究極の神域

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P9023870.jpg 今年は伊勢神宮の20年に1回の式年遷宮の年です。わが家は奥さんともども初詣にも行かない不信心で罰当たりなヤカラですが、その不信心を補ってあまりあるミーハー精神を持ち合わせています。「今年は20年に一度のチャンス、式年遷宮イヤーー!」という世の風潮に乗せられるのは自然な流れということで、数十年ぶりにお伊勢参りに行ってきました。

 せっかくやからと伊勢・鳥羽周辺の温泉と美味しいもの堪能も兼ねてと、何とも動機不純な神様詣でであります。

 オーソドックスに外宮→内宮というざっくりした計画のもと、とりあえずクルマで出発。おりしも台風と前線の影響で日本中大雨となった2日間、車軸を流すような土砂降りの中、高速道路を東へ東へ。

 外宮に着いた頃には小降りとなり、この日はいちにち中、降ったり止んだりの空模様でした。

 世間の子どもたちの喧噪を避けるため夏休み明けの平日としたのですが、その分大学生らしき若者たちが多い。彼ら彼女らはまだまだバケーションの最中なのです。あちこちでグループがきゃあきゃあ騒いでます。こらこら、神聖な場所やぞ。

 しかしさすがにテレビで見た初詣なみの混雑はなく、ゆっくりお参りできました。これから気候が良くなっていき、遷宮行事のクライマックスである10月の「遷御」に向けて、だんだんに大混雑となっていくことでしょう。その時のテレビの特集によると、今回の式年遷宮の行事は2005年にスタートしておりその後8年にわたって30以上の祭典や行事が行われているそうです。社殿の建て替えのほか装束や神宝などをすべて新しくするのに要する総費用は700億円以上やとか。戦後は国や地方公共団体から費用出せませんから、すべて参拝者の浄財、つまり寄付やお賽銭なんかで賄ってることになります。まあ集まるもんですな。さすが日本人の精神の根源、こころのふるさと。

P9023862.jpg 外宮のお参り済ませて、いよいよメインの内宮へ向かいます。やっぱり外宮よりも人出が多い。旧参道沿の「おはらい町」と「おかげ横町」は、伊勢観光のポイントだけあって平日、悪天候にもかかわらず大変な人出ですわ。奈良や京都の寺社門前の商店街をも凌ぐ活況です。シーズン中の混雑は想像を絶するものでしょう。

 超有名どころ赤福本店です。はるか過去に来たお伊勢参りの際は、おはらい町はこんなにキレイに整備されてなかったように思いますが、この看板は見た覚えがあります。子どもの頃から伊勢といえば赤福と刷り込まれてきました。昭和の頃、奈良県から伊勢・志摩は手頃な行楽地やったため、近所の人からやたらにお土産にいただいてたのです。最近は甘い物、食べなくなりました。最後に赤福餅食べたのはいつやったか。今回も結局買いませんでした。

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  ちょうどお昼どきというので、おかげ横町の漁師料理「海老丸」さんで天丼をいただきました。出発前にこっそりチェックしておいた逸品です。夕食の料理に勝負かけるんやから昼食は軽くしといたら、という奥さんの意見を却下し、せっかくやからと普段はあまりお目にかからない大っきなエビ天を堪能しました。これがやっぱり後で響いてくるとも知らず(^^;)

P9023871.jpg 真新しい白木の一の鳥居を抜け、ミンミンゼミの鳴き声が響き渡る参道を辿っていくと左手に工事中の新御敷地が見えてきました。正宮屋根に神明造の特徴である鰹木(かつおぎ)が並んでいるのが見えます。内宮は10本で外宮は9本やそうです。知らんかったわ。

 一般に伊勢神宮と呼んでますが、本当の名前は単に「神宮」やそうです。神宮を名乗るところは明治神宮、橿原神宮、熱田神宮などいくつかありますが、社名のない神宮はここだけやとか。日本中の神社の頂点に立つ唯一至高の存在ということです。

 あらためて日本人の宗教観を思います。仏教と神道は日本人に深く浸透してます。というより神道は国そのものであって神道があるところに日本人が生まれてきたわけやから浸透はおかしいか。仏教はあとから入ってきて根付いたのやから浸透でよろしい。P9023882.jpg

 近代になっていろいろあったので、政治が特定の宗教をえこひいきしちゃダメということになりました。その結果、神道も今は政府の庇護から外れてしまってますが、そもそも神道が宗教かということは難しい問題です。何をバカなと言われそうですが、見方を変えるとそうとも言い切れないのではと思います。

 仏教やキリスト教なんかには教祖様がいて、教義があって、信者はお坊さんや牧師さんからいろんなことを教わります。布教も行います。しかし神道にはこれらが一切ない。教祖もなければ教えも何もない。神社の宮司さんは祭司は行うけど説教や布教はしない。宗教というにはあまりにもヘンです。

 日本人はよく自分は無宗教と言います。初詣は神社へ。お葬式にはお坊さんが来て仕切るけど、結婚式は教会で。クリスマスにバレンタイン・デー。もう、めちゃくちゃです。本当の信者であるとしたら、ありえないとんでもない狼藉であって、これでは結局「無宗教」といわざるを得ないわけです。しかし本当に敬虔な浄土真宗の門徒であっても神社にもお参りするし、多くの家には仏壇と神棚が祭られてます。これはつまり日本古来の神道に仏教を受け入れる余地が充分にあったからです。仮に神道ではなくキリスト教であったとしたら、こんなことは絶対にあり得ない。「神道は宗教か?」との命題が現れる所以です。現代的な宗教の定義にあてはめれば確かに宗教と言わざるをえないのですが、日本の悠久の歴史と日本人の精神の成り立ちに思いをいたすと、理屈を超えたところで神道は宗教とは別次元のものであるような気がしてきます。かつて国家神道によって道を誤った日本の近代史を思うと、これは非常に危険な考え方やと指弾されそうです。しかし、ごく最近に起こした、いっときの過ちによって、悠久の古来より受けつがれてきた日本人の日本人たる精神の在り方を変えてしまうことはあってはならないとも思うのです。

 ともあれ、ミーハーふたりはお宿にとうちゃく。温泉を楽しみいざお食事となって、やっぱり昼間の天丼がたたってきました。伊勢エビやアワビを贅沢にたくさん使った豪華海鮮懐石、いつものようにたくさん残してしまう結果とあいなりました。奥さんから「まったく学習しないやつ」とさんざバカにされたのも、いつものことです。

 お土産に買って帰った地ビールが思いのほか美味しかったので、早速ネット通販で1ケース発注してしまいました。「量」はこなせないくせに、美味しいものにはどこまでも貪欲なのです。

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 今、配送が来たので、追加アップ。 

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

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雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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