政治と宗教

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 安倍元首相の暗殺以来、犯人が統一教会から受けた仕打ちが安倍さんへの逆恨みとなって犯行に至った経緯が徐々に明らかになってきたことで、このカルト教団がにわかに注目を集めています。

 統一教会の悪名が一躍社会に広まったのは1980年代のこと、いわゆる霊感商法事件でした。メンタル弱い人につけこんで「あんたの先祖の霊が苦しんでいる。これを買えば治まる」ということで、高価な印鑑や壺を買わせる詐欺商法を日本中で展開し、国会でも社会問題として何度も取り上げられました。

cult_kyoudan.png その後多数の訴訟が提起され、教団の使用者責任を認める判決がいくつも確定しました。暴力団構成員が起こした事件で組長の責任が厳しく糾弾されるのと同じで「信者が勝手にやったこと」という言い訳が通用しなくなったのです。その後消費者契約法の改正(2018年)によって、被害者は霊感商法の契約をソッコー取り消すことも可能になりました。それでも、この反社カルト集団に騙されて財産を掠めとられる信者があとを絶ちません。

 二束三文の壺をン百万で売りつけた場合、常識的にありえないから違法性は明らかで簡単に詐欺が成立します。しかし、信者が献金しすぎて生活が破綻した場合などは、教団の強要ではなく被害者が自発的にやったと言われると詐欺の立証が困難です。宗教がらみの犯罪は人の内心に絡むのでやっかいなのです。いっそ「宗教団体への献金や寄付は年収の何%以下、教団はそれ以上の献金を受けたらあかん」という法律があればいいと思います。

 法律作るのは国会ですが、なんとその国会議員センセイたちも統一教会とは大の仲良しであることが次々に指摘されはじめました。

 教団が信者から巻き上げるお布施や献金は、原則的に非課税です。お寺や神社などの宗教法人は、物販で儲けても、たとえばおみくじやお守りなど参詣等の宗教的行為に付随する少額のものは課税されませんし、一千万円の壺や三千万円の教典を売りつけても、「これは無償で差し上げたものです。一千万円は別の献金です」と言えば、税務署職員はスゴスゴと帰るしかありません。宗教団体はタックスヘイブンなのです。 cult_family_shinpai.png

 そんな権益を維持していくために、都合が悪い法律を作らせない工作がいります。企業なら政治家に政治献金(=賄賂)を握らせるところですが、宗教団体はカネを出さずに人を出すのです。信者たちはなんせ洗脳されてますから、選挙の際に教祖様がひとこと「○○候補に」と号令かければ何十万人という信者は全員投票するし、さらに無給で献身的に選挙運動までやってくれるんです。政治家にとっても宗教団体は実にオイシイ存在なのです。だから、今回の事件で統一教会がふたたび社会から指弾されても、同じ穴のムジナである政治家が一緒になってやっつけるわけにはいかないのです。ずぶずぶの関係というやつです。

 経済安保大臣になった高市早苗は10年前に統一教会の月刊誌「世界日報」に対談記事が掲載されてたし、立憲の岡田元外務大臣も世界日報のロングインタビューを3回も受けてたくせに、どっちも今になって「教団の出版社とは知らなかった」なんて、誰が信じるかという話です。本当に知らなかったとしたら、それこそ底抜けのアホウと言えるでしょう。政治家なんてできるはずがない。とっとと辞めてしまいなさい。他にも教団関連の会合に出席したり祝電打ったりしてた議員はごろごろ出てきてます。皆さん「教団と関係あるなんて知らなかった」。この嘘つき野郎どもめ。むしろ「付き合いがあり選挙も手伝ってもらってた」と開き直った岸防衛大臣の方が正直でよろしい。この発言が響いたのか、防衛大臣辞めちゃったけど。

 一方今回の件で与党公明党の歯切れが悪いのは当然で、もうね、見てて可哀そうなほど。創価学会の政治部隊が公明党なんやから「政治家は宗教団体との決別を!」なんて主張できるはずがない。野党はここ奮起して攻勢を強めるべきなんやけどまあ、またいつものように、気がついたら「あれ、そいや最近テレビで統一教会のこと言わんようになったなぁ」と終息していくことになるのでしょう。

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