跋扈する妖怪

| コメント(0) | トラックバック(0)
 今日は梅雨晴れ間、生暖かい風が吹き抜け部屋でじっとしていても汗がにじんできます。貴重なお天気の休日ですが昨夜の酒が抜けきらず、お出かけは見合わせて完全休養日と決め込みまったりと過ごしています。一昨日の朝、ベランダに早くもクマゼミがとまってました。仲間が見当たらず、ちょっと早かったかなと後悔しているように見えました。
 
IMG_6714.jpg 出勤途中、職場となりの城北公園では、見かけないクロネコがぢっとこちらを見つめてます。そばに寄っても逃げない。にらめっこに負けたのは私の方で、朝から敗戦を喫しての出勤でした。
 
 さて、参院選挙も大詰め、各党とも最後の追い込みに駆け回っているというところです。自民党の圧勝はまず間違いないものとして、多くの関心は、その勝ち方がどこまで野党を圧倒したものになるかという点に収斂してきました。ただでさえそんな状況というのに、情けない野党がまたやっちゃいました。
 
 共産党の政策委員長やった代議士がテレビの討論番組で「防衛費は人を殺す予算」と発言したことから、党の役職を更迭されるという失態です。党本部で本人と書記局長とがガン首を並べて、赤旗ならぬ白旗掲げてお詫び会見を行いました。選挙期間中のこの華麗なるオウンゴールで、共産党は100万票以上減らしたなんて言われてます。
 
 会見で更迭の理由は「発言内容は防衛予算を全否定はしていない党の立場に反した」と言ってますが、そんなことはない。自衛隊は人殺し集団で憲法違反ということは、常々共産党が声高に主張していることで、今回の発言となんら矛盾しません。この元政策委員長に対して、党は「よく言った」と称賛こそすれ懲罰することなどないはずです。役職更迭は、ひとえに選挙に与える影響を懸念しての姑息な収拾策にすぎません。
 
 そもそも共産党は、社会主義、共産主義社会を実現するためには暴力革命も辞さないという、結党以来連綿と続く党の理念を堅持しています。戦前の弾圧の時代から幾多の闘争と苦難を乗り越えて、現代においても共産主義革命の完遂と日本人民の解放を目指しているのです。
IMG_67150.jpg
 
 ソ連の崩壊に象徴される社会主義国の衰退などもあり、時代の変遷とともに共産党の路線も少しずつ変わってきました。平成の現代において彼らの目指すところはさしあたって自衛隊の廃止、日米安保の破棄といったところでしょうか。しかし共産党は自衛隊の防衛力を否定する一方で、暴力革命に伴う殺戮は否定しません。たくさんある共産党の論理破たんのうちの代表的なひとつです。
 
  政府はつい最近も、共産党は「戦後に合法政党となって以降も日本国内において暴力主義的破壊活動を行った疑いがあるものと認識している」と指摘し、「現在においても、破壊活動防止法に基づく調査対象団体である」と閣議決定しています。つまりは、共産党に対する国民の、これが一致した認識なのです。オウム真理教となんらかわらないテロ集団といってもいい。とんでもない組織、団体です。
 
 にもかかわらず、なんと日本国民にも共産党を支持するひとびとがおり、国会や地方議会に議席を持っています。なぜか。
 
 共産党は本来の目標であるところのプロレタリアート独裁、天皇制の廃止、私有財産の廃止など、普通の日本人が聞いたら「ちょっとまってよ」というような主張を選挙運動で叫ぶことはいっさいありません。戦争反対、賃金アップ、消費税廃止、福祉拡充、役人の天下り禁止、企業団体献金の禁止、富裕層・ 大企業の課税逃れ阻止、ジェンダーフリー、人権擁護… 実に魅力的な政策のみを声高に主張し、現政権に不満をもつ層をとりこんでいきます。仮に政権を獲得したあかつきには実施するであろう本来の政策は、そのときが来るまで隠ぺいしたまま純真な国民を騙して、まず多数の議席を得ることに腐心しているのです。選挙の勝敗を左右するのは浮動票です。共産党は確定票で勝負するので一定数以上増えることがない半面、投票率によっては得票率が上がる余地があり、現状の議席はその効果が現れているといえます。投票日には党本部でこっそり雨乞いしてるんやないでしょか。
 
 ところがどっこい、国民はバカではありません。多少の議席が増えても、たとえば過半数に躍進するなんてことは絶対にありません。正体がバレているからです。
 
 共産主義のユートピアは、理想としてはリッパで魅力的なものです。しかし、マルクスが「ヨーロッパに共産主義という妖怪が跋扈している」と『共産党宣言』を世に問うてから約170年、現実の世界でそんなものを目指したら見事に失敗するんやということを人類は壮大な実験によって検証済みです。のみならずその過程においては、スターリン、毛沢東、チャウシェスク、ポル・ポトといったバケモノのような独裁者の出現を招き、多くの市民が殺戮され、戦争に匹敵する悲劇を体験してきました。そして今なお日本のすぐ隣の北朝鮮では、金王朝の独裁政権下で国民が餓死と処刑の恐怖におびえているのです。
 
 鎧の上に着物を着て目先の利益を唱える暴力主義集団の甘言に、日本国民が騙されることはよもやないと思いますが、英国のEU脱退の例もあります。わが国の国益と自分たちの生命、財産を守るため、国民ひとりひとりのしっかりとした対応が必要です。

トラックバック(0)

トラックバックURL: https://corridor0108.main.jp/mt/mt-tb.cgi/375

コメントする

WELCOME

CALENDAR

PROFILE

IMG_0227_2.jpgのサムネール画像のサムネール画像

katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

月別 アーカイブ