桜と建築家

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P3303605.jpg いよいよ新年度に向けて慌ただしさもきわまれりという先週の忙しない最中、建築家の安藤忠雄氏の講演会があり職場の仲間と行ってきました。「大阪を元気にする会」とゆうNPOが主催する、その名のとおりのイベントです。

 会場は中之島のグラン・キューブ(大阪国際会議場)です。いつきても思うけど、ここのメインホールはデカい。2,700人収容。それが満席ですわ。ところが司会の辛坊治郎氏いわく今回の参加者数なんと4,000人。入れない1,500人のためにまたあらためて講演やるのだとか。ひとりの講演でこれだけの規模の動員できる人は、あまりいないでしょう。すごい人です。

P3303629.jpg 安藤さんといえば言わずと知れた、大阪を代表する世界的文化人の筆頭格です。実は何年か前にも氏のイベントに参加する機会がありました。その当時すでに国際的な名声はグングン上昇しており「仕事で毎月1回ほぼ世界一周している」というようなお話に圧倒されるとともに、その大阪弁丸出しの語り口やご出身が学園近くの旭区赤川だということで畏れながら親しみを覚えたものでした。

 この日も会の主旨どおり、「大阪よ、もっと元気だそやないか」という感じのお話だったのですが、安藤さんがやってはるスケールの大きな仕事、行政の情けなさ、現代人に対するするどい提言に共感するとともに、氏の大阪に対する愛情の大きさに圧倒されました。仕事関連のセミナーや講演はたいがい途中で眠ってしまうのですが、このP3303602.jpg日ばかりは時間が経つのも忘れ、アゲアゲ状態のままあっという間に予定の時間が過ぎました。ホンマもんの凄さです。

 特に印象深かったのは、仕事に際して理想を抱くことの大切さです。
 
 「青春とは人生のある期間を言うのではなく、心のあり方を言う。
  …
 年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。」
  

P3303636.jpg 有名なサミュエル・ウルマンの詩を引用し、理想がないところに進歩はない、情熱があってこそいい仕事ができる、ということを、独特の声で力強く説く安藤さんのお話、実績を残してこられただけにすごく説得力があります。国や地方公共団体など大きな権力に対して次々と奇想天外な提案を投げ続け、「変わらないことこそがよい政治なのだ」という、役人が寄って立つ頑強な行動指針に対して挑戦し続け、そして勝利してこられた。

 天才だからこそできた、と言ってしまえば終わりです。私のように何の才能もない一般ピープルであっても理想を描いてできる範囲でがんばっていくことが大事なんやなぁ、と素直に感じることができた、素晴らしい講演でした。

 さて、昨日のこと。

 お天気がいい。大阪でもそろそろ桜の満開が近くなっています。出かけました。朝から淀川沿いの桜の名所、八幡市の「背割堤」桜並木を散策し午後は大阪市内の毛馬桜之宮公園に桜を求めて、なんと花見のハシゴとなりました。

 背割堤はまぁ置くとして、桜之宮公園に出かけたのは、先週の安藤忠雄氏の講演行ったからです。というのも、平成16年というからもう9年も前になりますが、大阪市が行った「桜の会・平成の通り抜け」という事業がありました。これは、大阪市の真ん中を流れる大川沿いに、毛馬桜之宮公園から中之島公園を結ぶルートを「平成の通り抜け」と位置づけ、桜を約一千本植樹し、"造幣局の通り抜け"とともに「平成の通り抜け」として大阪の桜の名所をつくろうとするものでした。この事業を提案し実行委員長を務めたのが安藤忠雄氏やったわけです。呼びかけに応じて募金が行われ、予想を上回る何と4億5千万円以上がチャッと集まったとか。千本どころか3千本以上植えられる、大川沿いではスペース足りなくなって、長居公園や南港など府下一円に植樹することになったらしい。なかなかのもんです。大阪も捨てたもんやない。

 大阪に限らずいったん始まるとノリでもっていくのは日本人の気質やと思います。問題は、誰が理想に燃えて立ち上げの苦労を引き受けるかということです。

 この事業、私も職場通じて寄付したのですが、その証として植えられた桜の木の支柱に名前の入ったプレートが付けられてます。その木が桜之宮公園にあるので、久々に見物に行ったという次第でした。

 ここの桜はまだ6・7部咲きといったところ。それでも多くの人がシートを広げてます。完全な宴会モードのグループはあまり見当たらず、皆一様に麗らかな陽光と花の眺めを静かに楽しんではる、春の日の午後でした。

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katsuhiko

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奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

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雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

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