懐かしのプチプチ

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P3203511.jpg 春分の日ともなると故郷下市の広橋梅林も見ごろを過ぎ、代わって桜前線がどんどん北上してきます。巷では消費税アップに向けた駆け込み需要が喧しい。大阪駅の窓口では定期券を求める長蛇の列。いつもは1日で届くドリップコーヒーの通販が、発注後10日経ってもまだ来ない。「ご好評をいただいてまして…」なんて言い訳してたけど何のことはない消費増税特需で生産と発送が間に合ってないだけでしょう。まぁ、しっかり稼いでください。

 そんな春の喧騒とワクワク感の中、昨日、わが学園の一角、大阪工業大学で学位記授与式が執り行われました。工大の卒業式は例年なぜかお天気が悪いという印象があるのですが今年は何とも心地よい晴天に恵まれました。若人の門出を寿ぐにふさわしく厳粛な中にも艶やかな式典の挙行を見守るうち、いつもながら学園関係者としてのよろこびを思い、巣立つ卒業生・修了生諸君の活躍を心から祈った次第です。

 さて今日のタイトル、暇つぶしに梱包のクッション材をつぶす話ではありません。LPレコードのスクラッチノイズのことです。そうなのです。以前、わけあってカセットデッキを新たに買った顛末を記しましたが、このたびその第helico.jpg2弾としてレコードのライブラリーを復活させるべく、ついにプレーヤーを購入しました。

 CDが世に出たのは30年とちょっと前と記憶しとります。それまではレコードの時代。貧乏学生やったわたしなどはレコードを1枚買うこともなかなかに難しく、音楽を楽しむためにSONYの小さなシステムコンポをフル活用し、レンタルレコードのカセットテープへの録音とFM放送のエア・チェックに日夜勤しんでいた時代でした。

 初めてCDの再生音を聞いたときの衝撃はいまだに忘れられません。レコード再生のスクラッチノイズやテープ再生のヒスノイズから解放された、完全に雑音の無い世界。これは大変なことになると思ったそのとおり、オーディオシーンは激変しました。坂道を少しずつ上るように進歩してきたオーディオ機器が、アナログからデジタルへの移行という革命的なイノベーションにより、レコードはあっという間に駆逐され、CDにとって代わられました。当時、レコード針のシェアトップやった「ナガオカ」の売り上げが100分の1に激減したと聞き、さもありなんと思ったもんです。企業存亡の事態やったでしょう。

 以来30年、レコードは完全なオワコンとなり、音楽に限らずカメラやホームビデオやなんかもすっかりデジタルにとって代わられました。技術革新は世の中をどこまでも便利にしていきます。

 わたしも多聞に漏れず今日まで、簡単便利で高品質なデジタルサウンドを満喫してきたわけです。しかし最近になって、先日のカセットテープ同様に、もう一度聴いてみたいレコードがあるということに思い至ったのが今回のプレーヤー購入の動機でした。IMG_2115.jpg

 ヨドバシの通販をのぞくと、プレーヤーは先日のカセットデッキのときよりもはるかにニーズがあるようで、何ともリーズナブルな価格の製品がいくつも並んでいます。SONYのんにしました。カセットデッキはすでに生産終了しているSONYがレコードプレーヤーはいまだ作ってるということが、世の風潮を示唆しています。

 もっぱらクラシックを聴いておられる職場の大先輩がいるのですが、以前「レコードなんてまだ売ってるんですか!?」なんて聞いて怒られたことがあります。梅田周辺でも中古レコード店は健在です。

 発注した次の日に届きました。便利な時代になったもんです。早速押し入れにしまってあったLPレコードを引っ張り出してくるわけですが、まずホコリを払って持ち運べる状態にすることから始めねばならない。奥さんがぼやくこと(^^)。

 レコード眺めるとその1枚1枚、買ったときのことわりと覚えてるもんですね。この子供向けクラシックオムニバスは小学生のとき父に買ってもらったとか、このサントラは高校時代、学校の帰りに友人と一緒に買ったものやとか。

 さっそく中の1枚を選んでかけてみました。ジャケットから取り出してクリーナーでホコリを拭い取ってターンテーブルにセットし針を下ろす、といった30年以上ぶりに行う一連の所作自体がなんとも懐かしい。そして響きはじめたレコードの音。…なんだ、この雑音は? プチプチプチとホコリや傷による雑音が多い。ああそうそう、レコードはこうやったなあ、と妙に納得しました。レコードの経年劣化によって当時よりも雑音が増えてはいるのでしょう。しかし、CDに慣れた今の耳には、そのプチプチがかえって新鮮に思えます。音自体もデジタルの澄みきった硬質な響きとは明らかに違う、これはこれでなかなかに趣が感じられます。

 昭和の頃まで音楽の隆盛を支えてきたアナログのレコードという技術と製品、CDに比べて音質の点でも扱いやすさの点でも明らかに劣るのに今なおその需要が絶えないのは、簡単にはいい音を鳴らせないアナログならではの奥の深さに価値を見出すファンがいるからやろと思います。レコードはもう新品が供給されることはありませんが、これからは中古レコード店、わたしもたまに覗いてみようと思てます。

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katsuhiko

男 

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奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

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雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

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