ご褒美の温泉

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 久しぶりに温泉旅行に行ってきました。台風16号が列島を西から縦断していった、先週半ばのことでした。
 
IMG_7165.jpg 会社などでよくある永年勤続者表彰、うちの職場では勤続15年と30年で表彰されて、副賞として旅行券がもらえるのです。私は去年の秋に対象となりました。それはそれでとってもありがたい話なのですが、表彰副賞として金券類を非課税で支給した場合は1年以内に費消してしまうべし、という国税からのお達しがあります。さらに、旅行券に加えて「永年勤続休暇」なるものも制度としてあるにはあるのですが、なんせ仕事の都合でそんなに簡単には休めない。うちの奥さんからは「ホントに行けるの?いったいいつになったら休めるの?」なんて叱られつつ、早く行かねば行かねばとタイミングを見計らっているうちにどんどん月日は過ぎていき、12カ月目になんとか滑り込みで成就できたという次第です。
 
 黒川温泉は何年か前に一度行ったことがあります。全国あちこちの有名温泉地、秘湯をめぐってきましたが、一番よかったところのひとつで、今回ご褒美の旅行先として再び訪れることとした次第です。熊本は春に起こった大地震の影響もあろうかと思いましたが、ウェブで調べたり、旅行代理店で相談しているうちに、復興に協力する意味からも黒川再びの思いが募ってきたのです。
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 しかし、なんせ台風直撃やったんで、行きの新幹線が止まってたら万事休すです。そのときはそのまま引き返し、旅行社ですべてキャンセルする覚悟で、恐る恐る新大阪駅まで出向いたところ、をを!さすがは日本が世界に誇る新幹線、「非常に強い」台風ぐらいではびくともせずに平常運転してるやないですか。よかった、熊本まで辿りつけばあとは何とかなるということで、無事に出発できました。
 
 中国地方で台風とすれ違ったようで、乗車中は土砂降りやった雨が熊本に到着する頃にはすっかりあがってます。こっからは3日間レンタカーで移動するんで、やっぱり雨は避けたいところでした。
 
 前回来たときは、大分空港から湯布院を経て黒川温泉、阿蘇山に寄って熊本から空路帰阪というルートでしたが、今回はその真逆で、熊本から黒川→別府で大分空港から伊丹へという段取りです。しかし阿蘇地方はいまでも道路が寸断されたままで通れないため、今回は別ルートとなりました。熊本の市街は思いのほかキレイで、ところどころ屋根にブルーシートをかけたおうちもありますが、知らなかったらとても被災地とは思えません。テレビで観た熊本城は無残な姿になってましたが、震源近くても場所によって被害の度合いは違うんやなあとか考えながら車は北へ北へ。ゆっくりと2時間弱走って、黒川温泉とうちゃく。
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 黒川は小さな温泉街です。雰囲気が実によい。ケバケバしい看板が一切なく、秘湯の雰囲気と温泉街の情緒をぎりぎりのところで両立しています。立ち並ぶ旅館は黒とベージュ系でみごとに統一され、そんなに数も多くもなく、観光バスが大挙乗りつけるようなレガシーな大旅館もありません。かつて高度成長時代には存亡の危機にあった交通不便山峡の小さな温泉街が、有馬や熱海といった時代を象徴する大温泉街とは一線を画し、街一丸となって独自の雰囲気の醸成に取り組んできたとか。努力の効果あって徐々に人気をはくし、今や全国でもいちにを争う人気のブランド温泉地となりました。私もとうとうリピーターとなってしまいましたよ。
 
 お宿について、部屋の温泉露天風呂に浸かっては飲み、また浸かっては飲み、いくつかある大浴場を次々と制覇しているうちに夕食の時間となり、さて贅を尽くした山海の珍味はいつもどおりとても食べきれない。
 
 実は、出発前に旅行社を通じて「食事は量を減らしてそのぶんクオリティアップを」とリクエストしていたのです。にも関わらず、やっぱりどうにも多い。ムリ。世の温泉客はほんとにこれ全部平らげるのやろかといつもどおり感心しつつ、食べ終わって湯に浸かり、また飲んでは浸かりしているうちに、谷間の温泉街の夜は静かに更けていくのであった。<この項続く>

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katsuhiko

男 

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奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

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雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

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