がんばれフランス

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 再びフランスでテロがあった矢先、今度はトルコでクーデターと、落ち着きのない海外事情を横目に平和な日本では参議院選挙はすでにして過去のものとなり、国民の耳目は都知事選に集まっています。しかし、立候補者をつらつら眺めて「これではマスゾエの方がなんぼかマシやった」などという声もちらほら聞こえているとか。思うようにならないのが世の常です。
 
 paris.jpgフランスのテロは何とも酷い。ソフトターゲットとかいうそうです。軍事拠点や重要施設など警備が厳重なところではなく、もっと簡単に攻撃できて罪のない市民を無差別に殺傷しやすいところを攻撃の対象とする、ワンランク上の卑劣さでもって敢行される悪魔の所業です。
 
 フランスは英国、ドイツと並ぶ欧州の大国であり、人権宣言とともに長く民主主義世界をけん引してきた誇り高き国家です。近現代、長く世界の文化の中心にあって日本人にとっては明治の昔から近代化の目標としてきた国でもあり、多くの文化人は芸術の都パリに強いあこがれを抱いていました。
 
 フランス革命は近代的な人権思想と民主主義の萌芽となり、その後の世界史に決定的な影響を与えました。生物学的な人類のふるさとが東アフリカの大地であるならば、社会的な人間のふるさとはヨーロッパそれもフランスやったのです。
 
 フランス革命で連想するのは、かの「ベルばら」であります。有名なセリフ「マリー・アントワネットは、フランスの女王なんですから~」って、おまえは女王とちごて王妃やろがと突っ込んでたもんですが、よく考えるとあれはダメ国王のルイ16世に対する当てつけやったとも言われてるそうです。なるほど。
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 わたしなんか世界史にはまったく疎いので、蜂起した民衆はバスチーユ監獄を襲撃したその足でベルサイユ宮殿へと向かい、王族を引きずり出してギロチンに架けたというようなイメージがありましたが、どうもそんなに簡単ではなかったらしい。フランス革命とひとことで言いますが、その後もナポレオンが現れたり王政復古があったりで、きちんと共和制に移行するまでにはなお紆余曲折の歴史があったのやとか。少女マンガだけやなくて、革命を扱った小説でも読んで、すこし勉強してみよかなとか思ってます。
 
 さて今回のテロ、果たして組織的なものなのか、思想的背景があるのかないのか、詳しいことはわかりませんが、手口と標的が多様化してテロの恐怖が徐々にレベルアップしていることは確かです。トラックで人混みに突っ込めば、爆弾による自爆テロに匹敵する殺傷効果が得られます。弾薬も兵器も必要なくて車の運転さえできればいい。誰でもやろうと思えば簡単にできてしまいます。9.11によって戦争というものの性質が国家間の紛争解決の手段から、世界秩序とテロとの戦いへと変貌を遂げました。ISやアルカイダなど、テロ組織がはっきりしているうちは何とか対応できますが、いち個人の思いつきで起こされるテロ行為はふせぎようがない。
 
 つまり防御の対策としては、そんな過激な行為におよぶ人物が出てこないようにするしかなにのに、これが難しい。わが国で比較的テロが少ないのは、日本人の身上である「つらくても人に迷惑をかけないこと」という精神が徹底されているからやと思います。社会的に我慢ならない不満を抱いたとしても、それを解消するためにまったく罪のない人たちを傷つけるというのはやっぱり違うやろ、という思いが共通しているのです。お互いの人権を尊重することは、人間が人間であることの要件であって、結果でもあります。フランス革命の精神が尊重され、地球上から卑劣なテロ行為がなくなることを願うのみです。

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