2015年11月アーカイブ

IMG_5653.jpg 強風吹きすさぶ大台ケ原で今年最初の紅葉を愛でてから間もなく1カ月。職場となりの城北公園の桜の広場もすっかり葉を落とし、今年の紅葉も終わりと思っていたところ、ニュースによると11月の気温が比較的高くてお天気が悪かったため各地で紅葉が遅れてるとか。長く楽しめて、ええやん。
 
 そんな3連休の中日の今日、大阪の街は「大阪秋の陣」府知事、市長のダブル選挙ということで盛り上がっておりました。結局、維新が勝ったようですが、さて都構想再燃ということになるのでしょうか。何とも大阪はいろいろと面白いところです。今日は久しぶりの釣行で、選挙の開票速報を聞きながら先ほど帰ってきたようなわけで、今時分のブログ更新となりました。ちなみに選挙は昨日、期日前投票を済ませております。
 
 さて、先週金曜日、仕事終わって3連休突入という開放感で、ある展示会に行ってきました。梅田「グランフロント大阪」で開催ちうの「世界を変えた書物」展。主催者は金沢工業大学です。IMG_5661.jpg
 
 同大学がコレクションしている稀覯本(めちゃ珍しくて貴重なご本のこと)の中から選りすぐりの逸品を一挙大公開という企画です。ありがたいことに会場は梅田のど真ん中、仕事帰りにもいたって便利。これは是非とも見ておかねばということで、行ってから知ったのですが、なんと入場無料!信じられない太っ腹です。
 
 コペルニクスやガリレイ、ニュートン、アインシュタイン、ダーウィンなど、科学の発展に大きく貢献した偉人達というより、人類の叡智の頂点ともいうべき超ビッグネームたちの功績を形にした初版本約100冊以上が展示されてます。フラッシュ炊かなければ写真撮影もご自由に、とのこと。ありがたい話です。
 
 凄いコレクションです。いつのまにこんなに集めたのか。ミーハーで下世話な私には時価総額が気になるところですが、おそらく数億円単位ということになるでしょう。IMG_5663.jpg
 
 展覧会の空間デザインは金沢工大学生たちが担当したそうです。そういえば会場内には大学院生と思しき多くの若者たちの姿がありました。
 
 大学の使命は教育・研究と社会貢献です。金沢工業大学はかねて斬新な事業展開と画期的、先進的ですぐれた学園運営で、全国の私学の中でもその名を知られています。そんな金工大であればこそ今回もやってくれたなあという感じです。この驚異的なコレクションの展示会であったればおそらく2~3千円の入場料設定であっても大入りやったでしょう。もちろん、私も行きます。それをなんとタダですよ、タダ。スポンサーも無いし、会場費、人件費その他かなりの予算を大学から持ち出しています。赤字です。それでも大学の有する知的所産を社会還元するは大学の使命なり、という金沢工大の気概に深甚なる敬意を表したいと思います。

百年の孤独

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 パリで起こった大規模なテロを嘆くように降っていた小雨は上がってきたようです。陰鬱な休日の夜明けとなりました。
 
 冷戦終結後、戦争の危機は大きく減衰したかのように時代は進んできましたが、人類はよほど好戦的な生き物とみえて、殺し合いの種が尽きることはありません。この点のみ地球上に存在する多くの生物に劣っています。イスラム原理主義勢力がテロを繰り返すのはなぜかという根源的な理由を廃しない限り、許されざるテロの蛮行は根絶されず戦争は続きます。武力による制圧とともに、今こそ人類の叡智を示してほしいものです。
 
 さて、人生そこそこ長くなってくると、偶然の産物というか妙にタイミングが合う瞬間に出くわすことがあるもんで、仕事で関わった人が同郷の出身やったり思わぬ共通の知人がいたりなんてことはもう珍しくもなくて、まったく関係のない二人の親しい知り合いの誕生日が同じやったり、たまたま覗いた古書店で親戚が50年前に出したハガキを見つけたりとか、いうところの「奇遇」を感じる機会が増えてきます。
 
IMG_5617.jpg 今日のはなしは、客観的にみればそれほどの奇遇とは言えないのですが、なぜか自分としてはタイミングピッタシやったと感じた出来事から。
 
 先日、近所に超巨大なイオンモールがオープンしました。西日本最大級といわれるほどの規模で、四條畷市市制施行以来の大きな出来事ともいわれるほどの大イベントでした。で、うちの奥さん、何らかのお得感を求めてイソイソ・ワクワクと探検に乗り込んでいったそうです。
 
 丸一日うろついて結局、とにかくバカでかかったけど特にこれといって見るべきものとてなく、モールの酒屋さんで、幾分安かったというかのプレミアム焼酎「百年の孤独」買って帰ってきました。
 
 一方、わたしはというと、南米コロンビアのノーベル賞作家、ガルシア・マルケスの小説「百年の孤独」まだ読んでなかったので、思い立ってamazonで買った矢先でした。去年マルケスの訃報が伝わったのでずっと気になってたのです。
 
