小説よりもかなり奇なり

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 先週のエントリーで、検察庁法の改正法案、本会議で可決成立の運びとなるでしょうと書きましたが、今国会では審議見送りとなりました。予想は外れましたが、ことはあらぬ方向へと進みました。誰がこんな面白い展開を予想できたでしょうか。事実は小説よりも格段に面白い。

 なんと渦中の黒川検事長が、あろうことかコロナの自粛期間中に産経記者、朝日新聞社員と賭けマージャンやってたという文春砲が炸裂したのです。コロナウイルスを吹き飛ばす勢いの轟轟たる非難の嵐が列島を席巻し検事長はあっという間に辞職しました。せっかく安倍首相たちが法を曲げてまで定年延長の画策したのに、パァになりました。なにやってんだか。

 法案見送りは、自民党にしてみたらちょっとやりすぎた感が募り、世論の反応見極めて無理しなくてもいいと判断したんでしょう。

 やはり改正の内容に相当無理があったということです。官邸が自信をもった法案なら、誰が反対しようがマスコミがどれだけ騒ごうが強行したはずです。集団的自衛権の安保法制の際の強行採決と比べると明らかです。あのときは安倍首相、日本の国益に叶う正しい施策であるという自信があったので、反政府勢力がいくら騒ごうが国会にデモ(主催者発表・朝日新聞報道12万人、実は3万人規模)をかけようが信念に基づき突き進めた。ところが今回は自分でも「ちょっとやばいよなあ」と思ってたわけです。

PAK25_shi-pai-1024x683.jpg 検察OBからの反対表明が一番効いたと思います。よくわかってない芸能人がなんとなくトレンドに乗って反対をツイートしたところで気にする必要はありませんが、法律の専門家であり、今回の改正で恩恵を被ったであろう検察の当事者からハシゴをはずされたかたちで、これはもうどうしようもない。哀れ白旗を上げることになりました。

 一方、じゃあ野党の勝ちかというとそうでもない。審議先送りとしたことで、一括付議としていた国家公務員の定年延長も同様に先送りとなりました。これは、自治労や日教組を支持団体にもつ立憲民主党にしてみると痛し痒しの事態です。

 労組「おい、一括審議になってる公務員の定年延長の方、大丈夫やろな」
 立憲「だいじょぶ、だいじょぶ、どうせ強行採決で可決されるし。
    とりあえず反対する、いつものパフォーマンスっす。」
 自公「審議先送り。定年延長も白紙」
 労組「枝野、どないすんねん!」
 立憲「・・・」 (今ここ)

 まあ、今の野党なんてこんなもんです。あとさき考えずとりあえず追及、攻撃してたらいつの間にか自分に跳ね返ってくる。蓮舫議員の頭に刺さった多くのブーメランが象徴してます。枝野代表、今になって「一括審議反対」を訴えてますが、そんなのはじめから分かってたことなのにね。

 それよりも、黒川ですわ。賭け麻雀、一度だけではないみたいで、常習賭博罪成立ということになります。もちろん、その夜のレート「点ピン」つまり千点100円、ハコテンで3千円は、世間広く行われてるお遊びレートではあります。これで摘発されたなんて話は聞いたことがありません。しかし、時と場合とやった人を考えると立件はありえます。ウソでもいちおう刑法典には「3年以下の懲役に処す」と書いてあるんやから。さらに、アゴ足つきで接待されたんなら、贈収賄罪でも告発できますよ。

 検察といえば、警察が捕まえた悪いやつらを裁判やって懲らしめるかどうかを決める正義の味方、法の番人です。その組織の重職にある人物が自ら犯罪に手を染めてたということで、いわば泥棒が警官やってたようなもんです。これはもうね、シャレになりません。

 野党は公務員定年延長の失敗で怒り狂い、ここぞと攻勢を強めてきます。単なる訓告処分で辞任して円満退職、退職金も満額受給では、世間も納得するとは思えません。さて。

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