石楠花の寺

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 室生寺に行ってきました。P5034527.jpg

 奈良の個性ゆたかな多くのお寺の中でも、「女人高野」のふたつ名とともにホンワカした印象があって超有名なお寺ですが、例によってまだ行ったことなかった。行きたい、行きたいと思っているうちに五重塔が台風で損壊したのが6年前。修繕が終わって、さあ行こう行こうと思いつつ月日は流れ、やっと今回念願叶ってお参りできたのです。

 奈良の多くのお寺とは違って、奈良盆地から東に遠く離れた山の中にあります。最寄駅は近鉄大阪線の室生口大野。バスも出てますがハイキングルートがあり、一部は東海自然歩道になってます。せっかくやから歩くこととにしましょう。GWの最中でしたが、時間が早いことから周囲にハイカーの姿はまったく無し。

P5034548.jpg 駅から歩き始めて、駅名にもある大野寺という古刹の前を過ぎると室生川沿いの道になります。対岸の山の岩壁に「大野寺磨崖仏」が彫られています。

 このあたり道路工事中で、ガードマンのおじさん「今日は天気ようて、ええですな~」そのとおり、まさに森林浴日和。

 国道の橋を渡ってしばらく行くと「東海自然歩道入口」の看板が。ここからは山道に入り門森峠という峠までひたすら古道を登っていきます。ところがこの道、歩きにくい。大きな石がゴロゴロ転がっててちょっと気を抜くと浮石を踏んで足首をひねってしまいそう。ところどころ石畳になっているのですが、それはそれで落葉が湿ってると滑ってしまいそう。

P5034563.jpg なんとも歩きにくい道をひーひーと登りきり、峠を越えるとまた急な下り道、石がごろごろ、滑る!文句をタラタラと言いながら2時間くらい歩き続けてなんとか山道を抜け、室生の里に辿りつき目指す室生寺が見えてきました。

 ここまでくるとバスで上ってきた人たちも多くいて、まだ午前中ですがしっかりと休日の観光地の様相を呈してます。

 太鼓橋を渡っていよいよ室生寺の境内へと進みます。拝観料600円ですが前の人に倣ってJAFの会員証見せると100円負けてくれました。帰ってから調べてみると、なんと奈良県内のお寺はJAFの優待効くところがたくさんあります。円成寺や元興寺など、これまでに参ったことあるお寺も含まれてるやないですか。これはしまった。無知なるがゆえこれまでに大損をしていたことに気づきました。(--;)

 境内に入るといたるところに石楠花(シャクナゲ)が咲いています。あちこちで多くの人が三脚を据えて大きなカメラで撮影してます。そおいえば室生寺は奈良検定のテキストの「花の寺」の項で石楠花の寺と載ってました。気づかずに来たのですが石楠花はこの時期満開やそうで、確かに見事な眺めでした。無知なるがゆえに、想定外の感動の風景を楽しめました。

 P5034567.jpg大きな石段をゆっくりと登っていくとシンボルの五重塔が現れました。西暦800年頃創建といいますから奈良時代から平安のはじめ頃で、今に残る五重塔としては法隆寺のんに次いで古いそうです。知らんかった。文句なしの国宝。高さ16mは法隆寺の半分、興福寺の1/3というちんまりした姿。淡い彩色が周囲の杉木立の中に映えて、とってもきれい。また、石段から見上げる塔に石楠花の花がなんとよく似合うことか。梅にウグイス竹にトラ、富士には月見草、長谷寺に牡丹、蔵王堂は千本桜、大仏殿にはシカ。(^^)

 拝観終えてすこし早めの昼食は、太鼓橋のたもとの「橋本屋」さんで山菜とろろ蕎麦をいただきました。これは美味しかった。ヤマイモのとろろが逆さにしても落ちないくらい濃厚で、蕎麦つゆに入れるとプカプカ浮いてしまうので、つゆの方をとろろのスリバチに入れるように言われました。なるほど。

 室生口大野駅までバスに乗って大阪へと戻ったのですが、さすがにGW期間中、電車は予想外の満員でずっと立ったままでした。1時間歩くより、同じ時間電車で立っているほうが疲れるのはなぜでしょうか。ともあれ、好天に恵まれ永年の宿願のひとつを果たすことができた、初夏のうららかな一日でした。

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katsuhiko

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奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

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雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

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