今朝、セミに起こされてみるとお天気がいい。気のせいか涼しい。
出かけました。
奈良のお寺散策は、午前中の早い時間に限ります。
昼近くなるとドドッと観光客が押し寄せて来るので。と言いながらわたしもそのひとりなんですが(^^)
新薬師寺から白毫寺、奈良まちの元興寺界隈を歩いてみました。
オフシーズンの午前中。誰もいない新薬師寺の静かな境内は得した気分。
←新薬師寺境内
白毫寺も同様、風の薫りは近づく秋の気配を漂わせていても、萩の花にはいささか早すぎます。猛暑の中訪れる人もまばらでなかなか具合がいい。
まだ萩の花が開かないうちの参道は両側から枝がせり出し、まるで山奥の荒れ寺の風情ですが、あとひと月もすると萩目当ての人々で賑わうはずです。お寺の人に聴くと、今年は葉の勢いがいいのでいい花がつきそうやとか。
参道に茂る萩の木 →
↓ 桔梗と白毫寺本堂
奈良まちに向かう途中にある「入江泰吉記念奈良市写真美術館」に立ち寄り、写真は観ずに茶店で一休み。
こうゆう公営施設の喫茶室は穴場です。
街の個人経営の喫茶店だと、経費の節減に腐心するため原価を下げて味は落ちるわ内装は落ちるわ、挙げ句それでも客足が減ればあえなく閉店に至ります。一方公的施設の場合、商売の採算は関係ないので、つくりはとても贅沢でゆったりしてるしキレイやし、客が来ようが来まいが赤字でもへいちゃら。潰れない。
経営学的視点でいう顧客ベネフィットと費用対効果の比較考量を無視したエリアに位置する、ようするに客は出すお金以上の満足を享受できるのです。
本来の価額との差益を負担しているのは結局、設置母体である奈良市民の税金ということになります。ありがたいこって。
…などと、つらつら考えながらゆったりと長居してしまいました(^^)
奈良まちでは久々に元興寺さんで国宝の五重小塔を拝観したわけですが、その前に、南に隣接する「五重塔跡」を訪れました。
元興寺は奈良時代には近隣の東大寺、興福寺と並ぶ大寺院やったのが中世以降衰退したそうで、創建当時の大伽藍の偉容は今やすっかり縮小して奈良まちに埋もれてしまってます。
ユーラシアに君臨した大モンゴル帝国がしぼんでしもうて中露の太めの国境になってしまったようなもんです。
夏草に埋もれた塔跡から、かつての栄華を忍んでみました。
なんでも「跡」とつく場所は淋しいですよね。
元興寺五重塔跡→