東欧憂慮

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 ロシアのウクライナ侵攻により、ヨーロッパで再び戦争が始まりました。

 ウクライナがNATOに加盟する、しないという話で、ロシアが「NATOは前に、これ以上拡大せんて言うてたやん」とヘソ曲げたのが発端です。それがどうやらウクライナ東部の親ロシア勢力が支配する地域を国として独立させるなんて話になってきてて、ロシアはその地域の治安維持のために軍事侵攻すると。クリミヤ半島侵略の再現です。こんなものは世界中の誰も納得できない、理由にならない屁理屈に過ぎません。治安維持したいなら自分たちがとっとと撤退すればいい。国際社会からの非難の高まりに対するロシアのなりふり構わない逆ギレにほかなりません。

sensou_senjou.png 日本は昭和の始め侵略戦争を始めてボロ負けし地にまみれましたが、新疆やチベットを武力併合した中国のように、侵略に成功した例は世界史上にたくさんあります。むしろ侵略戦争の繰り返しで世界史が形作られてきたといえます。

 かつてソ連は、西側のNATO(北大西洋条約機構)に対抗するためにワルシャワ条約機構の軍事同盟で共産主義陣営の結束を維持してきました。しかし冷戦の終結、ソ連の崩壊とともに機構は解散、NATOだけが残りました。そしてその後ワルシャワを首都とするポーランドをはじめ、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニアなどかつてのワルシャワ条約機構加盟国や、ソ連の一部やったバルト3国までがNATOに加盟しました。

 ロシアにしてみたら、これは面白くない。共産主義体制は崩壊したとはいえ、米ロは依然として世界の覇権を争う対立関係にあるわけで、米国の同盟国がこれ以上増えるとヨーロッパにおける自国の立場がどんどん悪化することになります。今後さらに隣国のウクライナがNATOに加盟すると、米国製の核ミサイルが首都モスクワのすぐ近くに配備される可能性すらあります。かつての「キューバ危機」の逆バージョンです。そこで、まだなんとか同盟関係にあるベラルーシとともにウクライナをいてもうたろと。ついでにウクライナ東部のゲリラ地域を独立させて、万一ウクライナがNATOに加盟しても干渉地帯として使こたろという魂胆です。プーチン恐るべし。

 しかし、こんなことしたら逆に「ほら見てみ。言わんこっちゃない。せやからウクライナはNATOに加盟してロシアに対する防衛を強化せんとあかんのや」と、思惑とはまったく逆の結果になることに、この親父気が付いてないんやろか。

 東ヨーロッパのウクライナなんていうとどこか遠い遠いところの話と感じがちですが、見方によると日本の隣の隣の国です。国際社会でロシアの横暴がこれ以上容認されることが無いように、無益な戦争が一刻も早く収束するように願うばかりです。

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