成一の日に朝日新聞

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 お正月休暇がいつのまにか終わり、反動で仕事はじめ早々フル回転の状態が続きます。ちょっとバテてきたところにポッと成人式の連休が来てくれます。毎年思うのですが、これはなんともありがたい。

 ハッピーマンデー制度で体育の日や敬老の日が月日はずれて月曜日固定となってから、どれくらいたつのでしょうか。われわれ学校関係者にしてみれば授業日数の確保が難しくなって大変迷惑な制度ではあります。授業時間割は原則週単位なので、月曜日に配当の科目は授業日数の確保がどうしても難しくなってしまうのです。その結果祝日に授業やったり夏休み減らしたりと、先生たちのみならず学生さんへの影響も少なくありません。IMG_3252.jpg

 学生時代、成一という名前の友人がいました。彼曰く、彼が生まれる予定日が当時の成人の日(1月15日)やったのでご両親は「成人」という名をつけるつもりでいた。ところが、一日早く生まれたので成一という名になったとか。なもんで「俺の誕生日は成人の日の一日前と覚えとけ」と言うてましたが、それが通じなくなったわけです。彼もきっとハッピーマンデー反対やったでしょうな。

 かつて高度経済成長期、われわれの親の世代が現役の頃、日本はとにかく我武者羅に突き進んでいました。モーレツ社員たちは夜を日に継いで働いて働いて、この豊かな日本を築き上げてきたのです。そして世界中から「日本人、働き過ぎ」と批判されるとともに「ちょっとゆっくりしょうか」という風潮が出てきて週休2日が徐々に広まっていき、学校までが土曜日休むようになり、国民の祝日も増え、連休も増え「とにかく休んで金を使え」という政策が進められました。そして気が付けば21世紀のこんにち、労働時間はすっかり減ってしまい、昔の日本人のようにバリバリ勉強と労働に勤しんでいる新興諸国からの追い上げにあって慌てています。

 本当の豊かさを実現するために心にゆとりを持つことは大事やということは分かります。働くことだけが人生やないよ、貯蓄するより散財した方が経済が活性化してさらに豊かになれるよ、というのも理屈でしょう。しかし、かの「ゆとり教育」は著しく国力を落とし、今になって文科省はあわてて「脱ゆとり」やってます。人はやっぱり緊張感をもって働くことを旨とすべきなのです。休みが増えると堕落するとまでは言いませんが、労働時間の極端な削減は日本の競争力を奪っていきます。

 とはいうものの、一方で連休が増えることは労働者のひとりとして素直に嬉しい。困ったもんです。

 さて、もう朝日新聞のことはしばらく置いとこと思ってたところが新年早々動きがありましたので、また登場です。

 慰安婦報道の原因を作ったひとりである元朝日新聞記者が、自分を批判した週刊誌と大学の先生あいてに損害賠償を求めて提訴しました。

 いわく「私は捏造記者ではない」らしいですが、第三者委員会の審議によって記事には「強制的に連行されたという印象を与え、安易かつ不用意な記載があった」と結論づけられています。つまりは、彼は捏造記事を書いたのです。その後の日韓関係および国際世論に与えた影響を考えるとその責任は極めて重大です。

IMG_3251.jpg それを「捏造ではない」と強弁することは、たとえば「他人の物が欲しくなったので黙って持ち帰っただけで、決して盗んだわけではない。私は窃盗犯ではない」と言っているに等しい。

 もちろんこの記者氏やご家族に対する嫌がらせや脅迫などは絶対にあってはならないことで、そんなことをする連中は厳しく処断されるべきです。しかしそれを記者氏に対する批判記事のせいにして名誉棄損と訴えるのは、明らかにお門違いというものです。言論には言論で対峙するべきでしょう。

 これは朝日新聞社にとっても痛し痒しの事態です。せっかく第三者委員会の答申で形の上では決着つけてうやむやにできた、あとはホッカムリしておとなしくしとこと思ったのに、こんなことされてしもたらまた社の対応に世間の耳目が集まるやんか、カンベンしてよ、といったところでしょう。しかし国民は朝日の今回一連の所業、そう簡単には忘れませんよ。

 朝日新聞社はひとり記者の所為にするのではなく、今後日本の国益回復のために果たせる施策をはっきりと世に示し、真摯に対応していかねばなりません。ところが、かの委員会答申でお茶を濁して社長退陣で決着とするつもりが、新社長の木で鼻を括ったような記者会見で、「朝日に反省なし」という印象を再び社会に与えてしまいました。朝日シンパの私も「朝日よこれはマズいぞ」と思っていたところに今回の提訴です。

 今回、産経新聞はこの提訴を大きく報じ、社の見解を示して明確に論評しているのに対して、当の朝日は「従軍慰安婦」等の言葉が高校教科書から削除されることについて批判的な記事を載せ、その隣に、まるでついでのごとく論評抜きで伝えています。

 考えようによっては今回の提訴、国民が朝日の姿勢を正しく判断、評価するためのチャンスが到来したともいえます。朝日がこの記者の側に立ってふたたび世論を敵に回すのか。はたまた本当に反省してそれを行動で示し、日本のクオリティペーパーの地位を取り戻すことになるのか、しっかりと見据えていきたいと思います。

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