昨日、今日と大阪は雨が降ってます。コロナ禍でおうちにいなさいというお達しに従って、連休でも巣篭りの日々が続いています。で、やることといったら、読書か溜まったビデオを見るかということになりますが、気分転換で大昔読んだコミックを再び読んでみたことが今日の話題です。
「軽井沢シンドローム」大学時代にビッグ・スピリッツの連載で読んで、たしか単行本も全巻持ってたはずがいつのまにかどっか行っちゃって、今回タダで読めるサイトでふと目について読み始めたところこれがまあ懐かしくて、ついのめり込んで一気読みしてしまいました。
作者たがみよしひさ氏はだいぶ以前に書いた故小山田いく氏の実弟で、長野県小諸を拠点に活躍し一世を風靡した実力派です。「軽シン」は氏の代表作で、ズバリ軽井沢を舞台にした元暴ヤンたちの青春群像を、シリアスなストーリーと秀逸なギャグで綴った傑作です。これまですっかり忘れてて、30年以上の時を経て読み返すこととなりました。
登場人物は作者と同年代なので、わたしよりすこし上ですが、まあほぼ同じ世代といえましょう。そのため、リアルタイムで作中に自分を投影することができて共感が深まったのが、当時ハマった最大の理由と言えます。
学生時代読んだ当時の感覚が蘇ります。最近は、以前に読んだこと忘れて同じ小説をまた買って、それもかなり読み進めないと気付かないなんてこともままあります。それが、やはり物覚えがよかった若い頃に読んだだけあって、一コマ一コマ鮮明に覚えてます。このセリフ良いな、ここはちょっと絵が雑い...コマを覚えてるというよりは、読んだ当時にどう感じたということをそのまま覚えてます。それほどに面白くてのめり込んで読んでいたということでしょう。今回、何気なく読み始めたところが、実に陶酔のひと時となりました。
少し後のバブルの時代に世を席巻したトレンディードラマの雰囲気を先取りしており、今読み返してもまったく古さを感じません。マンガなので勢いと迫力優先で細かいところのツジツマは二の次という点も、今の多くの作品と変わりません。軽シンの時代はケータイもスマホもありませんでしたし、軽井沢には新幹線もまだきてませんでした。この場面で、もしこいつがケータイ持ってたらこのストーリー展開はなかったなとか、時代の流れを思うとともに自分も年とったなあとしみじみと思った次第です。
ちなみに軽シンの連載スタートは1981年、40年前です。さらにその40年前というと真珠湾攻撃の年です。あの愚かな戦争を始めた暗い時代から軽シンスタートまでの日本社会の変化、発展にくらべると、その後今に至る40年はやっぱり失速感が否めません。頑張れニッポン。頑張れオレ。
ネットの情報によると軽シンには続編があったらしいけど、読んでません。いずれ探してまたゆっくりと楽しむことといたしましょう。
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