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MESSIAH降臨

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 昨日はひさびさのゴルフ、仕事でいつも指導をいただいている先達お二人とのラウンドで、プレーはもとよりいろいろと有意義かつ有益なお話を縷々伺うことができ、じつに楽しい一日でした。

 さて、先週のこと、懇意にしている芸術大学の方から定期演奏会の招待券をいただき出かけてきました。演目はなんとヘンデルの「メサイア」です。MESSIAH.jpg

 キリストの偉業を讃えるオラトリオ形式の宗教曲なので、クリスマス近い年末に演奏されることが多い曲です。とはいうものの日本の年末は何といっても第九なんで、なかなか機会がなかったところ、今回久しぶりに聴く機会を得たのです。全曲通しとなるとたっぷり2時間半はかかるんで、演奏会ではたいがい省略されます。この日も省略というよりも「ダイジェスト版」で、ハレルヤコーラスなど出色の有名な部分を集めた短い構成でした。

 実はわたし、学生時代に合唱団で歌ったことがあるので、個人的に思い入れが強い曲です。特にハレルヤなんて40年近く経った今でも多分、譜面なしで歌えますよ。

 この日の演奏、出来栄えはまあ、学生さんの発表会ということなんでこんなもんでしょねというところでした。

 合唱団がとにかく大編成です。ひとりふたり...と数えてみると120人以上はいます。大音響大迫力の演奏です。これは、ちょっとイメージと違う。第九の演奏なら力技の迫力で魅せるところもあるでしょけど、メサイアは違いますよ。多くても50人くらいで迫力よりも繊細なハーモニーと表現力で勝負してほしかった。まあ、しっかり練習した成果を見せたいのはみなさん同じということを思うと「とにかく全員登壇」もやむなしか。

 それよりも気になったこと、合唱団みんな譜面を持って歌ってる。暗譜できてないんです。はばかりながら、学業にアルバイトにといろいろ多忙な学生時代の課外活動で練習したわたしでもしっかり全曲覚えましたよ。ましてや音楽専攻の諸君が歌うのはいわば本業やないですか。ダイジェスト版の短い暗譜すらできないとは、昨今の学生諸君、所詮はこんなもんかと少しがっかり。さらになんとこの合唱団、自分が歌っていないときは椅子に座ってます。わずか1時間ちょっとの間くらい立ってられないのかと。つい自分のことと比べてしまうけど、かつて第九歌ったときでも第1楽章から最後までずっと立ってましたよ。老人たちの市民合唱団ならまだしも、人生で一番体力がある世代に、これはちょっと情けない。

 あと、昔はメサイヤの演奏会では、かの「ハレルヤコーラス」は聴衆も全員立ち上がって聴いたもんですが、この日はその時になって客席見渡しても立ってる人なんて誰ひとりいません。こんな中でわたしひとり立ち上がる勇気はなく、そんなことしたら逆に大顰蹙となるでしょう。これもなんとなく寂しく思いましたよ。

 とはいうものの、ひさびさのメサイア。聴いてると懐かしさがこみあげてきました。口パクで、もちろん声出さずに歌ってると隣で聴いてたうちの奥さんが「一緒に歌いだすんやないかとヒヤヒヤした」と。そんな迷惑なことしませんって。

大きなVHS

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 3連休というのに台風接近でお天気がもひとつです。どうも近年、台風の上陸が多くないですか。それも昔より生きのいいのんが直撃して想定外の被害が生じるケースが増えているような気がします。

 さて、家が狭いため、増殖していく書籍やディスクメディアの保管がなかなかに大変なのです。かつて文庫本約600冊、段ボール9箱分をいっきに処分(寄贈)したことを書きましたが、それ以降も増え続け、今でもおそらく数百冊はあると思います。多分もう二度と読むことがなく、財産的な価値もないこれらの多くの本はおそらく、雑誌同様に読み終わったら直ちに捨ててしまうのが理想的なつきあい方なんでしょう。しかし、いつも言うように物に対する思い入れが強い性格の私は、なかなかそんなわけにはいきません。

