確定申告と高等遊民

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 昨日、今日と大学入学共通テストが行われています。大学入試センター試験から移行した新しい制度の第1回目がコロナ禍の緊急事態下で行われるという、なんとも大変な事態となっています。

 静寂の中で粛々と行われる試験では感染リスクは限りなく低いと言われています。ところが一部マヌケな教育評論家が「緊急事態なんだから共通テストも中止すべきだ」とSNS発信して袋叩きにあったのは当然のことで、評論家とはいかに無責任で気楽な商売かということを世に知らしめました。受験生たちはこんな雑音を気にせず、もちろんコロナにも負けず、乾坤一擲の大勝負を頑張ってほしいと思います。

 さて、このたび令和2年分の確定申告を無事に終えました。

 といってもわたくし給与所得以外の収入が一切ありませんので、納めるべき税金はすでに1円残らず源泉徴収で搾られておりまして、毎年行う確定申告はもっぱら還付申告であります。e-tax.jpg

 一定の基準を満たす事業者に対する寄付金や募金は、納めるべき税額または計算の基礎となる所得から控除されます。また、1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合も同様です。しかし、これらは給与の年末調整では計算してくれないので、自分で計算し直して取り戻す必要があるのです。

 オンライン(e-tax)でできるようになってずいぶん楽になりました。e-taxが導入されてもう何年も経ちましたが、年々システムも改善されて簡単、便利になりました。しかし、マイナンバー活用で収入の方の申告漏れは厳しく追及する一方で、取られすぎ税金の還付に関する指導、案内などはいーっさい行わない国税の仕事は相変わらずで、例の佐川事件以来、真面目な納税者の怒り、不満は緊急事態下にあっても続いています。

 基本的に税制は自営業者にユルく、サラリーマンに厳しいのです。例えば会社が、いわゆるテレワークの増加で非課税の通勤手当減らしてその分在宅勤務手当を支給したりすると、結果的に所得税と社会保険料が増えます。こんなちまちましたところもしっかり自動的に天引き、徴収されるのです。

4067916_s.jpg そいや消費税が10%に上がってもう2年以上経ち、お買い物の際に定価1割増しが当たり前になりました。軽減税率というややこしいものがありますが、買う側はレジで言われた金額払うだけなんで特に混乱なんてありません。時とともに慣れてしまうもんなのです。かつては、消費税はお金持ちもビンボな人も同じだけとられるんで不公平やという話をよく聞きました。累進課税と反対に所得が低い人ほど負担が重くなる「逆進性」という理屈です。しかし一方で、公的サービスには医療費や保育費用などお金持ちほど高くとられる仕組みがたくさんあって、課税に加えて消費の場面でもきつい負担を強いられてるという認識が拡まったことで、最近、逆進性の主張はあまり聞かなくなったように思います。

 税金計算の対象が土地から所得に替わって150年以上経ちました。税制はその時代時代に応じて改正され今に至っており、その結果極めて複雑怪奇で分かりにくくなりました。税理士という商売が成り立つ道理です。しかし、有るところから取るという趣旨は徹底していて、とことんお金持ちに有利というわけでもない、という話です。知らんけど。

 保守の論客、渡部昇一氏は生前、相続税は廃止すべきと言ってました。もともと貧しい中から一流の学者となった人やのにケッタイな話やなと思ったら、要は人間、あくせく働いてたら良いアイデアはでてこないと。カネの心配をせずにとことん学問に勤しむ階層が必要である、高等遊民こそが科学を発展させ国力を増強させる、そのために先祖代々受け継いだ財産は国が召し上げずに好きに使わせるべきやという、なんかそんな趣旨でした。高等遊民は、確定申告なんかで時間を無駄にしないというわけです。

 偉い人の考えることは、よう分からん。

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katsuhiko

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