かばんと傘とEUと

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 英国がEUやめちゃうことになりました。ビックラです。
 
82.jpg 英国は日本と似ています。島国であること、立憲君主制で皇室(王室)があること、歴史と伝統を重んじること、車が左側走ること、ポストが赤いこと。しかし、違うところもあります。伝統料理が不味い(といわれている)こと、そして移民の労働力を多く受け入れていること。これが今回災いして、移民に仕事を奪われた労働者層の反発が募って、ほかのヨーロッパの国々と必要以上に仲良くするのはもうやめて一線を画そう、という結果になったようです。
 
 どうも近視眼的な判断のような気がします。個々の労働者レベルでは多少の改善があっても、英国はまた世界有数の金融市場なのであって、今回の決定がロンドンのシティに与える影響はほとんど予測不能です。アベノミクスの調子がいまいち上がらないわが国への余波が少ないことを祈りたいもんです。
 
 さて、グッと身近な話ですが、わたしはわりにモノ持ちがいいということをだいぶ前に書きました。モノ持ちがいいというより、使い続けると強い愛着が湧いてくるのです。
 
 以前使ってた通勤カバンがボロボロになったので、新しいのを買ったのが4年前。以来使い続けてきた現在のカバンも先代と同じく持ち手の部分がそろそろボボけてきました。手で握る部分の表面が剥がれてきただけで、持ち手が切れてしまうとかいうわけではないので使い続けてきました。ところが、最近気が付いたんですが、表面が剥がれて下から出てきた層は色が落ちて触ると汚れるんです。たまに両手ふさがったときに持ち手を手首にかけたりすると、革の黒い色がシャツの袖口に移ってしまう。これはいかん。IMG_6712.jpg
 
 新しいカバン買うべしか。しかし、持ち手以外はまったく異常なく、使い込むほどに牛本革の色合いと質感が落ち着いてきて、いよいよこれからという感じなのです。不思議なことに革製品はほんの少し傷がついてもいつのまにか消えてしまいます。自然素材の強みです。不具合が発生するのは、いつも人為的に加工した部分です。
 
 そや、持ち手だけ交換したらええんや、と思い至りました。
 
 一瞬、買ったお店に相談しようかと思いましたが、まてよ、と。ネットで探してみると、案の定カバンの持ち手のみの通販、たくさんありました。
 
 素人が取り付けられるんやろかと思いながらも注文したところ、2日後には手元に届き、早速つけてみたところ、をを!
 
 実に簡単に装着完了。引っかけてホックをパチンとはめるだけです。これで耐荷重大丈夫なんかなと思いましたが、実際に使ってみると、びくともしません。カバン本体の重さでホックが外れるようなことはなさそうです。お値段約1,200円ナリ。これでまた何年かは使っていけそうです。
 
IMG_6711.jpg 一方、梅雨時に欠かせない傘。中でも携帯便利な折り畳み傘ですが、こちらも長年連れ添ってるのんがありまして、かれこれ20年以上になります。実に軽くて持ち運び便利なのが気に入ってずっと使い続けてます。折り畳み傘というものは携帯性が身上です。傘としての機能を極めるより、とにかく軽さがポイントとなります。
 
 で、先週のこと。縁あって京都の某名門大学にお邪魔し、ミュージアムや図書館など見学させていただく機会を得ました。おりしも梅雨真っ只中、案の定降ってきました。それもパラパラやなくて、車軸を流すようないわゆる土砂降りです。さっそく例の傘取り出して差したところ、なんだか頭上から雨が落ちてくる。「あれ、おれカサ差してるよな」
 
 なんと、雨の勢いが強いんで、雨粒の一部が傘の生地を突き抜けて飛沫となって落ちてきてるんです。いかに強力な雨とはいえこれでは傘の役目を全うしていません。長年の使用によって傘の布地そのものもやっぱり劣化してるということか。さもありなん、20年以上ですもん。
 
 傘は天下の回りものなんていって、いわば消耗品です。といっても壊れて捨てるんやなくてどこかに忘れてきてしまって、拾った誰かに使い継がれていくわけで、何十年も同じ傘使うなんて稀有な例と聞きます。ところが私はこの折傘に限らず、持ってるほかの傘も使い始めたのはもう遠い記憶の彼方なのです。
 
 さて、この折傘はとうとう引退か。防水スプレー買う値段で新しい傘買えそうですよね。
 
 うちの奥さんに話したところ、カバンの持ち手だけ代えて使うなんてビンボくさい、とっとと新しいカバン買って来い、水が漏る傘なんて傘とちゃうし、こっそり捨てといたろって。比較的モノに執着がなく、過激な革新的施策を主張しています。
 
 どんどん新しいものに移行していくほうがいい場合があります。一方、古くても続いているものには続いているだけの理由があるわけで、改革革新と伝統の調和・融合によって最適な状況を作り出す判断が求められます。英国は今回EUとの決別を選択したわけですが、わたしはこのカバンと古傘、まだまだ使っていきますよ。知らない間に捨てられないよう、気をつけねば。

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katsuhiko

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