万年筆つれづれ(5)

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 お彼岸も過ぎ、そろそろキンモクセイの芳香も漂い始めた秋の日の朝です。久しぶりに万年筆のこと書きます。
 
 長年使ってるモンブランの調子が、少し前から悪い。ペン先はいたって好調なのですが、どうもインク漏れがする。充填のために軸をはずすとドバーっと溢れ出してくるのです。異変を察知して洗面台に持ってって解体したのでことなきを得ましたが、いつものように机の上でやってたら大変な事態になるところでした。
 
 どうやらコンバータと本体の接続部分がダメになっているわけで、さて困った。
 
 これはもう寿命かとあきらめる前にコンバータの交換を試してみることにしました。
 
 ほかのモンブラン製万年筆のコンバータをはずしてつけてみても、どうもおさまりが悪い。すきまができてるらしく、すぐにはずれていまう。これでは使えません。両方のコンバータ並べても見た目では寸分違わずまったく同じものに見えるのに。書いてるうちに軸の継ぎ目からインキがにじんできたなんて、シャレになりません。
 
 ネットで調べてみると、モンブラン現行機種のコンバータは、70~80年代の古いモデルとは造りが微妙に違ってて、ようは使えないらしい。さらにネット上にはピッタシの商品がみつかりません。純正のコンバータが手に入るまでこのモンブラン、しばらく使えないということになりました。
 
 普段、何本か使っている万年筆はすべてコンバータ使ってインクを充填してます。カートリッジよりも割安感があり、しかも地球にやさしい。
 
 今回コンバータがダメになったモンブランはかつて純正のワインカラーのインクで使ってましたが、今はパイロット製のバリエーションで「月夜」という明るいブルーのインクを入れてました。他社製はお断り、保証せんぞという能書きがありましたが、保証もなにも40年近く過去の商品を保証してくれというつもりもないので、気にせず使ってました。そのせいもあってかどうかは分かりませんが今回、心臓部であるペン先ではなくコンバータに不具合が発生したというわけです。
 
 このパイロットの色インク(パイロットでは「インキ」と呼んでますが)、「色採雫(いろしずく)」というシリーズで、公的な文書用定番の黒やブルーブラックではなく、プライベートで楽しめるさまざまな種類の色が出てます。
 
 かつてモンブランのそのワインカラーの色インクが少なくなってきたので、買っとこうと前回入手した梅田ロフトに行ったところもう置いてなくて、代わりにあったのがこのシリーズでした。思わずほしくなり「月夜」と「山栗」というのんを買ってしまいました。やまぐりは濃い焦げ茶色です。
 
 思い立って、今うちにどんだけインクがあるのか引っ張り出してみました。IMG_4258.jpg
 
 書斎の机から手を伸ばして集められる範囲だけでこんだけありました。家じゅう探せばもっとあるかもしれません。中央のパイロットインキは恐らく半世紀近く前のものです。右下のモンブランの簡易ボトル買ったのもかなり昔の気がします。
 
 ボールペンなどの手軽で便利な筆記具に比べて、万年筆は実にデリケートで扱いが厄介で、少し油断すると思うように書けなくなる。常にベストのコンディションを維持するのはなんとも大変です。しかし、その手のかかるところが逆にいい。
 
 もらった手紙が例えば毛筆で書かれていれば、書いた人の思いのほどもいや増してわかるというものです。それとおんなじで、手間がかかるばかかるほど書くことへの思い入れが高まり、より心がこもった文章も書けるような気がします。だから、万年筆。それも手軽なカートリッジではなくて、下手すればそこいら中インクの洪水になって、奥さんに烈火のごとく怒られるリスクを抱えながら、これからもコンバータ式を使い続けることでしょう。
 
 今日はこれから、予約してたiPhon6sを引き取りに出かけるので、ついでに心斎橋のモンブランブティックまで足を延ばすとしましょうか。

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