一票の格差

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 いいお天気でした。歩いていると汗ばむような陽気です。うちの奥さんがめでたくiPhone6+を入手できる運びとなり、今日手続きに付き合ってきたようなわけで、一日の段取りが押して押して、今頃ブログの更新を楽しんでいるという次第です。いまさらですが6+、大きくていいですね。老眼にやさしい。私もやっぱしプラスの方にしとけばよかったかな。

 さて、明後日、衆議院選挙が公示されます。昨日、選管から入場券が届きました。来月14日の投票日はまたぞろゴルフに出かける予定なので、これは期日前投票とせねばなりますまい。

 今回の総選挙、フヌケのような野党相手に自民党の圧勝はまず間違いないものとして、注目したいのはやはり「一票の格差」の件です。

vote.jpg 憲法が保障する「法の下の平等」の精神に反するということで国政選挙のたびに「選挙無効」の訴えが起こされ、裁判所は「確かにおかしくて違憲状態ではあるけれど、やっちゃった選挙を無効にするとそれはそれでエライことになるから、今回だけは許してあげて」という判決を繰り返してきました。で、「おい、ちゃんとしろよな」と国会に是正を迫り、そのたびに国会はちょこちょこっと定数や制度をいじくって直近では「0増5減」なんてお茶を濁してという繰り返しの中で、一向に抜本的な正常化が図られずに今日に至っています。そろそろ最高裁もキレかかってます。わが国ではアジアの某国のように反日の国是や共産党の支配が法律に優先するようなことはなくて、三権分立がきちんと機能してます。国会が裁判所を無碍にすることはできません。

 最高裁、過去の訴訟では1票の価値に5倍の格差があっても「合憲」なんて判決出してましたが、近年でみると過去4回の国政選挙で全部「違憲状態」としています。下級審も過去には「違憲状態または違憲やけど選挙は有効」という判決を続けてましたが、とうとう前回の総選挙の際に広島高裁で「猶予期間なしに選挙無効」という判決が出されました。この訴訟はその後最高裁で「選挙は有効」と覆されたので大過なきを得ましたが。

 裁判所の怒りが徐々に募っているのはまちがいありません。今回の総選挙でもすでに有志の弁護士さんたちが訴訟を起こしました。さて今回裁判所はどうするか。

 この格差是正、確かにやっかいな問題ではあります。人口が極端に少ない都道府県でも少なくとも1人は代議士やらせてやんないといけない。参議院の場合はさらに深刻で6年任期で3年ごとに半分ずつ改選するもんやから、少なくとも選挙区ごとに2人以上の定数がいることになります。有権者48万人の鳥取県の定数が2人なら、1,080万人といちばん多い東京都には定数45人いないといけないのに実際はたったの10人です。東京都民1人は鳥取県民の4.5分の一の価値しかないことになります。極めて失礼、無礼な話で、明らかに人権の蹂躙です。かといってそれに見合うだけ東京や大阪、神奈川など人口多いところに必要数の議席を配分したら、議員の全体数が膨大に膨れあがります。ほとんど仕事していない議員も多くて、ただでさえ定数削減が喫緊の課題となっている中で、こんなことはとてもできるはずもありません。

 さて、どうするよ。

 そもそも国会議員を地域地域の利益代表者と見なして、都道府県ごとに選挙区を設定せなあかんから必定こんな問題が生じるんです。明治から戦前戦後までは地方がまだ元気で、ひとの営みは都会とのかかわりがなくてもきちんと成り立っていました。日本中にベターっと人が住んでて、人口密度の差が今ほどひどくもなかったので、それなりの定数配分ができていた。しかし戦後人口が都市圏へ集中して地方の過疎化が進みはじめて、定数の配分に具合が悪くなりました。「地方創生」なんて言って政治はたてまえ都市も田舎も差別しないことになってるもんやから、選挙制度も「1人別枠方式」にして、各県最低1人は…とせざるを得ない。しかしその結果、都会の住民の権利侵害という逆差別を生じてきました。

 各都道府県を構成要素のセルと決めつけるから話が行き詰るんです。まず参議院は選挙区なくして全国区オンリーにすべきでしょうよ。衆院選でも比例区の議席をうんと増やすとともに選挙区もブロックのみにして小選挙区は廃止すべきです。そうすれば議員定数の削減も一気に進んで一石二鳥です。国会議員の数なんて、今の半分でも十分やと思います。だいたい政治家が地盤と出身団体の利益しか考えないから日本の政治は発展がないのです。「経済一流政治は三流」と諸外国から揶揄されても、これだけは変えずに続けてきた。それどころか、地元への利益誘導こそがゆいいつ政治家の仕事であると勘違いしている連中がずっと議員に居座って、陳情の処理だけに情熱を注いでいるのが今の国会の実態です。

 そうやないでしょ。市議村議、県議やなくて、うそでも国会議員なんやから少しは国を憂えるということを覚えてほしいもんです。そのためには選挙区なんて無いのが一番いいんです。有権者も、ただ単に「地元の人やから」という行動動機でもって投票するのはもうやめましょや。貴重な一票をそんな理由で行使した人には政府・与党の政策に文句を言う資格はありません。他に方法がないんやから、あとは裁判所を本気にさせないうちにきちんと改革やってくださいな。

 なんだかよく分からない理由で突然行われた今回の解散・総選挙。ただでさえ国民の脱力感は募っているのに、お金かけてやった選挙の結果が「無効。やり直し」なんてことになったら、順風満帆余裕の安倍ちゃんも思わんところからの攻撃で窮地に追い込まれますよ。 

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