かくして参政権差別は続く

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 なんだか暖かい日が続いています。遅い夏日(25℃以上)の記録が100年ぶりに更新されたところもあるとか。そろそろ年賀状の準備をという時季に夏日とは。地球温暖化の兆しはいろんなかたちで現れるもんです。

20201119_205256638_iOS.jpg さて、ひさびさに裁判関係のこと2件。先週は例の元朝日新聞の慰安婦問題捏造記者が櫻井よしこ氏や出版社に謝罪広告と損害賠償を求めた訴訟が最高裁で決着しました。今さらながらですが、提訴から成り行きをずっと紹介してきましたので一応最後まで記録しときます。1審札幌地裁2審札幌高裁同様に当然ながら請求棄却です。日本と日本人の尊厳をとことん貶めたことにまったく反省がない輩に司法の鉄槌が下されたわけです。朝日新聞の紙面が面白い。訴訟提起の際の大きな扱いに比べて、1審2審同様に今回も敗北を伝えるベタ記事のなんとしょぼいことか。本音では記事にしたくもなかったんでしょうけど、この際是非とも社説でもって、国家反逆的行為の反省と国民への謝罪を大いに綴ってもらいたいもんです。

 それよりも、もっと大事な判決の話。前回の参院選(2019年7月)でいわゆる「一票の格差」が3.00倍であったことは憲法違反だとして、選挙無効が争われた裁判はなんと16件もあったそうです。

 で、これらすべて一緒くたにした最高裁判決が先週ありまして、結論「すべて合憲」という、こちらもまあ予想された内容で確定しました。曰く「違憲の問題が生ずるほどの著しい不平等状態とはいえない」そうで、選挙無効にはしないという結果になりました。やっぱりね。

 15人の判事のうち「合憲」の多数意見10人、「違憲」が3人、「違憲状態」1人、弁護士出身の1人の判事は「条件付きの合憲論とすべき」と言ったとか。

 国政選挙ごとに繰り返されるこの騒動については、何年か前の総選挙の際に詳しく書きました。要は「違憲であることは誰が見ても明白」なんですけど、最高裁がそう言っちゃうと国政が著しく混乱するから、司法が行政府と立法府におもねって正義を放棄し不適正な判決を連発しているわけです。今回もその方向性が踏襲されました。vote2.jpg

 憲法の番人たる最高裁が、一票の価値3倍の格差が「合憲」なんてまあ、よく恥ずかしげもなく言えるもんです。例えば卑近な例で今年の「定額給付金」。「都会の人は田舎の人の3分の1ね」と言われて誰が納得できるかという話です。まして今回、いっときの給付金なんかよりはるかに重要な基本的人権について3倍もの差別を受忍せよと、都会の住民の人格、権利は田舎の人の3分の1の価値しかないと最高裁は判示したわけです。

 当ブログではかねて、困った隣人である韓国について、三権分立が機能しておらず時の大統領の意向を受けて政府に都合のいい判決を書き、他国との約束事である条約をも蔑ろにするとんでもない国だと再三書いてきました。しかし、わが国においても毎度繰り返される最高裁の政府への忖度を見ていると、これはもう韓国のことをバカにできませんわ。まったくもってお粗末です。

 今の選挙制度の枠組みの中で定数を増やしたり減らしたり、区割りを変えたりくっつけたり離したりと、小手先の修正だけではこの問題は一向に解決されません。もっと抜本的な改正が必要です。かつても書いたように、参議院議員はやっぱり選挙区を廃止して全国区オンリーとすべきです。利権の選挙区誘導役に堕した国会議員の在り方を変えていくことが必要です。

 新聞各紙の社説比べてみると、朝日、毎日が翌朝早速社説で最高裁の姿勢を質し国会の不作為を指弾しているのに対して、保守系の読売は数日遅れて「判決は妥当」とし、最右派の産経はコメント抜きで事実のみを伝え静観しています。社風が現れてなかなかおもしろいけど、明らかにおかしい事態について何の意思表明もないとなれば、御用メディアの誹りを免れませんよ。

 今回、合憲と主張した10人の裁判官には、わたしは次回の国民審査で思いっきりバッテンをつけてやります。思い知るがいい。

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