朝からどんよりとした曇り空で雨の予報が出ています。今日は午後から今シーズン初めて聖地甲子園に出かけるので、なんとかもってほしいのです。いまいち調子が上がらないわがタイガース、対巨人の連勝ではずみをつけてほしいところです。
さて、バカな議員は関西発と決まってるわけでもないのでしょうに、西宮の号泣市議の記憶も薄れたころに今度はなんと代議士さんの登場です。比例区で滑り止め当選した女性議員ですが、国会会期中に飲み屋をハシゴしたあげく翌日の本会議をズル休みし、すぐにその翌日から恋人の男性秘書と旅行に出かけてたとか。それがバレたあと、当の秘書ともどもマスコミ対応にしくじって各方面から大バッシング。とうとう親分である維新の党、橋下徹共同代表の逆鱗に触れて党除名と。絵にかいたようなマヌケぶりです。いったん辞職して次また出直したら、と代表に諭されたそうですが、誰が考えてもこいつに次なんてない。あるはずがない。そんならせめて資格があるうちはまわりから何と罵倒されようが生き恥を晒していこうが、議員の厚遇は享受したいということで辞職はゼッタイしません、と。
ちょっとまってよって話ですよね。この女性議員は比例区で当選したんやから、その党を除名になったら当然失職すべきでしょうよ。この議員ではなくて党を支持して投票したのやから。
確かに不可解な制度に守られて、法令上は議員の職を奪われることはありません。しかし、自分が代議士でいられることに条理的な根拠がまったくないことを考えるべきです。数千万円の歳費、経費と引き換えに人として最低限の羞恥心を捨てるべきではないでしょ。そこは利害や打算を捨ててエモーショナル(感情に忠実に)であるべきですよ。
ところで、今日はこんなバカの行状をいまさらあげつらって追及しようというのではなく、注目すべきはこんなトウヘンボクでもいったん選挙に受かって議員になると任期中はそう簡単にはクビにはできないという、わが国の制度のことなんです。
同じような例で思い出すのは十数年前、社会民主党から比例区で立候補当選したタレントの田嶋陽子という女性問題活動家が、当選後に社民党離党しながら議員は辞めず、任期いっぱい歳費を持って行った、というのんがありました。わたしはその選挙で社民党に投票したので、よく覚えてます。大変に裏切られた思いがしたもんやから事務所に抗議を送信しましたが、案の定返事はありませんでした。議員というものは、当初は政治理念に燃えたとしても、いったんセンセイ職の美味しさに浸るととたんに本能に従順になってしまうのです。つまり、本人の良識に期待するのはムリなんです。では、強制的に辞めさせることができないのか。
たとえば知事や市区町村長はその地方の有権者の、原則として三分の一以上の署名があればリコール投票ができてそこで過半数が賛成すれば辞めさせることができます。首長がときどきクビ長と呼ばれるのは「市長」と紛らわしいからですが、有権者がクビにできるルールがあるからとも言えます。地方議会議員も同様です。三分の一以上の署名と過半数の賛成で解散できます。
ところがところが、なんと国会議員にはリコール制度がありません。地方議員やなんかと同じ理屈でやるとしたら、たとえば全国区の議員なら日本中の有権者の三分の一の署名がいると。こんなん到底無理やからということでそもそも制度がないということです。
いったん議員に受かったら、犯罪で捕まっても実刑判決でなければ議員を続けられます。会期中は逮捕すらされないという特権もあります。なぜか。どんな悪人でも多くの有権者に選ばれたという事実は重みがあり、選んだ人の国政に対する思いは尊重する必要がある、これぞ民主主義のあるべき姿である!ということらしい。逆に言えば、選んだ側は選んでおいてから「やっぱりこいつダメ」というのは許されない。選んだ以上は責任もって支持しなさいということのようです。しかしこれは前述のように現在の比例代表制という選挙制度では通用しません。そんなことみんな分かってるのに、センセイたちは自分のクビが怖いもんやから直そうとしない。
ゆいいつ「除名」という制度があります。議院の秩序を乱したりした不届きものは、本会議で出席議員の三分の二以上が賛成すれば除名処分となり議員の身分を失います(憲法第58条)。有権者ではなくて議員どおしで決めることになります。だから他のセンセイたちが「よおし、こいつ辞めさせたろ!」と一致団結すればやれないことはない。しかし、この制度で国会議員クビになったのは戦後わずか2人しかいないそうです。きっとお互いに自分のクビのことを考えると、そう軽軽に言い出せないということなんでしょね。やっぱり、ハードルは高い。
確かに選良の身分を強固に守ることは民主主義の基本です。しかし、今回の件のように、およそ国会に居るべきでない人物が間違って議員になっちゃうこともあるのです。いわば何等かの手違いによって生じた事故なんですから、それを是正する仕組みは必要やと思います。
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