 反対にあまりモノに執着しないうちの奥さんにとっては、増え続ける情報媒体はゴミにしか見えません。「捨てろ、捨てろ」圧力を日々ひしひしと感じていた、ある日のこと。

 クローゼットの奥にひっそりと隠されてた、段ボール箱4つを見つけて引っ張り出し、中身を現認した奥さんの顔がみるみる怒りに満ちていきます。

 「なんとかしろ」とのご下命があり、大量の録音・録画済のVHSビデオテープとオーディオカセットテープを処分することとなりました。

20190915_060847498_iOS.jpg もちろん大事な記録は別途保管してあります。ソニーのハンディカムで撮影した8ミリビデオや、友人から譲り受けたホームビデオのコピー、さらに学生時代の自分の歌声のカセットテープなどなど。こんなのは捨てられません。CD、DVDメディアにダビングしたあとも、オリジナルとして保存していきます。

 今回処分の対象となったのは、Blu-rayやDVDもなかった昔、TV放送を録画した映画やドラマなどで、いまやその気になればどのコンテンツもBlu-rayやyoutubeでクリアな再生が楽しめます。つまりこれら初期の保存手段であるテープは、とっといてもほとんど意味がないわけです。しいて価値を見出すなら、こんな貧弱な手段でもって映画や音楽を楽しんでいた当時を懐かしむ思い出の品、ということになりますが、たださえ狭い我が家の収納の一角を将来に渡って占有するだけの合理的な理由には到底なりえません。「そんなもん、とっといてどうすんのよ」という奥様のご託宣には耳が痛い。そのとおりなんです。しかし、とって置くことで安心、心の安らぎが得られるのもまた事実なのです。厳しいなあ。

 中にはお宝的な映像や音声があるかもと思って丁寧にチェックしたところ、特に見当たりません。今回ひのめを見たテープは、先の文庫本同様にこれから先、もう二度と再生することはないであろう、捨てても問題ないものばかりです。したがって思い切ることができました。断捨離下手な私としてはなかなか立派なもんであります。

 しかし、今更ながらですが大量にあります。しかもVHSテープはサイズが大きい。ホームビデオの黎明期、伝説となったβ(ベータ)陣営との熾烈な戦争に勝利をおさめたVHS規格ではありますが、なにせ大きくて嵩張り、いずこも狭い日本の家屋にはかなりの負担となってきたと思われます。小さなベータは、なんで負けたんやろか。レンタル店で借りた、かの「タイタニック」は長すぎて上下2本組やったのを思い出します。今、我が家に存在する映像、音声の電子データを仮にVHSテープとカセットテープに換算すると、おそらくは家の中のすべての空間を満たしてしまいます。IT技術の進歩は映像、音声の質の向上はもちろん、保管・収納の点でも格段の功績を上げたと評価すべきでしょう。

 捨てると決まったビデオテープ、カセットテープあわせて500本以上あります。市のHP調べてみると、一度に大量でなければ、普通に燃えるゴミとして出すことができます。少~しずつ、気長に捨てていくことといたしましょう。

マジャル人のオーケストラ

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 なんだか暑い日が続いてます。北海道で5月に猛暑日は史上初なんやとか。地球がおかしい。

 そんな北海道、北方四島交流事業でビザなし訪問に同行した丸山穂高という衆議院議員が暴言を吐いて所属政党の日本維新の会を除名されて、その後他にもいろいろ不適切な言動がワラワラと出てきて、こりゃダメだってことで衆議院で議員辞職勧告決議が提出されました。

 もちろんこの手のバカの常として素直に「辞めます」なんてことにはならず「言論の自由を奪うのか」なんて間の抜けたコメント吐いたあげく、仮病で国会欠席と。こいつを除去するためだけに衆議院解散も大義があるってもんです。

Hungary.jpg 言論の自由とは、どんな言説を述べ立ててもそれは自由ですよってことで、言った内容について責任を問われないということではありません。こいつの場合「北方領土は戦争で取り返そう」と主張したわけで、言うのは勝手やけど、日本国憲法の精神を蔑ろにする考え方の持ち主は少なくとも国民の代表である国会議員にはおよそ相応しくありません。速やかに辞職するべきです。

 どうも、以前の上西小百合のときといいこのバカといい、議員になるべきでない人物が何かの間違いでなってしもた場合には、すぐにでもクビにできる仕組みがやっぱり必要やと思います。実は国会法にいちおう「除名」の仕組みはあるけど、これは院内での狼藉行為に対する懲戒処分なので、国会の外で何やろうが強制的にクビにすることはできません。このあたりは以前にも書きました。選挙民が選んだ選良を国会議員の権能で排除することは民主主義の仕組みとして問題があるのです。しかし、こいつら見てると、やっぱりなんとかならないもんかなあと思ってしまいます。たとえば選挙区だけで信任の住民投票やるとか。