 わが家に、期せずして二つの「百年の孤独」が揃いました。奇遇。
 
 酒造メーカーの社長さんがこの作品が好きで自社商品の名前にしたというエピソードと、手に入れにくいことでは「森伊蔵」と並び称されるプレミア感による人気とあいまって、お酒も小説もすっかり有名になりました。私はお酒の方は飲み屋さんでこれまでに何回か体験しましたが、小説の方は読んでなかった。よおっし!と思い立って買ったとたんに、お酒の方もわが家にやってきたという次第です。
 
 昨日、読み終わりました。
 
 何というか…スゴイ小説です。今世紀初頭、ノルウェー・ブック・クラブという団体がやった「世界傑作文学100」というランキングで選ばれたそうですが、なるほどという感じです。
 
 ある一族の興亡を100年にわたって描く、壮大な叙事詩のような小説ですが、すごい勢いで挿入されるおびただしいエピソードのひとつひとつが常人の想像の域を超越しています。訳者の力量もすごいのでしょうが、文章のひとつひとつが気を引き締めてかからないと跳ね返されてしまいます。一文の中に、現代日本の人気作家が書く数ページ分に匹敵する質量が込められており、も少し水で割って軽く分かりやすく描いていけば数十巻の大河小説に編纂できるでしょう。それをわずか1冊の中で展開していながら、単なるあらすじを記すというのでなく圧倒的な筆力でもって読者に迫ってきます。
 
 これを小説というのであれば、芥川賞受賞作など4コマ漫画みたいなもん、なんていうと怒られそうですが、それほどの衝撃がありました。ここ数年私が読んだ小説の中で、文句なし最高の逸品です。
 
 一方、お酒の方はというと、こちらもなかなかのもんです。焼酎というよりは何だかウイスキーみたいな香りと味わいで、ウイスキーよりまろやか、かつ深みがあります。繰り返し言ってますが私はミーハーであって、幻のプレミア焼酎というブランドに酔っているところがあることを素直に認めたうえで、美味しいものにはどこまでも貪欲であることもまた事実なのであります。
 
 何にせよ好きなミュージックに包まれて、焼酎のロックをちびちび甞めながら人類の財産である傑作を読んで夜更かしする、この幸せが永く続くことを願った晩秋の週末でありました。

30年目にしまかぜ

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 お伊勢参りに行ってまいりました。PB015896.jpg
 
 伊勢旅行は2年前の式年遷宮の年以来3年連続となりますが、今回はうちの奥さんとではなく、職場の同期の仲間たちと大勢での一泊ツアーです。
 
 実は今年、就職以来30年目という節目の年にあたり永年勤続の表彰をいただき、あわせて永年勤続特別休暇もいただきということで、お礼参り行こ行こということになったのです。
 
 30年は長い。オギャァと生まれてから大学出るまでが22年で、気が付けばそれよりもはるかに長い年月仕事を続けてきたわけですが、とてもそんな実感がありません。しかしあらためて就職当時の写真を見ると、なるほど風貌はまったく変わり、かわいい青年がすっかりオッサンに成り果てました。いろんなことがありました。楽しいこともしんどかったことも今更ながらに思い出されます。
 
 「いつのまにか」という表現がぴったりと当てはまります。いつも一年の終わりには、取り立てて特技もなく、とりえとてない私が大過なく過ごすことができたのは、多くの方々に助けられたおかげであったなあとしみじみ思うのですが、気がつけば何と30年ですよ。この間に出会ってきた実に多くの方々全員に30年分の感謝をお伝えしたい心境です。
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 しかし実際にはそんなことできないので、神様詣ですることでこの感謝の気持ちを世の神羅万象に示すとともに、自らの人生のひとつの区切りにもとしたいと。そんな大そうなことでもないのですが、まあ言ってみればそういう気持ちでもって今回は、気の置けない仲間たちと日本人の心のよりどころに出かけたというわけなのです。
 
 わたしが愛してやまない桂枝雀さんは生前お伊勢参りのネタをかけるとき、日本人は古来緊張民族であり、とにかく真面目であって遊ぶのが下手であると。旅へのあこがれはあるけど、ただ遊びに行くのは何となく後ろめたさがあって気が引けるから、お伊勢参り、つまりは神様詣でであるという大義名分を掲げることで、誰はばかることなく一世一代の旅にでかけた、という話をマクラに振ってました。時代は流れ西洋ナイズされた日本人は気がねなくレジャーにでかけます。われわれの今回の小旅行も「伊勢神宮勤続30年息災お礼参り温泉海の幸満喫1泊懇親ツアー」という名目なのであります。
 
 さて一行は、近鉄特急「伊勢志摩ライナー」に乗り一路伊勢路へ。終点の賢島でマリンランドなど見物ののち、曇天ではありますが何とか雨に振られずにお宿へと辿り着き、宴会、カラオケ、温泉をたっぷりと満喫するうちにツアー初日の夜は更けていくのでありました。
 
 2日目。いよいよメインのお伊勢参りに向かうというのに朝からあいにくの雨。思えば去年も、一昨年遷宮の年も伊勢旅行は雨でした。私は決して雨男ではないのですが、ことお伊勢さんに関しては何か因縁めいたものを感じます。PB025917.jpg
 
