。わたしは生まれて以来今までに、給与以外の所得を得たことがありません。従って法律で決められた税金は1円たりとも滞納したことは無いと胸を張って言えます。脱税する悪人に対しては思いっきり罵倒する権利と資格を有しているのです。この神田とかいう代議士、これまで得た歳費をすべて返還した上で議員辞職せよ。地獄の業火で焼き尽くされてしまえと言いたい。

 愛知7区といえば、かのガソリーヌ山尾志桜里を国会に送った恥さらし選挙区ですが、このおっさんも愛知5区選出といいますから、愛知県はなんともキャラの立った代議士を輩出してくれます。そういえば、ドロドロの不倫騒動と公費の不正使用その他幾多の不祥事を積み重ね、結局国会から放逐されたガソリーヌ今どうしてるんかななんて、不良議員が現れるたびに懐かしく思いだす、今日この頃です。

修行苦節三八年

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 やってくれました。阪神タイガース38年ぶりの日本一達成です。おめでとー!

 今朝からコロナワクチンの接種に行ってきました。6回目。明日にかけて発熱で寝込むことが予想されますので、元気なうちにと土曜のこんな時間にブログを更新します。

 さて、さて、嬉しくてしかたがない。優勝翌日は普段買うことなんてないスポーツ新聞5紙セットを買い込み、伝手を頼って号外も確保し、先週は紅白饅頭を大量に調達し感謝を込めて職場で配ってまわりましたよ。来年も阪神タイガースをよろしくお願いしますって。

 20231108_064554086_iOS.jpg今回の日本シリーズ、第6戦でオリックスが誇る日本球界№1投手の山本由伸に牛耳られたときは、「あ、終わった」と思いました。これで最終第7戦で本拠地の利を活かしたオリックスがさくっと勝つ、というのが現実的なシナリオやなと。弱気と言うなかれ。真正タイガースファンの多くは心の底でそう思っていたはずなのです。

 なんせ38年はあまりにも長い。前回の日本一達成を知らない若いファンにとっては38年が100年でもなんら関係ないでしょうけど、われわれOLDファンは前回をこの目で見てるのです。そのときの大阪の雰囲気を実際にこの身に感じ、脳裏に染みついているのです。それからずっと長い間待たされてきたのです。長い。あまりにも長かった。その後2回のリーグ優勝を果たし、2位からCSを勝ち上がっての日本シリーズ出場なんてのもありました。しかし、シリーズでは3回ともパリーグの覇者の前に敗れ去ったのでありました。

 そして、今ここにその宿願が結実いたしました。本当に嬉しい。

 短期決戦の恐ろしさを如実に感じたシリーズでした。岡田監督はインタビューで「最後はうちのいい流れになった」と話ましたが、そのとおりやと思います。タイガースとバファローズ、実力伯仲でどっちが勝ってもおかしくなかった。最終戦は、たまたま序盤にノイジー選手に値千金のスリーランが飛び出したことで、タイガースが流れを掴んだのです。20231110_095440586_iOS.jpg

 長いシーズン中には楽勝のゲームもあるし、逆にまったく打てないボロ負けの展開もあります。プロの試合で「今日は間違いなくこっちが勝つ」なんてことはあり得ません。やってみないと分からない。それがたまたまシリーズの最終戦、雌雄を決する試合がタイガース楽勝の順番やったと。そういう見方もできるのです。

 その差配を行う存在をして人類は「野球の神様」と呼びます。死力を尽くして戦う選手たちに甲乙つけることはできません。ヤボです。最後は神の審判に従うしかないのです。

 タイガース、今回神が味方になりました。これは岡田監督とタイガースナインはもとより、全国6千万人のタイガースファンが日々精進し人事を尽くしてきた結果のご褒美と言えるでしょう。38年の修行に堪えてきたとも言えます。

 ちょっと前に書いたとおり、前回日本一となった1985年は私が社会人デビューした年で、ハレー彗星が地球に還ってきた年でした。ハレー君は76年周期で太陽に接近します。ということは、彼は今年ちょうど折り返し点を過ぎたところで、これからはどんどん地球に向かって近づいてくることになります。

 巷では「タイガースの時代がきた」「連覇の可能性高し」なんて声が聞こえてます。ぜひ、そうあって欲しい。「ハレーの法則で、次の日本一はまた38年後な。」なんてことにならないように切に希いながら、しばらくは快挙の余韻に浸りたいと思います。

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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