 さて、先週相変わらずの気忙しさの中、息抜きにひとりでコンサートに出かけました。小林研一郎指揮、ハンガリー・ブダペスト交響楽団。実はあまり期待していなかったのですが、これがなんとうれしい誤算、実に素晴らしいコンサートでした。20190526_004243272_iOS.jpg

 ハンガリーといえばマジャル人の国、ハンガリーは外名(日本のことをジャパンというのとおなじ)でホントの名前はマジャロルサーグというそうです。東欧で豊かな文化を育んできた美しい国です。漢字やと洪牙利と書きます。変なの。ちなみにブダペストは布太伯息です。いったい誰が決めたのか。正式な国旗は縦横1:2やそうです。長がっ。

 第二次大戦では枢軸国に与し、戦後の冷戦時代は共産圏に組み込まれソ連の衛星国家としてぢっとがまんの歴史でした。1950年代に有名なハンガリー動乱で民主化の嚆矢となるかと思いきやソ連の介入によってあえなく鎮圧され、民主化の成就はペレストロイカを待たねばなりませんでした。そして1989年に起こった民主化運動でオーストリアとの国境が開放されたことで東ドイツ市民がハンガリーに殺到、現代の民族大移動「汎ヨーロッパ・ピクニック」が実現し、冷戦終結の大きな引き金となったのでした。つまりハンガリーは冷戦を終結させた国ともいえます。そんな国のオーケストラの日本ツアーです。

 演目はチャイコフスキーの交響曲第5番とハンガリー舞曲その他。ポピュラーなセットリストです。指揮の小林研一郎氏の情熱的なパフォーマンスとよく符合してて、素晴らしく完成された演奏やと思いました。特にブラームスのハンガリー舞曲は文句なしに世界中で一番の演奏です。そうでないとおかしい。アンコールで演奏したいちばんポピュラーなハンガリー舞曲第5番は小林マエストロが演奏前に「ちょっと皆さんが知ってるのと違いまっせ」と説明されたとおり、強弱、抑揚、テンポの変化が強調されてて、これはおそらく原曲オリジナルに近い形を再現したのではないでしょうか。

 メインの交響曲が終わるやいなや万来の拍手と歓声につつまれ、そこここでスタンディング・オベィション。確かに素晴らしい演奏でした。聴衆この凄まじいの反応、ものすごい盛り上がりも納得です。今年一番の収穫、行ってよかった。人生には、このような予期せぬ幸せがそこここに落ちてるものなのです。ドナウの真珠と称えられるブダペスト、いちど行ってみたくなりました。

薬師寺の妖怪

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 日本の歴史始まって以来の大型連休もいよいよあと二日。いつもそうですが、終わってみればあっという間です。仕事始め即フル回転するためにそろそろリハビリを始めましょうか。といいつつ今日は連休最後のイベントとして甲子園球場に観戦に出かけます。

20190428_110600867_iOS.jpg さて、令和がスタートしました。日本中が改元に熱狂し久しぶりに盛り上がった感があります。改元と連休の経済効果は7000億円とも2兆円以上ともいわれてます。影響が広すぎてすぐにデータが集められないそうです。歴史的な出来事であったことが分かります。昨日行われた皇居での御即位一般参賀は14万人以上という壮絶な数の人がつめかけ早々に入場が打ち切られたとか。国民こぞっての祝意がいかに大きく広がっているかということです。

 そんな中わたしはというと、平成時代もあと3日と押し迫った時代末、奈良の薬師寺で行われた西本智実と玉置浩二のコラボコンサートに出かけました。薬師寺は何度も訪れてる馴染みのお寺です。といってもつらつら思い出すに、前回来たのは奈良検定のついでに訪れたときですからもう5・6年も前になります。私が高校生の頃金堂が再建され、大学生の頃西塔が再建され国宝東塔に並び立ちました。その後も伽藍の整備が進み、現在では白鳳時代を代表する世界遺産の大寺院として君臨しています。そして最も最近平成15年に再建された大講堂の前で、今回のコンサートは行われました。

 調べてみるとここ大講堂前ではこれまでにも徳永英明、堂本剛、小林幸子、甲斐バンドなど多くのライブが行われてるらしい。どうやら奈良県下の数少ない野外ライブ会場としての利用が定着しつつあるみたいです。お寺の多角経営、大いに結構。20190504_072839042_iOS.jpg

