お相撲さんたち

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 はやいもんで今年も12月に突入しました。うわ、年賀状まだ書いてないし、あれもこれもまだできてない。しゃーなし来年まわしっと、いつもどおりの師走の心象です。例によって週末を中心に忘年会ラッシュ、全部で十数件の宴席を粛々とこなしてまいります。がんばれわたしの肝臓。今月はゴルフもコンペとプライベート2回の予定があります。仕事に支障をきたさないよう体調に気をつけていかねば。

sumo1.jpg さて、大相撲が大騒ぎです。暴行疑惑で加害者の日馬富士はもとより、被害者貴乃岩、横綱白鵬、協会理事会、貴乃花親方、それぞれにいろんな動きをしてて、そこに遠くモンゴルから朝青竜や鷲羽山やなんかも大声あげだして、もうなんだかわけ分かりません。

 暴行事件で立件されたわけですから、引退やむなしは当初から言われてて想定どおりの決着なのに、どうもすんなりいってないなという印象です。「物言い」横綱の白鵬は、優勝したもののインタビューで「二人とも土俵にもどすどー、バンザーイ!」とかやって厳重注意されたり、貴乃花親方は協会理事会の事情聴取に応じないし、一部では今や主流となったモンゴル出身力士閥と親方衆や日本人力士たちの確執があるのでは、なんてことも言われてるそうです。どこまでが本当でどこまでがメディアの捏造なのかは分かりませんが、全体像がすっきり見えないことは確かです。

 さて今回の事件、たとえばプロレス、ボクシングなどほかの競技団体の話であったなら、ここまでの騒動にはなりません。なぜにお相撲さんの場合こんなに国民の関心が高いのか。ひとつにはそれだけ人気があるので注目を浴びやすいということがあります。競技として国民に人気があればあるほど、そのプレィヤーは有名税として品行方正な身の振り方が求められるのです。

 しかしそれよりも大きな理由は、大相撲が他の競技とちがって単なるスポーツ、興業ではなく、わが国古来の伝統に則った神事であるという一面があるからやと思います。相撲は五穀豊穣を願って神に奉納するために行われる神聖なパフォーマンスであって、当然のことながら卑怯な行為や八百長などの不正が介在することに国民は本能的な拒否反応を示します。今回のように最高位たる横綱が暴力を振るって非難されるなどもってのほかなのです。

sumo2.jpg その神聖さと日本人が共有できる有益性を有するがゆえに、日本相撲協会は公益財団法人という法人格を取得しています。公益法人でありながらプロ選手を多数かかえ、営利目的の興行を全国規模で開催しているのです。こんな団体ほかにありません。その長い歴史と有益性によって農耕民族日本人の総意として「お相撲ならまあいいか」という認識ができ上がっているからです。

 ところが、その人気が高まるにつれて力士が野球賭博や大麻で捕まったり、今回のように力士同士や民間人に対して暴力振るったりとさまざまな不祥事が頻発するようになりました。中でも2011年に発覚した八百長事件ではどうにも収拾つかなくなり春場所の開催を中止するという前代未聞の事態となりました。その際に叫ばれた角界の綱紀粛正がどうやらまたぞろなおざりにされてきた模様です。これは協会理事会が考えている以上に深刻な事態であると思います。ファンが減って入場料収入が減り、スポンサーの懸賞も減り、タニマチも離れていくといずれ力士の給料も払えなくなるでしょう。相撲協会が税金面でも優遇されて派手に興業が打てるのも、国民多くの総意が結集してそれを求めているからです。ひとたびその信頼を失えば「協会解散」もそんなにありえない事態ともいえません。

 お相撲さんといえば横綱ならずとも強くて優しい正義の味方、人格高尚にして清廉潔白、品行方正というイメージがあります。これはいわば日本人がもとめる人間の理想像なのです。どうか繰り返される不祥事で、このイメージを損なうことのないように願いたいもんです。

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katsuhiko

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