今年も残り1カ月足らずとなりましたが、いつもと違う師走のスタートです。コロナウイルスの蔓延で大阪では不要不急の外出は控えるように、と御上のお達しが出されたことにより、いいお天気にもかかわらず、再び巣ごもりの週末となっています。
忘年会も軒並み中止です。無けりゃ無いで済んでしまうのですが、それでは身も蓋もありません。パァっと飲んで騒いで経済を回してこそ、一年を総括し来るべき新しい年に向けての気概も高まるというもんです。淋しいことこの上無しで、一年で最大の書入れ時がパァになる飲食店さんは本当に気の毒です。昨夜のNHKスペシャルは、コロナで職を失うのは女性が多く特に深刻である、という点に焦点を当てたドキュメントでした。本当に切実な様子を目の当たりにし、一日も早く終息しもとの元気な日本と世界に戻ることを念じてやみません。
さて、そんな異常事態の地球に、はやぶさ2が帰ってきました。小惑星のサンプルが入ったカプセルはオーストラリアの砂漠で無事に回収されたとか。簡単に言うてますが、日本の科学技術の凄さを思い知る空前の快挙です。
小惑星探査の予算が、悪夢の民主党政権の悪名高き事業仕分けで蓮舫にいじめられて削られそうなところに、先代の「はやぶさ」が小惑星イトカワ表面の微粒子を持って帰ってきたことで世論が味方となり、パワーアップした第2弾の「はやぶさ2」がJAXAのH-IIAロケット26号機で打ち上げられたのが6年前でした。
打ち上げ当時、目指す遥か遠くの小惑星は「1999JU3」のコード名やったのが、はやぶさ2が旅を続ける間に「Ryugu」という立派な名前が与えられました。はやぶさ2は無事にミッションをクリアし、52億キロの宇宙の旅を続け、Ryuguのかけらを持って帰ってきたのです。
その間に地球上では、天皇陛下が退位され上皇様となり平成が終わり令和新時代がはじまりました。総理大臣も安倍さんから菅さんに替わり、アメリカでは大統領がオバマからトランプに替わり、イギリスがEUを脱退し、中国の海洋進出が活発化し、韓国の日本に対する嫌がらせが活発化し、北海道の地震や中国地方の豪雨やいくつもの台風で甚大な被害が出、日本が国際捕鯨委員会 (IWC) を正式に脱退して商業捕鯨が再開し、リニア中央新幹線の工事が始まり、リオデジャネイロと平昌でオリンピックが開催されました。そして、世界史的規模の新型コロナウイルス感染症の大流行と世界的な経済の停滞の最中に、はやぶさ2が還ってくることとなりました。もしはやぶさ2が喋れれば「東京オリンピックはどうでした?」なんて聞きたいところでしょう。残念ながら1年延期ですワ。
はやぶさ2は大気圏に突入し燃え尽きるのではなく、Ryuguのかけらの入ったカプセルだけをオーストラリアに落下させたのち、次の小惑星の探査へと再び長い旅に出るのやとか。なんとよく働くことか。なんというロマン溢れるプロジェクトではありませんか。
しかし、JAXAとはやぶさ2が宇宙探査という人類の夢をちゃくちゃくと実現してきたこの6年間、いったいおまえはどれほどの進歩があったのかと問われているとすれば、これはもう、まったくもって面目ない次第です。夢と志を失わないようにとのメッセージをしっかりと受け止め、宇宙探査プロジェクトとはスケールがまるで違うけれども、日々仕事も生活も力を尽くそうと(少しだけ)意を新たにした次第です。
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