 コンサートは大編成のオーケストラと総勢200人以上の大合唱団で、おなじみのヴェルディの「アイーダの凱旋行進曲」でド派手に始まりました。「カヴァレリア・ルスティカーナ 間奏曲」「韃靼人の踊り」などポピュラーな名曲が続きます。屋外の、それも薬師寺の仏様がおわすお堂の前という異空間的なシチュエイションの効果は絶大で、聞きなれた曲がいっそう荘厳に響き渡り心に沁みていきます。

 オーケストラの演奏ののち現れた玉置浩二の白髪とド派手衣装のいでたちはさながらお堂から出現した妖怪といった風情です。はじめのうちは知らない歌ばっかでしたが、盛り上がるにつれて「ワインレッドの心」「夏の終わりのハーモニー」「田園」などのヒット曲が聴けました。とくに田園の伴奏の編曲でベートーベンのシンフォニー「田園」が入ってたのはなるほどうまい演出やと思いました。

 玉置浩二は歌が上手い。日本のアーティストの中でも、歌唱力という点では井上陽水と双璧と言っていいでしょう。一流のオーケストラをバックにしても負けることなくしっかりと聴かせてくれます。しかし、最後にマイク使わないずにやった歌唱はもひとつでしたな。オペラ歌手とはちゃうねんからそれはムリやろって。

 わたし、別に玉置のファンというわけではなくて、今回も西本智実指揮のオーケストラの演奏と薬師寺でのライブという凝った演出目当てで出かけたわけです。期待通りでなかなかに楽しめた満足の夜でした。

とっととネロ

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 本格的に秋がきて、先週は今年初めて金木犀の香りに気が付きました。運動会の香りです。しかしさっこんは春の梅雨入り前に運動会やっちゃう学校もあるとかで、季節感も世につれ変化していくわけです。

 さて、今日は「魔王」のこと書きます。といってもプレミアム焼酎ではなくて、シューベルトの歌曲のお話です。常翔学園梅田キャンパスでは毎月1回、ロビーコンサートが行われます。クラシックのピアノ、声楽、器楽曲、また邦楽(琴、尺八とか)からジャズまで幅広いジャンルの音楽を入場無料で気軽に楽しめるありがたいイベントです。毎月第2土曜日の正午が定例ですが「始まってちょうど1年おめでとー」ということで今月は2回あり、1回目昨日行ってきました。

maoh.jpg で、出演のバリトン歌手の田中勉さん独唱で、かの「魔王」を聴いたというわけです。

 音楽の教科書に載ってる、文部科学省推奨の傑作歌曲です。つらつら考えてみるにわたしはこの曲のレコード、CDを持ってないんで聴く機会がついぞ無く、実に久しぶりに聴いたとになります。

 ドイツの文豪かのゲーテの詩にシューベルトが作曲したこの曲にはストーリーがあって、登場人物は4人。ナレーション担当、お父さん、坊や、そして魔王です。お父さんが病気に侵されて発熱した坊やを馬に乗せて走っているという状況です。病気のこどもを連れ出すわけですから、おそらくはお医者さんとこに行くのでしょう。熱に浮かされた坊やが、魔王が「こっちにこい」と言ってるよ、怖いよお、とお父さんに助けを求めても、お父さんは「あれは樹が風に揺れてる音やで」と諌めるわけですよ。

 同じ具合に何度か魔王が誘い、坊やが泣いて、お父さんが宥める、を繰り返すうちに、とうとう坊やは魔王に連れて行かれた、つまりは死んじゃった、というバッドエンドのお話です。

 普通の童謡や童話ならば、魔王が正義の味方(おそらくは神様)にとっちめられて退散し、やっぱり最後に愛は勝つ。心~配ないからね、というのが通り相場であるところ、あっさり死んじゃうなんて、これはおよそありえない展開です。お話ではこどもを死なせちゃいけないのが鉄則です。救いがない。往年の傑作アニメ「フランダースの犬」で最後、ネロとパトラッシュが死んでしまう展開が欧米では顰蹙をかい、ハッピーエンドに改ざんされたとか。まあ、ありそう。

 魔王では、世の中ハッピーエンドばかりではないということ、病気(=魔王)は怖い、気を付けよう、というような含みがあったんやろと思います。歌曲としては高度なテクニックを要する名曲ですが、小学生が聴いたら下手するとトラウマになりかねません。

 ちなみにわが家では、夜が更けてリビングでこっくりこっくり船を漕いでいる奥さんに「ちゃんとベッドで寝なさい」と声をかけると必ず、「パトラッシュ、なんだかとっても眠いんだ...」と返してくるのがお約束になってます。

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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