茶髪?黒髪?

| コメント(0) | トラックバック(0)

 いいお天気の土曜日、しばらくは暖かい日が続きそうです。コロナ禍下でのストレスの発散のため明日早朝から釣りに行くので、土曜日にブログ更新しています。

 オリンピック関係のゴタゴタは少し離れて、久しぶりに裁判のこと書いてみましょ。

 近年の少子化で大阪府立・市立の高校再編が続いた際に、昭和の時代まで単純に地名を冠してきた多くの高校が、合併を機に私学顔負けのハイカラな名前に変わっています。

 咲くやこの花高校、淀川清流高校、大阪ビジネスフロンティア高校、枚方なぎさ高校、北摂つばさ高校、みどり清朋高校、八尾翠翔高校、緑風冠高校、門真なみはや高校、枚岡樟風高校、りんくう翔南高校...

 そのうちのひとつ、羽曳野市にある府立懐風館高校の女子生徒が、地毛を黒く染めるように強要する学校の指導はイジメに等しい人権侵害で、そのために不登校となってしまったと、精神的苦痛に対する損害賠償請求を訴えていた裁判の判決がありました。

 過去、この手の裁判は「学校の指導、裁量の範囲内」ということで生徒側敗訴となる判例が続いてます。今回も、女性が不登校になった後、教室に席を置かず生徒名簿からも削除した学校の対応は違法であるとして33万円(原告請求は慰謝料など約220万円)の損害賠償を命じたものの、染髪指導に関しては生徒側が負けた形となりました。先例に倣ったどうってことのない判決なのですが、いろんな報道を読んでると、裁判の内容はどうもそう簡単ではありません。

kogyaru.png

 単に「茶髪の禁止は憲法違反!」と訴えたのなら、今や勝ち目はありません。染髪・脱色なんでもありの自由な府立高校もある中で、ルールを承知で入学してきたんやからという理屈を覆すことは困難です。しかし今回の生徒は、もともと地毛が茶色いのに黒く染めることを強要された、と訴えました。そうなると話は違ってくる。

 週刊誌の取材に対してこの学校の教頭は「染髪や脱色は禁止しているが、本来の色を黒くしろというルールはないし、強制したことはない」と明言しています。生徒の言い分と違ってきて、どちらかがウソをついていることになります。

 その上で判決が学校の言い分を認めたということは、生徒はもともと黒かった髪を茶色に染めたので、学校はそれを元に戻せと強く指導した、というのが裁判所が採用した事実ということになります。

 マスコミは「茶髪禁止は憲法違反」なんて判決が出た方が盛り上がるんで、そっちを期待します。しかし今回、裁判所は生徒がウソついてるという評価をしました。そうなるとそもそも憲法違反の訴えなんて真剣に聞いてももらえません。むしろ、きちんと校則を遵守している生徒が訴えた方が勝つ可能性が高かったように思います。悪法も法なり。きちんとルールを守った上でその不合理を訴えるべきなのです。

 ところで「学校の指導、裁量の範囲内」はいいとして、なぜ茶髪は禁止されるんでしょ。センセイに言わせれば「服装の乱れは規律の乱れ。非行につながる」ということなんでしょうけど、服装が乱れたから非行に走るんやなくて、非行に走ったから服装・容姿も乱れてくるんやないでしょか。茶髪や服装禁止するのは、単に学校側が統制し易いからではないのでしょうか。生徒個々の思想、言動、考え方について逐一把握し、不適切であれば指導するなんて手間は勘弁してほしい、だからぱっと見分かり易い服装やミバさえきちんとしてればとりあえずヨシとする。センセイ方御多忙の中でその方が楽なんでしょうけど、何か違う気がします。しかも他の府立高校に茶髪の生徒はたくさんいますが、必ずしもみんな不良やとはいえませんよ。

 とはいえ、この提訴ののち府下の多くの高校で「ポニーテール禁止」や「下着は白以外ダメ」などの昭和な校則を見直す動きが進んだといいますから、社会への多少の影響はあったと評価すべきでしょう。 

トラックバック(0)

トラックバックURL: https://corridor0108.main.jp/mt/mt-tb.cgi/618

コメントする

WELCOME

CALENDAR

PROFILE

IMG_0227_2.jpgのサムネール画像のサムネール画像

katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

月別 アーカイブ