2012年8月アーカイブ

栄華の跡

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 今朝、セミに起こされてみるとお天気がいい。気のせいか涼しい。
出かけました。
 奈良のお寺散策は、午前中の早い時間に限ります。
 昼近くなるとドドッと観光客が押し寄せて来るので。と言いながらわたしもそのひとりなんですが(^^)

 新薬師寺から白毫寺、奈良まちの元興寺界隈を歩いてみました。
 

 オフシーズンの午前中。誰もいない新薬師寺の静かな境内は得した気分。

 

←新薬師寺境内

 

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 白毫寺も同様、風の薫りは近づく秋の気配を漂わせていても、萩の花にはいささか早すぎます。猛暑の中訪れる人もまばらでなかなか具合がいい。
 

 まだ萩の花が開かないうちの参道は両側から枝がせり出し、まるで山奥の荒れ寺の風情ですが、あとひと月もすると萩目当ての人々で賑わうはずです。お寺の人に聴くと、今年は葉の勢いがいいのでいい花がつきそうやとか。

 

         参道に茂る萩の木 →

         ↓ 桔梗と白毫寺本堂

 

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 奈良まちに向かう途中にある「入江泰吉記念奈良市写真美術館」に立ち寄り、写真は観ずに茶店で一休み。
 こうゆう公営施設の喫茶室は穴場です。
 街の個人経営の喫茶店だと、経費の節減に腐心するため原価を下げて味は落ちるわ内装は落ちるわ、挙げ句それでも客足が減ればあえなく閉店に至ります。一方公的施設の場合、商売の採算は関係ないので、つくりはとても贅沢でゆったりしてるしキレイやし、客が来ようが来まいが赤字でもへいちゃら。潰れない。

 経営学的視点でいう顧客ベネフィットと費用対効果の比較考量を無視したエリアに位置する、ようするに客は出すお金以上の満足を享受できるのです。
 本来の価額との差益を負担しているのは結局、設置母体である奈良市民の税金ということになります。ありがたいこって。
 …などと、つらつら考えながらゆったりと長居してしまいました(^^)

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 奈良まちでは久々に元興寺さんで国宝の五重小塔を拝観したわけですが、その前に、南に隣接する「五重塔跡」を訪れました。
 元興寺は奈良時代には近隣の東大寺、興福寺と並ぶ大寺院やったのが中世以降衰退したそうで、創建当時の大伽藍の偉容は今やすっかり縮小して奈良まちに埋もれてしまってます。

 ユーラシアに君臨した大モンゴル帝国がしぼんでしもうて中露の太めの国境になってしまったようなもんです。
 

 夏草に埋もれた塔跡から、かつての栄華を忍んでみました。

 なんでも「跡」とつく場所は淋しいですよね。

                   元興寺五重塔跡→

青春の休眠口座

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 最近テレビで、銀行の「休眠口座」が話題になりました。わたしにもひとつあります。

 やく30年前、学生時代に東京で使っていた銀行口座におとしまえをつけることにしました。ひょっとすると、大金をプールしたままうっかり忘れている、なんてことがあるかも知れません。   

 前にも書きましたが普通のサラリーマンが銀行の窓口に出向くのはかなり困難な所業なんですが、お盆も銀行は開いてます。 

 何十年目かの夏休み、急に思い立ったのです。

 「富士銀行」という、かつての都銀、今の「みずほ銀行」です。下宿先の最寄駅の真ん前にあっていちばん便利やったので何気なく開設しました。銀行口座なんて、めんどうな手続きや確認などなく簡単に好きなだけ作れた時代でした。

 みずほ梅田支店の窓口で対応していただいたのは、雰囲気松任谷由実に似た行員さん。

   ユーミン「当時のお届け印鑑やキャッシュカードは?」
   わたし 「んなもん、とうに無くしました」
   ユーミン「(--#)… 確認のため、前の口座の届け出住所を言ってください」
   わたし 「忘れた。なんせ30年も前なんで…」
   ユーミン「…府中市でしたよね」(←ヒントをくれた^^)
   わたし 「そうそう、府中市宮西町…」
   ユーミン「何丁目?」
   わたし 「駅前です。八百屋の左の路地を入って、右に曲がったとこです(^^)」
   ユーミン「(このボケ…!) いえ…、じゃあ、何号室とか」
   わたし 「たしか1階の一番手前」
   ユーミン「つまり101号室ですね。はい、確認できました」

