G20の戒厳令が解かれ、日常が戻った大阪、今日は朝から雨模様です。ちなみに「雨模様」というときはまだ雨は降ってなくて、もうすぐ振り出しそうな曇り空のことを言います。ニュース番組で中継のレポーターが土砂降りの中カッパ着て「現地はご覧のように雨模様です」なんて言ってるの聞くと情けなくなります。
さて、先週のエントリーで安倍内閣不信任案提出という会期末の風物詩のことを書きましたが、それに先立って野党は安倍首相の問責決議案を参院に出しました。野党の趣旨説明演説のあと反対討論に立った三原じゅん子議員の演説がカッコ良すぎると話題になってます。女優時代の金八先生での山田麗子を彷彿させるドスの利いた演説で、与党代表として野党の姿勢を一刀両断しました。
年金問題については民主党時代の政治の無能無策を指摘し「野党はその尻ぬぐいをしている安倍内閣に対して、感謝しこそすれ問責決議案とは全くの常識外れ、愚か者の所業」と糾弾しました。そして最後に一発「野党のみなさん、もう一度改めて申し上げます。恥を知りなさい!」きゃー、しびれるゥ。
与党はやりたい政策があれば野党が何を言おうが相手にせず、強行採決すればなんでもやれるわけで、余裕があるもんだからこれまで「言いたいことがあれば言わせておけばいい、結局何の影響もない」ということで相手にしなかった。ことさらに野党を批判、糾弾する必要なんてなかったわけです。野党はそれをいいことに、政策なんて二の次、とにかく安倍首相憎しで政権批判だけを身上として国会で言いたいことを言い、やりたいように振る舞ってきました。連休中の審議拒否で「18連休、税金ドロボー」と揶揄されたのも記憶に新しい。常識的な日本人はこのような狼藉に「与党はなぜやられっぱなしで黙ってるのか」と憤懣を募らせていたところ、このたび少しだけ本気を出したのだという気がします。
ちょっとやりすぎかなぁと思わないでもないですが、今の野党にはこんくらいの直球投げてやらないと応えないのも事実です。
この演説は、これまで誰もが「言いたいけど、可哀そうだから言わないでおいてやってた」ことを、もはや我慢ならぬと、野党の姿勢を取り上げて正論を主張し「調子こいてると痛い目に遭うぞ」と真正面から戒めたのです。
その後反政府系のサイト覗いてみると、まあ、演説中の野党のヤジに負けないくらいに顔真っ赤にしてヒステリックに喚いてます。「どこぞの独裁国家か」「狂ってる」「カルトか」「恥知らず」などと、痛いところ突かれて取り乱してる姿がなんとも可笑しい。
新聞テレビなどのメディアは政権批判が基本姿勢なので、今回の三原議員の快挙は非常に都合が悪い。だから、ほとんど伝えていません。斬新な演説に度肝を抜かれて、マヌケづらで呆然自失といったところでしょうか。そう考えるとこれまた楽しい。
今度の参議院議員選挙では、改選過半数が勝敗ラインか、なんて言われてます。しかし、過半数どころがひょっとすると野党の改憲勢力(維新)を取り込んで、余裕で改憲発議ライン(2/3)超えちゃうんやないかと思います。もしそうなったらその勝因の一端を担ったのは今回の三原議員の演説であったといえるでしょう。