疏水クルーズ

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20181125_022641000_iOS.jpg もう先々週のことになりますが、京都の疏水クルージングというのんにお誘いいただき行ってきました。

 琵琶湖疏水といえば琵琶湖の水を京都へ流すために明治時代に作られた水路で、日本の近代化事業の好例として日本史の教科書にも載ってる有名なスポットです。しかし、船に乗って行き来できるとは知らんかった。知らないはずです、今年の春に始まった事業で京都市の観光局か水道局か、なんしか公けのとこがやっているらしい。それが実はものすごい人気で、なかなか予約が取れないんやとか。持つべきものは京都通の友人。ありがたい話です。

20181125_023311000_iOS.jpg 京阪電車蹴上の駅から少し歩いて乗船場へ。ガイダンスで乗船時の注意など受けた後、防寒防水用のお揃いのごっついジャンパーを着込んで乗り込みました。船は2艘あって「めいじ号」と「へいせい号」色違いの同じ型です。客定員12名、6人ずつが背中合わせに座るんで眺めの片側しか観られません。

 全長約8㎞のコース、いくつかトンネルがあり、出発してすぐにひとつ目のトンネルに入ります。中はかなり気温が低くヒンヤリしてます。疏水沿いには散策コースの遊歩道が整備されてて、多くの人が手を振ってくれてます。歩道沿いには延々と桜が植わっててほかの木々とともに紅葉が見事です。桜の季節もきっとさぞかしいい眺めでしょう。20181125_015643000_iOS.jpg

 航行中、ガイドのおじさん(おそらくは水道局の関係者)が疏水の特徴や歴史なんかについてず~っと喋り続けてます。なかなかの情報量です。トンネルの出入口の上にそれぞれ扁額がかかってて、おじさん誰が揮毫したとか何が書いてあるとか早口で教えてくれるんやけど、なにせ船が速くてじっくり見ることができない。何らかの事情により途中で停めたり徐行したりができないんでしょけど、これはもったいない。あとで調べてみると、扁額はいずれもそうそうたる明治の元勲らの手によるものでした。

  第1トンネル 「気象萬千」伊藤博文、「廓其有容」山県有朋
  第2トンネル 「仁以山悦智為水歓」井上馨、「随山到水源」西郷従道
  第3トンネル 「過雨看松色」松方正義、「美哉山河」三条実美

HENGAKU.jpg20181125_020005000_iOS.jpg最後に入った「第1トンネル」が2,436mといっちゃん長い。ここを通っているときになんと、トンネルの壁面に疏水紹介の映像が映されます。船から照射してるのです。これはなかなかいい趣向です。

 疏水の中はいつの時代ももちろん立入禁止ですが、戦前後の頃は子供たちがよく泳いでいたらしい。そして、この一番長い第1トンネルを東から西に泳ぎ切るとガキ大将仲間のステータスが上がったんやとか。真っ暗の中を2キロ半流されていくわけです。ちなみに現在では疏水の両岸はコンクリが打設されてて、ひとたび落ちてしまうとよじ登るのは困難なので「まんいち落ちた場合は、とりあえず蹴上あたりまで流されてから助けてもろてください」とのこと。

 約35分で終点の琵琶湖畔三井寺にとうちゃく。

 疏水はそのまま琵琶湖につながってるわけではなくて高低差があります。そこで、閘門(こうもん)という施設でもって船を上げ下げするのです。パナマ運河のミニチュア版です。大阪にも淀川と大川の分岐に毛馬閘門があります。茨城県にあったら水戸閘門といいます。知らんけど。20181125_023614000_iOS.jpg

 われわれが乗った便は蹴上⇒三井寺の「上り便」でしたが、もちろん逆方向の「下り便」もあって、おもしろいことに下りは約55分とずいぶん時間がかかります。上りはエンジンフル回転で疾走するのに対して、下りはほぼ水の流れに身をまかせてのんびり行くかららしい。料金は同じです。

 クルーズは蹴上発着ですが、疏水じたいはさらに京都市内へと続いています。そいや洛東の哲学の道も分岐した疏水沿いにのびてます。ひとりで、またいろんな人と一緒に歩いた想い出が甦ります。やはり京都は魅力的なスポットが多い。奈良ほどではないけど。

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