小学館の憂鬱

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 東京一ツ橋の小学館ビル改築にあたって、漫画家さんたちが1階屋内の壁に落書きしたところ、それを知った人たちが見せろ見せろと大騒ぎになっています。そらそうでしょ。当世大人気の漫画家の直筆が一堂に集まっているのみならず、もうすぐ取り壊して無くなってしまうというのやから、その価値たるやプライスレス。まさに一見に値する貴重なお宝です。

 昨日、今日と一般公開されてて中に入って見られたそうですが、整理券発行で人数制限されたらしい。雨の中、多くの人たちが並んだことでしょう。行ってみたいけどどうにもムリ。わかってました。なもんで実は、先週の東京出張の際にちょっと足を伸ばして見てきたのです。

 ビルの前は平日の早朝ということもあり足を止めて見入る人もまばらですが、中にはわたし同様明らかにこれが目当てで来ましたという出で立ちで、カメラを三脚にセットしはじめる人も。

 P8203856.jpgもちろん建物内部には入れませんが、ブラインドなどもないので外からでも奥の方まで見えるようになってます。また、窓にもたくさん描かれてて、これは裏返しになるわけやけど後ろから白い紙が貼られててはっきりとよく見えます。中には外からの鑑賞に配慮してセリフを鏡文字で書いている絵もあります。小学館、これはなかなかの配慮ですわ。きっと話題作りでやってみたところ、できあがったものを見てはじめてそのとてつもない価値に気がついた、というところでしょうか。

 どうするよ、これ。本当にこのままとり壊してしまうのか。

 ところで、小学館といえば「小学館の学習雑誌」、好きでした。子どものころ、ほぼ連載マンガ目当てで買ってもらってたわけですがそれ以外の読み物や特集記事もまたおもしろく、あまり読まなかった学習ページもそれなりに興味を持てるよう工夫されてて、今思うと子ども向けの総合雑誌としては実によくできてました。学年ごとにターゲット絞れるので、読者の興味あるテーマについて突っ込んだ記事構成ができます。親は勉強ページを読ませたい。子どもは連載マンガが読みたい。ただのマンガ雑誌には無いこの凌ぎあいが長く支持されてきた要因でしょね。BENKYO.jpg

 ライバル誌は学研の「学習」と「科学」で、こちらは確か発売日に本屋さんが小学校に配達に来てたように思います。記事内容がグッと勉強モードにシフトしてて、わたしとしては「小学○年生」ほどの興味はない。ただ、こっちは付録が豪華でした。日常できない科学実験セットなんかが付いてて、これには興味津々こころときめいたもんです。つまり「グリコ商法」やったわけですな。高学年になるにつれて購読止めてしまってもっぱら小学館の方リスペクト、小学生時代懐かしのアイテムです。

  ところが時代は流れてこの小学館の学習雑誌、近年の少子化に加えて子ども達の娯楽の多様化の波に抗えず、なんとここ2、3年で「小3」「小4」「小5」「小6」あいついで休刊となり、今残っているのは「小学1年生」「小学2年生」2誌のみとなったそうです。一世を風靡した「勉強マーク」の威光も今は昔、げに恐ろしき子ども絶対数の減少です。大丈夫かニッポン。

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 わが家にも当時買った「小学○年生」何冊か残っていますが、比較的あとの時代の「小6」は1年分全部揃ってます。一部無くしてしまって近年になって古書店で入手したのも混ざってますが(^^)。今回、時代を経て発行元の小学館ビルの改築に立ち会った機会に、押し入れの奥から引っ張り出してきました。久しぶりにパラパラとページめくって見ると、驚いたことにほとんどのマンガのストーリーや記事の内容など、覚えてます。ちゃんと思い出せる。純心無垢な少年の脳には、砂漠の慈雨の如く浸透してしっかりと刻み込まれていたのです。

 これが最近やと、例えば文庫本で読んだ本のタイトルから内容を詳しく思い出せるのは、まあマレです。ミステリだと、犯人が誰やったかなんておそらくかなり読み進めないと思い出せんのやないやろか。情けないことに以前に買った同じ本を忘れててまた買ってしまったことも少なからずあります。

 これは記憶容量の飽和なのか、記憶力の衰退なのか、いずれにしてもおそろしい話・・・(^^;)

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katsuhiko

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