 お世話かけました(;´∀`)
 

 かくして30年以上冬眠していた口座はめでたく解約され、梅田支店にキティちゃんの通帳で口座があらたに開設されました。

 思えば、この富士銀行の口座は両親がせっせと仕送りしてくれてた当時のセフティネットでしたよ。いざ処分してしまうと青春時代とのつながりがひとつ絶たれたような気がして少し淋しくも感じた、ゆく夏の一日でした。

 あ、ちなみに口座残高は、1,340円。 ま、そんなもんでしょcoldsweats01

甦る絶景

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 夏休みも折り返しを過ぎました。今日はよいお天気ですが特に予定なく、昼間からビールを飲みながら本を読み、まったりと過ごしました。週明けからいきなりフル回転の仕事が待ってます。そろそろリハビリしていかないと間に合いません。


 ところで、ゆうべタイガースのひどい試合の中継に嫌気さし、何気なく見た裏番組、温泉紀行で小海線の清里を取り上げてました。思わず懐かしさが湧いてきましたよ。

 東京にいた学生の頃は国鉄の鈍行に乗ってよく信州に遊んだもんです。センチメンタルジャーニーを気取って八ヶ岳の南縁、清里から野辺山までを歩いたのは確か2年生の春先でした。おもっきりオフシーズン、閑散とした清原駅に降り立った青年ひとり。

 清里は、今ではおもちゃ箱をひっくり返したような街になってしまいましたが、当時はホントに何もないただ小さな高原の駅でした。寒風の中、ハイキングコースに沿って牧場をとぼとぼと辿り、八ヶ岳に対峙する飯森山という小山を目指しました。山全体が牧場で木々がなく視界良好で、八ヶ岳の展望ルートとして整備されてます。風が強く寒い日でした。そこここに盛り上がる牛のウンチを踏まないように気をつけながら辿り着いた頂上からの眺め、眼前にひろがる八ヶ岳山塊の絶景に息を飲み、何十分も座り込んでいたことを覚えています。

 いつかもいちど登ろうと思いながらの幾星霜、未だ果たせずにいます。

 写真は最近になって、それでも10年以上前ですが、佐久甲州街道(R141)をクルマで辿ったときの野辺山での1枚。

 やっぱし、高原には列車が似合うかな。

ランプの宿

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P8092482.jpg 温泉が好きで、あちこち行きます。
 

 今回、かねてより行きたいと思っていた、石川県の葭ヶ浦(よしがうら)温泉に行って来ました。

 温泉に行ったというより、知る人ぞ知る一軒宿「ランプの宿」を訪れたという方が正しい。超人気旅館でそもそも予約が至難の技なのですが、うまいぐあいにお盆休みの1泊2日、空いてました。

 能登半島の先端。まぁ遠いこと。到着までトリップメータは大阪からほぼ500km、久々の長距離ドライブでした。このアクセスの悪さが逆に人気なんやとか。

 日本海に向かってこれでもかと突き出た最先端です。そのせいか、ここは「聖域の岬」と呼ばれ、日本三大パワースポットのひとつなんやそうです。

http://powerspotjapan.com/

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 何でも、寒流と暖流が交わって…自然のパワーが集まって……例によって詳しいことは分かりません。なんしか気が充実するらしい。
 

 おっきな駐車場のそばに「スカイ・バード」という空中展望台があり、宿泊客はタダに入れます。 夏休み中とあって、能登周遊の大型観光バスが次々にパワースポット目当ての団体客を運んできます。

 デッキがまさに空中に向かって10mほど突き出してて、先端まで行くと揺れてる、揺れてる、こわぁ~coldsweats02 「気」は「気」でも怖じ気づいてしまいますわい。 はるか下の方には本日の宿「ランプの宿」が。

 

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 駐車場から宿の送迎車に乗ってジェットコースターなみの急坂をスイッチバックで降りていき、いよいよあこがれの温泉宿にとうちゃく。

 変なお宿です。

 かつては電気も水道もない、ほんとにランプの宿やったそうですが、近年のリニューアルですっかりリゾートチックになってます。

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 眼前に迫る大海原。そいや、ここしばらく海を見てませんでした。

 ざっぱ~んsweat01 東映のタイトルバックのような荒波かと思いきや、案外穏やかな海岸です。

 やはりここの真骨頂は厳冬期の雪に埋もれた頃でしょう。しかし、そんな時期にここまでクルマで来るのはおよそ暴挙といえます。だいたい、今送迎車で降りてきたあの超坂道、積雪時は絶対ムリでしょ。 P8092502.jpg

