久しぶりの新幹線で思ったこと

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 実に久しぶりです。先週、出張で新幹線に乗車しました。

 その前乗ったのがいつやったかと手帳を繰ってみると、なんと今年の1月末ですから実に9カ月ぶり。それまでは月に23回は乗ってたのにこの変わりよう。言うまでもなくコロナのせいです。この間世界中が移動自粛で、仕事も急速にオンライン化が進行し、出張を伴う業務は可能な限り削減されました。休みの日もずっと家にこもるようになり、G.W.や夏休みも含めて旅行にも全く行ってませんでした。

 それが、コロナの第2波が収束に向かい、県をまたいでの移動が解禁され、逆にGo To Travel キャンペーンで旅行が推奨され始め、仕事でも「そろそろいっか」と徐々にリアル出張が生じ始めました。

 それでも、列車内は以前に比べてかなり空いてます。これはゆゆしき事態ですよ。日本が世界に誇るこの高速鉄道は、従前のように多くの人が列島を縦横無尽に移動し続けることを前提にダイヤや料金が成り立っているわけです。この乗車率では採算がとれるはずがなく、今年の客枯れはシステム全体に大きな打撃となったはずです。日本がコロナの影響から完全に脱するにはまだ何年もかかるでしょう。果たしてそれまで持ちこたえられるかという話です。coronaressha.jpg

 それどころか、今年一気に社会のシステム全体がオンラインに舵を切ったことで、コロナ収束後も人の移動量が以前の水準には戻らないことが十分に考えられます。

 そうなると、リニア中央新幹線が果たして必要かという問題が再燃しそうです。作ったはいいけど利用者が当初の見込みほどいなくてどんどん赤字が膨らんでいく、仕方ないから運賃値上げしてさらに利用者が減る悪循環が続き、いよいよ国策事業の継続のため損失補填に税金がジャブジャブ投入されていくと。

 昭和の昔、東京、北海道間の鉄道旅客量の増加で青函連絡船が飽和状態となり、急きょ青函トンネル作りはじめたはいいけど、長距離客は鉄道から飛行機へとどんどん移ってしまって「もう、トンネルなんかいらんやん」ということになり「昭和の万里の長城」と揶揄された歴史があります。津軽海峡は違った意味で冬景色になってしまったのです。今ではなんとか形を整えて新幹線が走ってますが、走れば走るほどわんさか赤字が嵩み続けてます。それでも札幌まで延ばす工事は続けるそうです。

 東京から札幌に行くのに、また鹿児島から上京するのにトコトコ電車で行こかという人が果たしてどんだけいるのか。新幹線が来たことで沿線にどれほどの経済効果があるのか。おそらく投資に見合うだけの効果は無いでしょう。整備新幹線計画は国策として地方振興のためにある程度採算を度外視し、首都圏や大阪で稼いだ分を地方にばらまくことを是としてきたことは分かります。しかし、現時点の人の移動の減少という状況の変化によって、大都会におんぶにだっこ状態が耐えられる限界を超えてしまいそうなのです。

 「コロナ後なんて無い」とも言われてて、人類はずっとコロナウイルスと共存することを迫られてるわけです。計画立案時点と状況がすっかり変わってるんやから、ここはいちど考えなおさんとあきません。当初計画を無理に進めると青函トンネルの二の舞になってしまいます。新幹線やリニアに限らず、その他様々な公的事業も同様で、大きなwithコロナ問題です。

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