2019年5月アーカイブ

マジャル人のオーケストラ

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 なんだか暑い日が続いてます。北海道で5月に猛暑日は史上初なんやとか。地球がおかしい。

 そんな北海道、北方四島交流事業でビザなし訪問に同行した丸山穂高という衆議院議員が暴言を吐いて所属政党の日本維新の会を除名されて、その後他にもいろいろ不適切な言動がワラワラと出てきて、こりゃダメだってことで衆議院で議員辞職勧告決議が提出されました。

 もちろんこの手のバカの常として素直に「辞めます」なんてことにはならず「言論の自由を奪うのか」なんて間の抜けたコメント吐いたあげく、仮病で国会欠席と。こいつを除去するためだけに衆議院解散も大義があるってもんです。

Hungary.jpg 言論の自由とは、どんな言説を述べ立ててもそれは自由ですよってことで、言った内容について責任を問われないということではありません。こいつの場合「北方領土は戦争で取り返そう」と主張したわけで、言うのは勝手やけど、日本国憲法の精神を蔑ろにする考え方の持ち主は少なくとも国民の代表である国会議員にはおよそ相応しくありません。速やかに辞職するべきです。

 どうも、以前の上西小百合のときといいこのバカといい、議員になるべきでない人物が何かの間違いでなってしもた場合には、すぐにでもクビにできる仕組みがやっぱり必要やと思います。実は国会法にいちおう「除名」の仕組みはあるけど、これは院内での狼藉行為に対する懲戒処分なので、国会の外で何やろうが強制的にクビにすることはできません。このあたりは以前にも書きました。選挙民が選んだ選良を国会議員の権能で排除することは民主主義の仕組みとして問題があるのです。しかし、こいつら見てると、やっぱりなんとかならないもんかなあと思ってしまいます。たとえば選挙区だけで信任の住民投票やるとか。

 さて、先週相変わらずの気忙しさの中、息抜きにひとりでコンサートに出かけました。小林研一郎指揮、ハンガリー・ブダペスト交響楽団。実はあまり期待していなかったのですが、これがなんとうれしい誤算、実に素晴らしいコンサートでした。20190526_004243272_iOS.jpg

 ハンガリーといえばマジャル人の国、ハンガリーは外名(日本のことをジャパンというのとおなじ)でホントの名前はマジャロルサーグというそうです。東欧で豊かな文化を育んできた美しい国です。漢字やと洪牙利と書きます。変なの。ちなみにブダペストは布太伯息です。いったい誰が決めたのか。正式な国旗は縦横1:2やそうです。長がっ。

 第二次大戦では枢軸国に与し、戦後の冷戦時代は共産圏に組み込まれソ連の衛星国家としてぢっとがまんの歴史でした。1950年代に有名なハンガリー動乱で民主化の嚆矢となるかと思いきやソ連の介入によってあえなく鎮圧され、民主化の成就はペレストロイカを待たねばなりませんでした。そして1989年に起こった民主化運動でオーストリアとの国境が開放されたことで東ドイツ市民がハンガリーに殺到、現代の民族大移動「汎ヨーロッパ・ピクニック」が実現し、冷戦終結の大きな引き金となったのでした。つまりハンガリーは冷戦を終結させた国ともいえます。そんな国のオーケストラの日本ツアーです。

 演目はチャイコフスキーの交響曲第5番とハンガリー舞曲その他。ポピュラーなセットリストです。指揮の小林研一郎氏の情熱的なパフォーマンスとよく符合してて、素晴らしく完成された演奏やと思いました。特にブラームスのハンガリー舞曲は文句なしに世界中で一番の演奏です。そうでないとおかしい。アンコールで演奏したいちばんポピュラーなハンガリー舞曲第5番は小林マエストロが演奏前に「ちょっと皆さんが知ってるのと違いまっせ」と説明されたとおり、強弱、抑揚、テンポの変化が強調されてて、これはおそらく原曲オリジナルに近い形を再現したのではないでしょうか。

 メインの交響曲が終わるやいなや万来の拍手と歓声につつまれ、そこここでスタンディング・オベィション。確かに素晴らしい演奏でした。聴衆この凄まじいの反応、ものすごい盛り上がりも納得です。今年一番の収穫、行ってよかった。人生には、このような予期せぬ幸せがそこここに落ちてるものなのです。ドナウの真珠と称えられるブダペスト、いちど行ってみたくなりました。

 明日は早朝からゴルフコンペに出かけるので、土曜日にブログ更新しております。真夏、真冬の時期には苦行と化すラウンドも、この時期は実に楽しい。スコアが付いて来ればさらにいうことないわけですが、そこは贅沢はいいません。楽しめれば良いとしましょう。

