今日から師走。1年の12分の1に過ぎないひと月ですが独特の焦燥感を感じ、今年やり残したことの多さに現実の厳しさを感じるのは毎年の恒例です。まあ、なんとかなるでしょ。
さて先々週末のこと、久しぶりに京都に行ってきました。

この日、勤労感謝の日の祝日は土曜日に重なり、日本国民は今年、休日を一日損した形になりました。振替休日の制度が始まったのが1973年で、それまでは日曜日と祝日が重なると悔しい思いをしたもんです。その頃は一年間の祝日の数は12日でしたが、いまや16日に増えました。しかも振替休日ありーの、週休二日もありーので、休日の数は相当増えてます。学校や会社の休みを増やすことでもっと余暇にお金を使えという国の策略です。1973年当時の標準的な労働時間数を今求める会社があれば、きっとブラック企業と糾弾されることでしょう。こうやって日本人がどんどんぐうたらになっていくにしたがって、国力がどんどん低下してきたわけです。この先、祝日が土曜日に当たった場合にも振替休日を、なんて話が出てくるんやないかと憂えてしまいます。
戦後復興を成し遂げたわたしらの親の世代は、夜を日に継いで働いて豊かな日本を創り上げてきました。それが、昭和が終わるあたりからどうもおかしくなってきた。近年のわが国の国際的プレゼンスの低下は新興国の台頭の影響とされてますが、それ以上に国民の「ぐうたら化」によるところが大きいとわたしは思ってます。
いきなり話が逸れてしもた。京都ですわ。
いつもの持つべきものは良い友達の計らいで、果敢にも大混雑が見込まれる祝日の祇園四条界隈へと出かけたわけですよ。毎回、由緒ある神社仏閣を巡り知見を広げたのちお食事という段取りですが、この日は建仁寺を拝観してから祇園の「椿」という初めてのお店で会食というメニューでした。
建仁寺は今年の夏にも夜間の特別拝観に招待されて訪れたので、図らずも短期間に再訪となりました。祇園界隈はやはりインバウンドの外国人観光客が多い。しかし、今年は紅葉が遅いからか、午前中で時間が早いこともあってか、想像していた満員電車なみの混雑というわけでもなくスムーズに境内まで到着できました。

わたしとしては紅葉はまあ、どうでもよろしい。お寺もこないだゆっくりと観て大体の様子は分かってるし、いいとしましょ。とにかく美味しいお食事と芸舞妓さんの隣で思いっきり鼻の下を伸ばすことが、このイベントの醍醐味なのです。
ちょっと前にも書きましたが、建仁寺の方丈(禅寺での住居などの建物のこと)で展示されてる俵屋宗達の風神雷神図屏風は、複製です。今回は事前に複製と分かってるんで、二度と騙されることはありません。

前回スモークで埋められてた中庭を眺めながら法堂へと移動し、天井に描かれた双龍図を拝観します。天井に龍の絵はあちこちで見たことがあります。京都に限っても、妙心寺と大徳寺にあります。なぜに人はお寺の天井に龍の絵を描きたがるのか。調べてみるとどうやら、置いてる仏様を守る意味合いと、龍は雨を支配するということで火災除けの意味もあるということです。なるほど。
連れてってくれた友人によると「天井に描かれた龍」といっても直接天井に描いたわけではなく、描いてから持ってきて貼っつけたらしい。そらそやろな。
さて、会席会場のお店の近所までいくと前方に芸子さん二人の後姿が。はたして本物か、観光客の体験イベントかと話してたんですけど、なんとあとでうちの座敷に来てくれた本物と分かり、しかもいつもお世話になってるお茶屋の馴染みの姐さんでした。大変失礼いたしました。
宴席では、例によってお座敷遊び、今回は「こんぴらふねふね」ではなく、「とらとら」を指南いただきました。これは、ジャンケンに優雅な演出をほどこして二人が対決する過程を楽しむ遊びで、お座敷では定番です。ぐー、ちょき、ぱーが「虎」「槍」「お婆さん」の三すくみで定義され、どれを選ぶかで勝敗が決定します。間に屏風を置き、お互い隠れて地方さんの三味線と唄に合わせていくつかの決まったポーズをとったのち、最後に「とらとーらとーらとら」の唄とともに選んだジェスチャーで屏風から進み出て、勝敗が決まります。両方同じ場合はあいこで、決まるまで繰り返します。
この手の遊びは単純であるほど盛り上がります。非日常のミヤビな空間であればこその趣。ギスギスした現代社会においては、日頃からこういうはんなりとした雰囲気が必要なのかも知れません。会社の会議で「どっちの案でいくか」となった場合に「じゃあ、とらとらで決めよか、屏風もってこい」なんてのもいいかも知れません。ないか。

さて、天理、続けます。
この日は常設展示に加えて特別展「芭蕉の根源」というのんをやってました。芭蕉の特集ではなくてですね、芭蕉の師匠にあたる北村季吟という文化人の業績を体系的に展示するというコンセプトでした。

先週のこと、久しぶりに美味しいお寿司が食べたい、買って帰れという奥様の命を受けました。いつも、持ち帰りのお寿司となると北新地のお鮨屋さんで折りを2人前作ってもらうんですが、あいにくお休みでした。スーパーやコンビニのんなんか買って帰ると家に入れてもらえないんで、デパ地下に行ったわけですよ。