とっととネロ

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 本格的に秋がきて、先週は今年初めて金木犀の香りに気が付きました。運動会の香りです。しかしさっこんは春の梅雨入り前に運動会やっちゃう学校もあるとかで、季節感も世につれ変化していくわけです。

 さて、今日は「魔王」のこと書きます。といってもプレミアム焼酎ではなくて、シューベルトの歌曲のお話です。常翔学園梅田キャンパスでは毎月1回、ロビーコンサートが行われます。クラシックのピアノ、声楽、器楽曲、また邦楽(琴、尺八とか)からジャズまで幅広いジャンルの音楽を入場無料で気軽に楽しめるありがたいイベントです。毎月第2土曜日の正午が定例ですが「始まってちょうど1年おめでとー」ということで今月は2回あり、1回目昨日行ってきました。

maoh.jpg で、出演のバリトン歌手の田中勉さん独唱で、かの「魔王」を聴いたというわけです。

 音楽の教科書に載ってる、文部科学省推奨の傑作歌曲です。つらつら考えてみるにわたしはこの曲のレコード、CDを持ってないんで聴く機会がついぞ無く、実に久しぶりに聴いたとになります。

 ドイツの文豪かのゲーテの詩にシューベルトが作曲したこの曲にはストーリーがあって、登場人物は4人。ナレーション担当、お父さん、坊や、そして魔王です。お父さんが病気に侵されて発熱した坊やを馬に乗せて走っているという状況です。病気のこどもを連れ出すわけですから、おそらくはお医者さんとこに行くのでしょう。熱に浮かされた坊やが、魔王が「こっちにこい」と言ってるよ、怖いよお、とお父さんに助けを求めても、お父さんは「あれは樹が風に揺れてる音やで」と諌めるわけですよ。

 同じ具合に何度か魔王が誘い、坊やが泣いて、お父さんが宥める、を繰り返すうちに、とうとう坊やは魔王に連れて行かれた、つまりは死んじゃった、というバッドエンドのお話です。

 普通の童謡や童話ならば、魔王が正義の味方(おそらくは神様)にとっちめられて退散し、やっぱり最後に愛は勝つ。心~配ないからね、というのが通り相場であるところ、あっさり死んじゃうなんて、これはおよそありえない展開です。お話ではこどもを死なせちゃいけないのが鉄則です。救いがない。往年の傑作アニメ「フランダースの犬」で最後、ネロとパトラッシュが死んでしまう展開が欧米では顰蹙をかい、ハッピーエンドに改ざんされたとか。まあ、ありそう。

 魔王では、世の中ハッピーエンドばかりではないということ、病気(=魔王)は怖い、気を付けよう、というような含みがあったんやろと思います。歌曲としては高度なテクニックを要する名曲ですが、小学生が聴いたら下手するとトラウマになりかねません。

 ちなみにわが家では、夜が更けてリビングでこっくりこっくり船を漕いでいる奥さんに「ちゃんとベッドで寝なさい」と声をかけると必ず、「パトラッシュ、なんだかとっても眠いんだ...」と返してくるのがお約束になってます。

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katsuhiko

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