哀愁のガソリーヌ

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97a1b491.jpg 「日本死ね」でおなじみの、山尾志桜里衆議院議員が民進党を離党しました。報道によると、民進党が代表選を終え前原体制で新たなスタートを切ろうとした矢先、幹事長ポストに就任予定の山尾氏の不倫疑惑が露見して見送りとなり、公党の重要ポストに就くどころか下手すると議員辞職の危機へと、まさに天国から地獄への急展開です。かつてのガソリン代横領疑惑の際には「秘書がやったこと」でお茶を濁した山尾も今回は逃げ切れませんでした。巷間、議員辞職を求める声がこだましています。政治生命は完全に断たれました。辞職しないとなれば解散総選挙まで残されたわずかな余命をせいぜい慈しんでください。

 げに恐ろしきは週刊誌の取材力です。しかし、もし幹事長就任後に発覚していれば党へのダメージははるかに大きかったわけで、就任直前というタイミングでの炸裂は週刊誌側の温情とみるべきか。いやいや、生き馬の目を抜く業界のこと、スクープ優先、スピード勝負ということやったわけでしょう。おかげで結果的に民進党は最悪のダメージだけはなんとか回避できたかたちです。まあ、どっちみち解党に向けて突き進んでいる現状に変わりはないですけど。

 さて、今日はこんな週刊誌ネタをあげつらうつもりはありません。先週の新聞でちょっと気になった別のニュースを考えてみます。

 遺伝子学会が「優性」「劣性」という表現を改めるということです。いうまでもなく遺伝の話をする際には必ずでてきて、用語として定着しています。あい対立する遺伝子を両方持つ場合、子孫に発現する遺伝子を優性遺伝子、出ない方を劣性遺伝子といいます。言われてみれば、発現する、しないという性質の区別を言うだけでどっちが優れている、劣っているという根拠はないわけで、おかしいっちゃおかしい。

20170907_095019080_iOS.jpg 高校時代、生物の授業で初めて聞いたときには「なるほど、優れているから発現するんやな」と無邪気に理解してましたが、これは確かに誤解を招きます。

 その頃読んだ少女マンガの中に、「私は、結婚するのは外人と決めてるのよ。そのほうが遺伝は絶対、優性がでるわ」というセリフがあり、これはおかしいと思った記憶があります。外国人だろうが日本人だろうが、発現するということはすべて優性です。これ描いた漫画家は、同じ人種の交配の場合は子に劣った形質が発現しやすく、それを「劣性」と呼ぶのだと誤解していたわけです。

 学会がいうように優性劣性という語感によって本来の意味を損なって社会に浸透しているきらいがあり、なるほどこれは改めた方がいいなと思いました。またひとつ、わたしたちの世代が使ってた教科書の内容が変わることになります。

 世の中には、意味が間違って広まってしまった言葉がたくさんあります。「役不足」「確信犯」「恣意的」「姑息」「更迭」などなど。しかし今回の例は、いわばもともとの専門用語そもそもが誤解を生じやすいものやったわけで、法律用語の「善意・悪意」や「果実」なんかに似てます。

 言葉は生き物で、時代時代で変遷を遂げ100年経ったらもはや外国語ともいわれます。社会や環境の変化によって自然と変わっていくものもあれば、今回のように「これからはこうしよう」といわば強制的に変えたり、「諸般の事情考慮しもう使わないようにしよう」と自主規制したり、逆に新しい言葉がつくられる場合もあるわけです。世相を反映した新語、流行語の中には実に気が利いてて、唸らせるものも少なくありません。

 例の「日本死ね」で流行語大賞受賞した山尾氏、「ガソリーヌ」「ウワキーヌ」「フリンソワーズ」など一連の新語が受賞したらまた授賞式に出てくるのでしょうか。

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