次の日、スキポール空港から想い出多きオランダを後にして、ヘルシンキ空港に降り立った一行は、今回のミッション最後の訪問地、タンペレ市に向かいます。
フィンランドは森と湖の国、空港からの道中車窓の眺めは、やはり広い広い。意外なことにこの国の国土は日本よりもほんの少し狭い。しかし人口は20分の1。ゆとりがありますよ。
タンペレはフィンランド第2の都市。ここはなんといっても「ムーミン谷博物館」がある、ムーミンの故郷として世界中に有名な町です。子供の頃から孤高のスナフキン大ファンの私としては、なんとしてもこの博物館を訪れたいとの野望を抱いてフィンランド入りしたわけですが、いかんせん時間がない。高速道路を飛ばしてタンペレの町に入り、ホテルに到着したのが夕方6時。まさにムーミン谷閉館の時間。チェックインもそこそこに、「ちょっと出かけて来ます!」 「夕食がですね…」 「いらん!どっかで適当に食べるし。」
それどころではないわい。ホテルからは走ったら10分程度の距離だったので、かすかな、同時に空しい期待を抱いて博物館に着いたのが6時15分。夢はついえました あした月曜日は休館日です。てか、開いてたとしても、公務で時間はありません。入り口前にあったブロンズ像を心眼に刻み、泣く泣くホテルに戻ったような次第です。
入り口には、日本語標記。ホテルへの帰り道、近くの公園を歩いているとすれ違ったカップルに「KONICHIWA!」と声をかけられました。日本人観光客が多いのでしょう。ベルギーやオランダでは「?好(ニィハオ)」と話しかけられることが多かったのですが。
翌朝、タンペレの夜明け。ホテル前に建つ古い製紙工場が朝日に染まっています。緯度が高いので、明るくなり始めてから完全に夜が明けるまでがとっても長い。夕暮れもまた長い。春にはセイショウナゴンが喜びそうです。
この日の朝、いつものようにチェックアウト前のバゲージダウンの際、「よっこらしょ」とスーツケースを押しながら、うっかりキーカードを持たずに廊下に出てしまいました。「あ"~っ!」 ノブに飛びついたけど一瞬遅く、みごとにインロック
恥ずかしい思いをしました。着替えたあとでよかった。
さて、タンペレ大学での最後の予定を終えて、ついに帰国のときとなりました。
初めてのヨーロッパ出張10日間。出発前は遥かに長く感じた予定が終わってみればあっという間です。何事もそうですね。出発で台風にたたられ、ロンドンでは飛行機に缶詰にあい、最後のホテルではボ~っとして恥ずかしいヘマ、その他モロモロ、多くの小さなトラブルもみな想い出に変わります。
帰ると職場の机の上は壮絶な状態になっていることでしょう。宿題もタンマリ課せられてます。しかし楽しかった。仲間も増えた。本当にいい経験ができたと感謝しています。