   

  

 

 「波の離宮」とゆうメゾネット型の離れ客室に泊まったのですが、なんとプールの上に建っている。ボラボラ島の水上コテジみたい (行ったことないけど)。

spa部屋の露天風呂はやや凹んだ位置にありますが、それでも海を眺めながらの湯浴みはなかなか気分がよろしい。

spa逆に大浴場の露天風呂は海に突き出たロケーションにあって、  まさに絶景を目の当たりにしながら命の洗濯でした。ただし、立ち上がると本館の二階廊下と思しき場所で談笑する宿泊客の姿が見えました。つまり向こうからも丸見えなわけで。

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  ここの魅力はやはり日暮れてから。

 かつてはまさに秘境の秘湯だったでしょうが、今はランプの中に豆電球が入ってます。

 部屋にはなんとテレビがない。これまで何十という温泉旅館に泊まりましたがこれは多分初めての経験です。

 暮れてしまうとランプの灯りの下、聞こえるのは波の音だけ。非日常空間を満喫いたしました。

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 一夜明けて、せっかくやからと能登を一周してきました。

 観光スポット「白米千枚田(しろよねせんまいだ )」

 海に落ち込むなだらかな斜面に棚田が作られてます。美しい日本の風景なのです。

 

 

 

 

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  輪島に来ました。

 高校時代の地理の地図帳を引っ張り出して見てみると、当時は金沢のほうから国鉄七尾線が繋がっています。分割民営化後も第三セクターのと鉄道として継承されたらしい。

 ところが乗降客減り赤字がかさんで、2001年とうとう廃線。輪島から鉄道が消えました。かつての輪島駅は今、バスターミナル+道の駅となってます。その奥にかつてのホームのレプリカがありました。 終着駅のはずが、次の駅に「シベリア」の表記が。

 廃線とゆうのは、どこでも何だか淋しい。かつて人の往来で賑わった夢のあとという感じで、なんとも寂寥感が募ります。

今年の夏祭り

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 商店街の夏祭り、今年は昨年のおとなり「旭区今市商店街」の夜店を見てきました。

 わが学園の中高が出店協力してます。今年は 「サイエンスショー 『スライムを作ろう』 」という出し物です。

 地元密着、地域協力の一環と学園のPRをかねて有志先生方によるイベントです。何らかの材料と着色剤を混ぜてかき回すと何らかの化学反応によりゲル状になります。(詳しい仕組みは分かりません^^;)カラフルなスライムのできあがり。どうぞお持ち帰りください。食べちゃだめよ。

 子どもたちの科学への興味を喚起する、学校ならではのイベントです。「果たしてウケるやろか」と案じていたところ、開始と同時に黒山の子どもたちが押し寄せる大盛況。先生方、次から次へのリクエストに息をつくひまもない状態となりました。

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 自分で作ったスライムを持って帰る子どもたちの嬉しそうな笑顔が印象的です。

 将来はうちの学校にきてね~。happy01

 

 

 さて、英国では地球規模4年に一度の夏祭り、オリンピックが盛大に開催中。日本は金メダルの数が思うように伸びてませんが、わが国の若者たちが世界の大舞台で活躍する様はなんとも嬉しいもんです。彼ら彼女らのここに至るまでの精進を思うと、なんとも頭が下がる思いがします。

 ステーツアマということばを最近はあまり聞きませんが、依然としてどっかの国では国家丸抱えの選手強化が行われています。しかし、日本では、メダルとったからといって一生生活が保障されるわけではなし、本当に好きでなければ極めるほど一所懸命にやってられない。それこそがアマチュアリズムの精神でしょう。だからこそ勝者の笑顔が多くの感動を呼ぶのです。

 五輪を国威発揚の機会と考え近年メダルの数を伸ばしてきた国は、強くなりたいという人間の欲求ではなく、鼻先にぶら下げたニンジンで選手の強化を図ります。人の自然な欲求ではなく、「欲望」をメダルの数に変えているのです。人の尊厳を無視して得たメダルにどんな価値があるでしょう。

 わが国の若者には、これからもずっと、生活や金のためではなく、ましてや国の威信のためなんかでなく、最高の舞台で、自分のアイデンティティーを極めてほしいと思います。

WELCOME

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PROFILE

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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