 さて、NHKのBSでやってる「幻解!超常ファイル/ダークサイdarkside.jpgド・ミステリー」が好きでよく視るわけです。

 かなり前にも書きましたが、昭和の頃日本では「夏の夜におくる戦慄の心霊写真特集」だの「宇宙人はあなたの隣にいる!」だの「今夜明らかになる超能力のすべて」だのは、ゴールデンのスペシャル番組として不動の人気を得ていたもんです。それが今やテレビでは幽霊やUFOなど怪奇、超常現象のたぐいはめっきり見なくなってしまいました。

 理由ははっきりしてて、現代社会において科学的根拠のない情報を流布することは国民にいらぬ不安と恐怖を与えるので好ましくないというお上の意向が働いているからです。日本の現代史において、オウムなどのカルト教団に洗脳される人たちがあいつぎ多くの人が殺されるなどした不幸な経験が影響しています。分からなくもないですが、これはまことに嘆かわしい風潮です。

 NHKのこの番組、「幻解」という造語で分かる通り、単に謎と恐怖をそのまま伝えるものではなく、超常現象とされている不可解な事象を科学的に解明することを主眼としています。国営ペイテレビのNHKが政府の意向に反して、超常現象を超常現象のまま流すわけにはいかないわけです。

 しかしながら、超常現象は不可解なものではなくてすべて科学で解明できるとするこの姿勢は、人間の驕り以外のなにものでもなく自然を畏れない不尊な態度であるといえます。kitsune.jpg

 以前、友人を誘って奈良県川上村の山奥に吉野川の源流を訪ねたときのことを書きましたが、ガイドの先生は、かつてこの川にはガタロウ(河童)が住んでて、普通に村の子供たちと遊んでいたと力説されてました。

 また、わたしが愛してやまない桂枝雀さんは生前、キツネやタヌキは、昔は当たり前のように人を化かしてた。しかし人間が驕り高ぶり自然を畏れなくなったため、もう、化かす化かされるという人間とのコミュニケーションをとってくれなくなったのだ、と述べておられます。動物園の狐、狸は逃げようと思えば簡単に逃げられる。しかしそれをしないのは、もう人間を友達と見なさなくなったため本来の力を見せてくれなくなった結果である、実に悲しい話だとする説です。私も例によって枝雀説に賛成です。

 つまり、超常現象はこの世界に厳然としてあるのです。ないはずがない。解明されたとするのはごく一部であって、たまたま科学的な理屈が判明したものをことさらに取り上げているにすぎません。

 宗教なんてのもいってみれば非科学的体系の極みです。出エジプトのモーゼが海を割っただの、聖母マリアの処女懐胎だの、キリストは昇天して復活しただの、人類が現代世界を築いてきた原動力として大きな役割を果たした宗教というコンテンツは、科学とはまったく相容れない事象をその存立の基礎としているのです。かつてのソ連のように共産主義の名のもと宗教を完全に否定した社会が破滅への途を歩んだように、科学万能など幻想にすぎないのであって、超常的なものに対する無条件の信奉こそ人類の進歩を後押ししてきたのです。

 超常現象は確かに存在する、そう考える方が夢があるやんか。人間がみずから夢を潰してしまうことはありません。

 幼い頃、夜トイレに行けなくて困るくせに、怖いもの見たさで食い入るように見入っていたあの心霊写真特集を再びと乞い願う、今日この頃であります。

 10連休明けて仕事再開後なんとか1週間、やっと感覚も戻ってきたかなという先週でしたが、昨日は休日出勤ののち、幼馴染の超旧友との会席がありました。関東在住の彼女から連絡いただいたので、今回の帰郷に際して大阪での所用のついでと思いきや、なんとわたくしに会うためにわざわざ旦那様帯同しクルマを駆って来てくれたんやとか。以前も書いたと思いますが、私の故郷は奈良県南部山峡の下市町という小さな町で、大阪市内まではクルマでたっぷり2時間はかかります。うれしいやら恐縮するやら。

20190511.jpg 彼女、なにを隠そうわたしの初恋のひとなのです。かつてデュークエイセスが「あーおいレモンの味がする...」と歌った「おさななじみ」のふたりはめでたくゴールインしますが、もちろん現実ではそんなはずもありませんでした。しかし実は昨年の夏にも会うことができており、その際にぜひまた機会があればという話をしていたところ、昨日実現したことになります。

 同い年の旦那様も交え、つらつら思い出を語るうちについ飲みすぎてしまったのもまあいつものことで、実に楽しいひとときでした。

 人生永らえるにつれて人間関係が拡がり、知り合いはとめどなく増えていきます。そんな中で幼馴染、また学校時代の友人たちとの絆は肉親同様、いい意味での「くされ縁」です。共通のルーツをもつことは絶対的な強さであって、お互い心を通わせるのにほとんど説明が要らない、語る必要がない。宝物やなあとあらためて実感したひと夜でした。

