2cmの狭間で

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 大阪はいいお天気の日曜の朝です。

 先週、巨大強大な寒気が南下して日本列島をすっぽり覆うとかで、10年に一度の冷え込みという触れ込みで日本中が盛り上がりました。なんだか近年、天気予報界隈では「観測史上最大」だの「数十年ぶり」だの、自然現象の歴史的な修辞が目に付きます。気象庁は、ことの重大さを訴えるために一生懸命なんやなと。で、実際に終わってみたら大したことなかった場合が多いわけですが、それでも例の車列の立ち往生や大渋滞、スリップ事故などは頻発しました。幸い大災害とはいえない影響で、事前に臨時会見までやって必死に警戒を訴えた努力が実ったというべきでしょう。気象庁、しっかり仕事してます。

 一方テレビのニュースや天気予報では、ここぞとばかりに各地の豪雪の様子を伝えてます。普段雪が降らない地域に出かけたレポーターが「すでにみぞれ混じりの雪が降りはじめました」なんて言ってますが、霙(みぞれ)って雨と雪が混在している状態のことなんで、「みぞれ混じり」なんて言葉はそもそもありません。あちこちたくさん派遣せんといかんので、お天気のことあまり知らないのんが駆り出されたのでしょう。プロなんやから最低限の勉強してから仕事しろと言いたくなります。

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 各地から大雪関連のニュースが発せられる中、例によって大阪は蚊帳の外です。さすがに今回はうっすらと積もりはしたけど大雪とは程遠い状態で、ただ寒さだけが際立ちました。関西ローカルの天気予報、積雪量を示す画面で近畿では大阪府だけスッポリ抜けてます。まるで、このエリアだけ地べたにヒーターが入っているかのようです。

 わたしが通勤に使っている電車も、JR学研都市線、おおさか東線と終日運休となりました。何かあるとすぐに止まるこの路線も、さすがに丸一日まったく動かないのは珍しい。クルマで出勤できたのは雪がない大阪なればこそです。常々雪が少ないことボヤいてますが、今回は降らないことで助かりました。

 一方、電車しか通勤・通学の手段がない人は災難でした。京都線、琵琶湖線、湖西線といえばJR西日本の中でも利用者が多いドル箱路線です。それが雪で止まってしもた。運休ではなく、走ってる途中で動かなくなったのです。何百人もの乗客が車内に7時間以上も閉じ込められ、気分が悪くなって救急搬送された人が十人以上いたというから、とんでもない話です。結局電車は動かず、乗客は7時間半経った真夜中に線路に下ろされ、あとは勝手に帰れと。

 不運にもこれら止まった電車に乗ってたひとたちは誠にお気の毒です。7時間半立ちっぱの人もいたわけで、もしも自分がと考えるとこれはもうね、絶対に許せません。

JRyuki.jpg 謝罪会見聞いて唖然としました。ポイントが雪で切り替わらなくなったことが原因という説明ですが、そもそも雪が降った際にポイントの雪を解かす設備があると。ところがその装置、10㎝積もったら動かすことにしてたけど積雪8㎝の予報やったから作動させんかった、結果沢山積もって動かんくなったということです。

 アホかと言いたい。

 天気予報で言う8㎝と10㎝、どれほどの差があるというんでしょ。「2㎝なんて誤差の範囲。念のため作動させとこ」と考える駅員が誰一人いなかったのか。8㎝で作動させたら誰が困るのか。危機管理がまったくできていない。あれほど危機意識を煽った気象庁の努力も無駄でした。

 これは、異常気象による不可抗力ではありません。会見したJR西の担当者「夜中に雪が降る中で客を降ろすのに躊躇して判断までに時間がかかった。プロセスが正しかったか検証していきたい」とか言ってました。そもそも原因となった8㎝と10㎝の件もちゃんと検証して、さらに乗ってたお客様に対してどう落とし前つけるのかということにもしっかり対応すべきです。尼崎の脱線事故同様、JR西の黒歴史として継承していくべきでしょう。

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katsuhiko

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奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

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