センセイと呼ばれるほどの...

| コメント(0) | トラックバック(0)

 明日からしばらく出張しますんで、また土曜の夜にブログの更新です。

 今週の朝日新聞に「センセイ呼び 地方では変化」というコラムが載ってました。議員に対して先生と敬称をつけるのはなぜかという話です。結論は「よくわからない」ということでした。

 朝日は広辞苑を引用して「先生」とは、①先に生まれた人②学徳の優れた人 ③教師 ④医師、弁護士などに対する敬称 ⑤他人を、親しみまたはからかって呼ぶ称 と説明してます。「議員」とは書いてないよ、というのが朝日の言いたいことみたいです。seiji_souridaijin_bg3.png

 先生と言えばまず教師のことでしょうよ。「あの人仕事なんなん?」「先生やで」と言えば普通、教員やと理解します。だから広辞苑が医師、弁護士などの敬称と区別して、しかもそれより先に「学校の先生のこと」という語釈を掲げるのは正しい。しかし、いの一番目が「先に生まれた人」ってこれは広辞苑、どうよと思います。こんな意味で「先生」使ってる例を私は寡聞にして知りません。

 まあそれはいいとして「議員センセイ」の話です。これは④に該当する、つまりは敬称です。相手を敬うために〇〇先生と呼ぶわけで、議員はエライという認識が前提にあります。それが昨今「議員ってエライの?」という疑問が生じて見直しにつながってると。大阪府議会では今年、議員を先生と呼ぶのはやめると決めたんやとか。ほかにも「〇〇議員」「〇〇さん」に改めるところが出てきているけど国会では旧来のままやで、というのが朝日の記事の主旨でした。さて。

 議員も別に「先生」でいいと思います。「先生と呼ばれるほどのバカでなし」という川柳もあります。呼ぶ人は別に議員に尊敬を込めて先生と呼んでるのではありません。名前よく知らないし呼びかけるのに便利やから使ってるんであって、しいて言うなら広辞苑の⑤番目、むしろからかってるのです。呼ばれた方もそう理解でけんとあきません。先生と呼ばれて「俺は偉いんだ」と思うような輩は議員に向いてません。

 school_class_seifuku_aseru.pngかつて、学校の教師になりたてのある若者が「先生と呼ばれると何だか面はゆいです」と言ったところ先輩教師が「アホか。相手は敬って言うてるんやのうて単に職名を呼んでるだけやど。エラなったと勘違いすなよ」と諫めたとか。この先輩、なかなか分かってらっしゃる。先生と呼んどけば相手の名前覚える必要もないし、いろいろ便利なのです。

 どんな仕事の人を「先生」と呼ぶのか、基準はあるのかと考えてみるわけです。士業(弁護士、税理士、会計士、司法書士など)の人はたいてい先生と呼ばれますがこれは、職務上個人顧客と一対一で接するからではないか。その際に客が話しやすいからではないか。例えば、歯科医院でドクターのことは「先生」と呼べて、話をしやすい。一方、歯科技工士さんは先生ではない。名前も知らないと「すみませーん」としか呼べんくて、これはなんとなく不便なんです。しかし、もしそうやとすると理髪師、美容師、ネイリストやなんかも先生でいいよなもんやけどそうではないから、これはやっぱり違うか。

 人を教え導く、指導的地位にある人に対しては先生と呼ぶ、という説もあります。しかし、作家や漫画家も先生と呼ばれるけど、別に誰かを指導してるわけではありません。かの慶應義塾では「先生」というとそれは福沢諭吉のことを指し、それ以外の教員は君づけで呼ぶ、とホームページに書かれてました。「〇〇君の授業今日は休講」なんて通知されるらしい。ほんまかいな。実に違和感があります。学生が教員に対して「〇〇君、質問があります」なんて言うてるんやろか。にわかに信じられません。変な学校。

 桂枝雀さんは生前、古来、寄席の演者のうち講談をかける講釈師だけがなぜか先生と呼ばれると言ってました。もうね、わけ分からん。やっぱり先生呼びの基準は不可解だわ。

トラックバック(0)

トラックバックURL: https://corridor0108.main.jp/mt/mt-tb.cgi/711

コメントする

WELCOME

CALENDAR

PROFILE

IMG_0227_2.jpgのサムネール画像のサムネール画像

katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

月別 アーカイブ