ふるさとの駅のこと

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 IMG_1306.jpg先日、いつも世話になっている親しい友人の父上が亡くなられ、弔問のために帰省しました。

 いつもクルマなのですが、この日は電車にしました。途中にたちよる訪問先が駐車しにくく、前後の動きを考えて時間的にもあまり変わらないことなどから電車を選んだのです。

 ふるさとは奈良県吉野郡下市町といいます。県南部の山峡の町で、最寄り駅は「下市口」という近鉄吉野線というローカル線の駅です。住んでる大阪からわりと近いこともあり、年に何度も帰省します。しかし、電車でというのはめっきり少なくなり、久しぶりにこの駅に降り立つとなんとも懐かしい思いが募りました。

 下市口駅は、大峰山や天川村といった奥吉野地域に向かう玄関口としてかつては大いに賑わってました。下市の隣町の大淀町に立地しながら「下市口」という駅名であることが、できた当時の状況を今に伝えています。今や両町の勢いは完全に逆転していますが、駅名は変わらないままです。

 この駅、地域産業の衰退による人口減少に伴って利用者が急激に減り、すっかり寂しくなってしまいました。駅前広場にあった土産店なども次々に姿を消し、発着するバスも減りました。

 田舎育ちの私にとって、幼いころから通学その他出かけるときには必ず利用してた行動の拠点であり、幼少の頃には駅前の商店街の喧騒に胸ときめいたものでした。しかし、久々に訪れてみると駅舎は変わらないものの、人影がめっきりと減り、商店街も多くの店がシャッターを下ろしています。人口の激減に加えて自動車の普及と郊外型大型店舗の攻勢によってすっかり衰退したのです。

 この日乗った近鉄電車の車内も、途中、橿原神宮前までの南大阪線の区間はそこそこ乗客がいたのですが、吉野線に入るとガラガラとなり、まさに空気を運んでいる状態でした。吉野線区間だけやとおそらく赤字なんやないでしょうか。もっとも、春の花見の時期には壮絶な混雑となって臨時列車も走るそうなんで、よくあるように「切り離すから自治体で面倒みてよ」という事態にはならないでしょうけど。

 思い起こせば高校時代、朝の通学時には満員やけど、それ以外の時間帯はとても空いてました。しかも単線で利用者が多い時間でも運行本数増やせないもんやから1本乗り遅れるとその日は遅刻決定、駅までは必死で自転車漕いだもんです。

 まだ、そこそこの利用者があり吉野地域の観光産業もあることから、当分は存続しそうですが、将来的にはどうなるか予断を許しません。もしこの鉄路が断たれるようなことがあると、わがふるさとは壊滅的な打撃を受けます。なんとか利用者が増えていってほしいもんです。

 ところが、そう思いながら結局この日も帰りには友人に駅までクルマで送ってもらい、取り込み中のお宅に迷惑をかける結果となりました。やっぱり、クルマで行けばよかった。

 つまり、田舎では電車の利用が減っていくのです。う~ん。

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katsuhiko

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奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

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雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

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