 そんな彼女と私も収まった、田舎町の小さな小学校入学式での一枚を引っ張り出してみました。半世紀前ですよ。今でもたまに飲み続けてるコもいますが、さあ、みんなどうしてるかな。もうすぐ還暦、おそらく同窓会があることでしょう。実に楽しみです。

 さて、先週、2020年東京オリンピック、開催競技の入場券エントリーが始まりました。先着順ではないと喧伝しているにもかかわらず、初日はアクセス待ち数時間という盛況やったそうです。tokyo.jpg

 私、もちろんやりますよ。お祭り大好きミーハーの本領が発揮される事態ですが、はばかりながら初日に慌ててアクセスするような素人ではありません。ここはじっくりと腰を据えて、当選確率が高い方法を見極めていきますよ。

 しかし、巷間言われてるように今回のチケット、ある種ギャンブルみたいなところがあります。野球の決勝戦なんて超プラチナカードで壮絶な高競争率であることは容易に想像できますが、幸運にもゲットし、大枚叩いて買った決勝戦のカードが「ドミニカ vs 韓国」なんてことになったら目も当てられません。せっかく一生に一度のチャンスなんやから当然日本人アスリートが登場する日に観戦したいわけで、このあたりなんとか正しく予測する手立てはないものでしょうか。

 いまさらですが、オリンピックは東京で行われます。今でも仕事で上京する機会は多いけど、時間の制約あり親戚や友人と会う機会はなかなかありません。大会期間中はもっと時間を作って、昨晩のご夫婦を筆頭にいろんな友人との旧交を温める画策を今から練っていくことといたしましょう。

薬師寺の妖怪

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 日本の歴史始まって以来の大型連休もいよいよあと二日。いつもそうですが、終わってみればあっという間です。仕事始め即フル回転するためにそろそろリハビリを始めましょうか。といいつつ今日は連休最後のイベントとして甲子園球場に観戦に出かけます。

20190428_110600867_iOS.jpg さて、令和がスタートしました。日本中が改元に熱狂し久しぶりに盛り上がった感があります。改元と連休の経済効果は7000億円とも2兆円以上ともいわれてます。影響が広すぎてすぐにデータが集められないそうです。歴史的な出来事であったことが分かります。昨日行われた皇居での御即位一般参賀は14万人以上という壮絶な数の人がつめかけ早々に入場が打ち切られたとか。国民こぞっての祝意がいかに大きく広がっているかということです。

 そんな中わたしはというと、平成時代もあと3日と押し迫った時代末、奈良の薬師寺で行われた西本智実と玉置浩二のコラボコンサートに出かけました。薬師寺は何度も訪れてる馴染みのお寺です。といってもつらつら思い出すに、前回来たのは奈良検定のついでに訪れたときですからもう5・6年も前になります。私が高校生の頃金堂が再建され、大学生の頃西塔が再建され国宝東塔に並び立ちました。その後も伽藍の整備が進み、現在では白鳳時代を代表する世界遺産の大寺院として君臨しています。そして最も最近平成15年に再建された大講堂の前で、今回のコンサートは行われました。

 調べてみるとここ大講堂前ではこれまでにも徳永英明、堂本剛、小林幸子、甲斐バンドなど多くのライブが行われてるらしい。どうやら奈良県下の数少ない野外ライブ会場としての利用が定着しつつあるみたいです。お寺の多角経営、大いに結構。20190504_072839042_iOS.jpg

 コンサートは大編成のオーケストラと総勢200人以上の大合唱団で、おなじみのヴェルディの「アイーダの凱旋行進曲」でド派手に始まりました。「カヴァレリア・ルスティカーナ 間奏曲」「韃靼人の踊り」などポピュラーな名曲が続きます。屋外の、それも薬師寺の仏様がおわすお堂の前という異空間的なシチュエイションの効果は絶大で、聞きなれた曲がいっそう荘厳に響き渡り心に沁みていきます。

 オーケストラの演奏ののち現れた玉置浩二の白髪とド派手衣装のいでたちはさながらお堂から出現した妖怪といった風情です。はじめのうちは知らない歌ばっかでしたが、盛り上がるにつれて「ワインレッドの心」「夏の終わりのハーモニー」「田園」などのヒット曲が聴けました。とくに田園の伴奏の編曲でベートーベンのシンフォニー「田園」が入ってたのはなるほどうまい演出やと思いました。

 玉置浩二は歌が上手い。日本のアーティストの中でも、歌唱力という点では井上陽水と双璧と言っていいでしょう。一流のオーケストラをバックにしても負けることなくしっかりと聴かせてくれます。しかし、最後にマイク使わないずにやった歌唱はもひとつでしたな。オペラ歌手とはちゃうねんからそれはムリやろって。

 わたし、別に玉置のファンというわけではなくて、今回も西本智実指揮のオーケストラの演奏と薬師寺でのライブという凝った演出目当てで出かけたわけです。期待通りでなかなかに楽しめた満足の夜でした。

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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