 伊勢神宮では、内宮も外宮もご正宮ではお願いごとはしません。ただただ神様に感謝の思いを捧げるのです。そうすることで自分がいま幸せであることを実感できるのであって、これ以上のご利益はありません。もっとも同じ神域内にある「多賀宮」や「荒祭宮」といった別宮では具体的なお願いごともできるとか。いわゆる初詣でとおんなじやりかたですね。
 
 無事にお参りをすませた一行は、伊勢市から話題の観光特急「しまかぜ」に乗り込み伊勢路を後にしました。職場人生の半ばはとうに過ぎたとはいえ、まだ定年まではだいぶあります。今年をひとつの節目として、頑張るどーーっ!という気持ちを新たにするとともに、同期入社の皆がそろって健康で幸せであるよう願いつつ大阪へ、日々の喧騒の中へと帰っていくのでありました。
 NHK受信料の「支払い義務化」が叫ばれています。
 
 受信料の支払い拒否や滞納に業を煮やしたNHKが法令をたてにして国民に支払いを迫る途を拓こうとやっきになっているという構図です。
 
 NHKの受信料については、テレビの放送開始以来何かにつけて議論の種になっており、今なおそのあり方についてさまざまな見解が示されています。
 
P4778944.jpg そも、法律では「テレビを買った人はNHKの受信契約を結ばなければならない」と定められています。同じテレビ放送でも民放はスポンサーがあるから受信料なんかいらない。視聴者は、CMを視せられるのと引き換えに受信料の支払いを免れているわけです。
 
 一方NHKは広告収入がないもんやから、すべて視聴者の負担に頼らざるを得ない。しかし「おれはNHKなんかみてもいないのになんで金とるんや」というもっともな思いから、受信料支払い拒否が後をたたない。NHKだけ受信しないアンテナなんてのも開発されてるようです。ネットや書籍で数々の集金人撃退法が披露されており、読んでると実に楽しい。
 
 欧米の公共放送は受信料なんかなくて、政府の補助金で成り立っている。つまりは税金です。日本のように受信料を視聴者から直接徴収するような制度は極めて特異です。おそらく欧米ではそんな名目で金を集めてもまともに支払う人の割合が極めてすくなくなるからでしょう。
 
 いってみればわが国の公共放送の受信料は、日本人ならではの民度の上に成り立っている奇跡的な制度であるといえるのです。しかし、支払い拒否があとを絶たないということは、方法にやはり限界があるということでしょう。
 
 で、私はといえば、テレビはあまり見ない方ですが、見る番組はやはりNHKがずば抜けて多い。ニュース、ドキュメンタリーなどはよく観ます。NHKスペシャルは必ず観る番組のひとつです。クオリティに民放各局とは各段の差があります。観ないけど、たぶんドラマもそうなんでしょう。民放の多くの、実にくだらないバラエティ番組とは違って、安心してみていられるのです。
 
 適正で美しい日本語の用法に気を遣っていることも民放との大きな違いであって、評価できます。少し気をつけているとわかりますが、私が大嫌いな「誤・スゴイ」をそのままキャプションで流すこともNHKに関してはありません。つまり、放送の内容自体には、民放と明らかな差があることは素直に認めます。
 
 とはいうものの国民の多くがNHKの受信料に疑問をもっていることは事実であり、「なぜ視ていないのに金をとられるのか」という疑問(憤慨)はしごく適正、もっともであります。支払うことに条理的な違和感はあるが、法令できまっている以上それを遵守することは必要であるという、ゆるやかな強制力に従う形で多くの視聴者は支払ってるのです。できることなら法律違反は誰だってやりたくないということであって、「支払う必要はないんですけど、払ってもらえますか?」なんて集金に来たら、いったい誰が払いますかいな。
 
 NHKが真に公共放送として国民の支持を得るためには、受信料というこの特異な制度を改めるべきです。といっても取りざたされるような「支払い義務化」ではなく、見たい人は金払って観る。見たくない人はもちろん観なくていいから金払う義務もない。つまりは他の有料放送と同様にスクランブル化すべきなのです。
 
 「そんなことしたら、視ない人が増えて受信料収入が減って経営が苦しくなる」というのがNHKの実際のところでしょう。しかしながら、情報公開が厳しく求められる昨今、発表されたNHK職員の人件費は極めて高い。およそ考えられない高額の給与を会長をはじめとする職員でウハウハ山分けしておきながら、「経営苦しい」なんてコメントは言っちゃダメなのです。
 
 税金を投入しない現状のNHKのあり方をこの先も続けたいならば、「そのへんの民放と一緒にするな」という傲慢な態度をただちに改め、過去の理不尽な経営を真摯に反省し、国営有料放送の名に恥じないよう、ただちにスクランブル化を実施することです。強制ではなく、お金払っても観たい人だけ視られる。そんな仕組みが一番合理的で、視聴者の支持が得られるのです。

WELCOME

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PROFILE

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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